ニシュ
ニシュ(セルビア語:Ниш/Niš)とはセルビアの南部の都市である。
概要[編集]
ニシュ行政管区の行政中心地であり、東セルビア・南セルビアで最大の都市である。2022年の国勢調査によると人口は182797人で、ベオグラード、ノヴィ・サドに次いでセルビアで3番目に最大である。ニシュはニシャヴァ川沿いにあり、南モラヴァ川との合流地点とはそう遠くないところに位置する。ニシュ・バニャと68の郊外集落を含む約596.73km²の面積を誇る。
歴史[編集]
ニシュは長い歴史を通して、様々な国の行政、軍事、貿易の中心地だった。現在のニシュの地域にあった古代都市ナイススでは、ローマ皇帝コンスタンティヌス大帝とコンスタンティウス3世が生まれた。ニシュの地理的位置は軍事的に重要で、多くの征服者にとって魅力的な都市だったとか。歴史を通して、今日の都市が位置する領域は、ダルダニア人、トラキア人、イリュリア人、ケルト人、ローマ人、フン族、アヴァール人そしてビザンチン人、セルビア人、ブルガリア人、トルコ人によって占領されてきた。そして、オーストリア帝国に何度か占領された。1878年にオスマン帝国から解放され、それ以来、第一次世界大戦と第二次世界大戦中の占領下の短い中断を除いて、今日に至るまでセルビアの一部となっている。現在のニシュに住んでいたさまざまな民族の影響は、市の遺産、特に建築の多様性に顕著に表れている。
交通・文化・地理[編集]
ニシュは交通インフラが発達しており、バルカン半島の陸空交通のハブとなっている。(特にトルコ方面とギリシャ方面への交通量が多い)。また、コンスタンティヌス大帝国際空港がニシュにあることからも、ニシュはセルビアの重要な経済、大学、文化、宗教、政治の中心地である。 1965年に設立されたニシュ大学には14の学部と約3万人の学生がおり、また、セルビア正教会のニシュ主教区の所在地でもある。行政上は、メディヤナ、パリルラ、パンテレイ、ツルヴェニ・クルスト、ニシュカ・バニャの5つの市町村に分かれている。