メイショウドトウ

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メイショウドトウ
Meisho Doto 20020113.jpg
2002年1月13日 京都競馬場
欧字表記 Meisho Doto
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1996年3月25日(29歳)
死没 (現役種牡馬)
Bigstone
プリンセスリーマ
母の父 Affirmed
生国 アイルランドの国旗.png アイルランド
生産 P. ハーディー
馬主 松本好雄
調教師 安田伊佐夫栗東
競走成績
生涯成績 27戦10勝
獲得賞金 9億2133万4000円

メイショウドトウは、日本の元競走馬で、現在はイーストスタッドで繋養されている種牡馬2001年宝塚記念の優勝馬である。外国産馬でありながら、トライアル競走を勝って天皇賞に出走するなど、古馬時代のテイエムオペラオーとは最大のライバル関係にあった。取引価格は500万円と破格の安さであった。

主戦騎手安田康彦で、管理調教師安田伊佐夫の息子である。全27戦中23戦に騎乗した。

競走馬時代[編集]

1999年[編集]

デビューは1999年1月、京都競馬場であった。4月に500万下条件クラスを脱したものの、しばらく900万下条件クラスに留まる。秋には嵯峨野特別とドンカスターステークスを連勝しオープンクラス入りを果たしたが、オープン入り後初戦の六甲ステークスは、1番人気に推されながら11着に惨敗する。

2000年[編集]

2000年重賞初挑戦となった日経新春杯では8番人気ながら2着。そして次走の中京記念をレースレコードで勝ち重賞ウィナーの仲間入りを果たした。

続く日経賞は3着だったがオープン特別競走のメトロポリタンステークス、金鯱賞を連勝して宝塚記念に挑む。なお、鞍上は安田が騎乗停止のため、河内洋であった。レースでは同期の皐月賞優勝馬で前年の最優秀4歳牡馬のテイエムオペラオーの前にクビ差2着に敗れた。

秋に入るが、主戦騎手の安田が道路交通法違反の現行犯で逮捕され、JRAは安田に対し2ヶ月の騎乗停止処分を下した。陣営はやむなく的場均を鞍上に迎え入れ、緒戦のオールカマーを快勝。天皇賞(秋)に出走するが、ここでもテイエムオペラオーに2馬身1/2差で差し切られ、2着に敗れる。鞍上を安田に戻して挑んだ続くジャパンカップでも、直線先頭に立ち、ファンタスティックライトを退けるも、クビ差の2着と三度テイエムオペラオーに敗れる。有馬記念では、4コーナーを回ったところでテイエムオペラオーが馬群後方におり、初めてのGI制覇かと思わせたが、テイエムオペラオーが一気の追い込みを見せ、ハナ差の2着に敗れた。この年、年間8戦8勝のテイエムオペラオーがJRA賞の年度代表馬、最優秀5歳以上牡馬に輝く中、GIで4連続2着となったメイショウドトウはJRA賞特別賞の話もあったが、GI未勝利のため見送りとなってしまった。

2001年[編集]

5歳となり、日経賞は単勝1.1倍の圧倒的人気に応えて勝利して天皇賞(春)に出走するが、またもテイエムオペラオーの2着、GIで5連続でテイエムオペラオーの2着となる。

次走の宝塚記念ではテイエムオペラオーに新記録のGI8勝という大記録がかかったレースであった。ここまでGI5戦連続ですべてテイエムオペラオーの2着と、陣営にとっては非常に悔しいレースが続いていた。また、そのほとんどのGIで手綱を取った鞍上の安田康彦は、その責任を重く感じていて、次の宝塚記念でテイエムオペラオーに負けたらメイショウドトウからの降板を申し出るつもりだった[1]

レースでは今までと違い、早めに先頭に立って押し切る奇襲にでる。一方のテイエムオペラオーは馬群に包まれややもたつき、直線で早めに抜け出したメイショウドトウに迫る。しかし、セーフティリードを保ったメイショウドトウはそのまま押し切り、ついに初のGIの栄冠を手にするとともに、ようやくテイエムオペラオーに先着した。このGI勝利は、管理した安田伊佐夫だけでなく、馬主の松本好雄にとっても初のGI勝利となった。

天皇賞(秋)はアグネスデジタルの強襲でテイエムオペラオー2着、メイショウドトウ3着。前年宝塚記念から続いたテイエムオペラオー、メイショウドトウの1,2着の組み合わせは6連続でストップとなった。ジャパンカップでもテイエムオペラオーこそジャングルポケットとタイム差なしの2着になるが、メイショウドトウは、古馬になってからの最低着順となる5着に敗れた。そして両陣営ともに「引退レース」と決めた有馬記念では初めて2頭が揃って同枠に入ったが、マンハッタンカフェのの4着に敗れた。

2002年1月13日、京都競馬場で2頭そろっての引退式が挙行され、種牡馬入りすることとなった。引退時の通算獲得賞金順位は歴代6位であった。

競走成績[編集]

年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
1999 1. 6 京都 4歳新馬 9 7 7 2.3(1人) 2着 安田康彦 55 D1800m(良) 1.56.6(36.5) 0.2 タイソーサ
1. 16 京都 4歳新馬 9 3 3 1.3(1人) 1着 安田康彦 55 D1800m(良) 1.55.7(37.8) -0.3 (ミラクルギフト)
3. 20 阪神 500万下 9 3 3 2.8(1人) 4着 安田康彦 55 D1800m(不) 1.52.7(37.2) 1.0 タイロバリー
4. 18 中京 かいどう賞 16 4 7 2.9(1人) 1着 安田康彦 55 D1700m(稍) 1.46.9(38.1) -0.1 ダイナミックウイン
5. 23 中京 香港J 16 1 1 9.3(6人) 8着 安田康彦 55 D1700m(良) 1.46.9(38.4) 1.0 マイシーズン
9. 5 札幌 ポプラS 11 5 5 37.1(8人) 8着 安田康彦 55 芝1500m(良) 1.30.7(36.3) 0.9 プリンセスカーラ
9. 18 札幌 大倉山特別 10 1 1 6.0(3人) 4着 安田康彦 55 芝1800m(良) 1.51.4(36.6) 1.0 チアズビューティ
9. 25 札幌 道新スポーツ賞 14 4 6 16.5(8人) 2着 安田康彦 55 芝2000m(重) 2.05.7(38.2) 0.8 エリモピュア
10. 16 京都 嵯峨野特別 13 5 6 16.5(4人) 1着 安田康彦 53 芝2000m(良) 2.02.2(34.7) -0.4 (バイオレットパール)
11. 14 京都 ドンカスターS 11 6 6 12.3(4人) 1着 安田康彦 55 芝1800m(良) 1.46.9(34.6) -0.1 (ロードサクセサー)
12. 26 阪神 六甲S 11 4 4 2.2(1人) 11着 安田康彦 54 芝2000m(良) 2.04.3(37.2) 2.0 トゥナンテ
2000 1. 16 京都 日経新春杯 GII 14 3 4 19.2(8人) 2着 武幸四郎 53 芝2400m(良) 2.24.4(36.0) 0.1 マーベラスタイマー
3. 5 中京 中京記念 GIII 14 8 13 7.7(3人) 1着 安田康彦 54 芝2000m(良) R1.59.1(35.9) -0.5 ブリリアントロード
3. 26 中山 日経賞 GII 10 4 4 9.3(4人) 3着 安田康彦 56 芝2500m(良) 2.35.8(35.8) 0.4 レオリュウホウ
4. 29 東京 メトロポリタンS OP 9 7 7 1.5(1人) 1着 安田康彦 57 芝2300m(良) 2.18.5(35.5) -0.2 (クラフトマンシップ)
5. 27 中京 金鯱賞 GII 11 4 4 8.2(3人) 1着 安田康彦 57 芝2000m(稍) 1.58.5(34.2) -0.2 ジョービッグバン
6. 25 阪神 宝塚記念 GI 11 4 4 23.0(6人) 2着 河内洋 58 芝2200m(良) 2.13.8(35.9) 0.0 テイエムオペラオー
9. 24 中山 オールカマー GII 9 2 2 1.9(1人) 1着 的場均 58 芝2200m(重) 2.15.8(35.6) -0.3 サクラナミキオー
10. 29 東京 天皇賞(秋) GI 16 8 15 4.4(2人) 2着 的場均 58 芝2000m(重) 2.00.3(35.9) 0.4 テイエムオペラオー
11. 26 東京 ジャパンC GI 16 7 13 16.1(5人) 2着 安田康彦 57 芝2400m(良) 2.26.1(35.4) 0.0 テイエムオペラオー
12. 24 中山 有馬記念 GI 16 7 13 6.8(2人) 2着 安田康彦 57 芝2500m(良) 2.34.1(36.5) 0.0 テイエムオペラオー
2001 3. 24 中山 日経賞 GII 10 1 1 1.1(1人) 1着 安田康彦 58 芝2500m(良) 2.33.7(34.6) -0.1 マチカネキンノホシ
4. 29 京都 天皇賞(春) GI 12 5 5 6.5(3人) 2着 安田康彦 58 芝3200m(良) 3.16.3(35.3) 0.1 テイエムオペラオー
6. 25 阪神 宝塚記念 GI 12 3 3 3.4(2人) 1着 安田康彦 58 芝2200m(良) 2.11.7(35.1) -0.2 (テイエムオペラオー)
10. 28 東京 天皇賞(秋) GI 13 2 2 3.4(2人) 3着 安田康彦 58 芝2000m(重) 2.02.6(36.5) 0.6 アグネスデジタル
11. 25 東京 ジャパンC GI 15 1 1 4.9(3人) 5着 安田康彦 57 芝2400m(良) 2.24.6(35.8) 0.8 ジャングルポケット
12. 23 中山 有馬記念 GI 13 8 13 5.5(2人) 4着 安田康彦 57 芝2500m(良) 2.33.3(34.6) 0.2 マンハッタンカフェ

種牡馬時代[編集]

引退後は種牡馬入りし、2005年に初年度産駒がデビューし、シゲルフドウカブが早い時期に産駒初勝利を挙げるもその後の産駒の成績はパッとせず、種付け頭数も年々減少傾向にあり種牡馬としての活躍は厳しい状況にある。産駒は自身同様晩成で勝ちきれない傾向を示すものが多い。また勝ち上がりはするがその後伸び悩むものがしばしば見られる。

2009年になって初年度産駒の一頭、ライジングウェーブが大井記念を制し、産駒の初重賞制覇となった。

主な産駒[編集]

※2009年12月現在

特徴など[編集]

もともと筋肉質の馬体でスピードがあった馬である。先行策から馬群を抜け出して押し切る戦法を主とし、ライバルであるテイエムオペラオーを抑えて優勝した2001年の宝塚記念も先行策であったが、中段からの競馬や逃げて好走しているレースもある。成績面から見ると、2000年のメトロポリタンステークス1着から2001年の宝塚記念1着までオープンクラスで10連続連対(重賞に限ると9連続連対)をしており、この期間に敗れた相手はテイエムオペラオーのみであった。テイエムオペラオーに9戦7敗と惜敗続きであるという見方をされて評価されていない部分があるが、GI競走や重賞競走での連対率が高く、成績面から見れば安定した走りをする馬であった。

エピソード[編集]

  • メイショウドトウの父Bigstoneは12戦続けてG1に挑み、4勝を挙げている。出走のスタイルに限ってみれば、2000年6月から2001年末までの一年半ほどでG1に9回出走し6連対を果たしたメイショウドトウと類似点を窺うことが出来る。

血統表[編集]

メイショウドトウ血統ノーザンダンサー系/Northern Dancer4×4=12.50%) (血統表の出典)

Bigstone
1990 鹿毛
父の父
*ラストタイクーン
Last Tycoon
1983 鹿毛
*トライマイベスト
Try My Best
Northern Dancer
Sex Appeal
Mill Princess Mill Reef
Irish Lass
父の母
Batave
1982 栗毛
*ポッセ
Posse
Forli
In Hot Pursuit
Bon Appetit Major Portion
Sweet Solera

*プリンセスリーマ
Princess Reema
1984 栗毛
Affirmed
1975 栗毛
Exclusive Native Raise a Native
Exclusive
Won't Tell You Crafty Admiral
Scarlet Ribbon
母の母
First Fling
1977 黒鹿毛
Nijinsky II Northern Dancer
Flaming Page
Fast Approach First Landing
Pinny Gray F-No.4-p


  • 兄Pay Me Back(父Master Wilie)は1993年イタリアG3(当時)セントレジャーイタリアーノ勝ち馬。このレースはイタリアの菊花賞に相当するが、年々価値が低下し、古馬に開放されて現在は準重賞に格付けされている。
  • 本馬の活躍で母や姉は次々と日本に輸入された。