KdV方程式

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

数学の解析学ないし物理学の流体力学関連分野に於ける「KdV方程式」とはソリトン解を持つような非線形の偏微分方程式である。名称はオランダの数学者コルトヴェーグとド・フリースに因む。

概要[編集]

KdV方程式は以下の如き3階非線形偏微分方程式で表される。;

  • ∂u∂t+6u∂u∂x+∂3u∂x3=0

上記方程式は略式に

  • ut+6uux+uxxx=0

や

  • ∂tu+6u∂xu+∂x3u=0

などと書かれる事もある。

解法[編集]

この節では ちょっぴり大変な計算になるけどKdV方程式の一番簡単な解(1ソリトン解)を導いてみる事にしよう。まず上記方程式の解が

u(x,t)=ϕ(x−ct)

とゆー性質(進行波解☆)を満たすとしよう。これを偏微分したら

∂tu=ϕ′⋅(−c),∂xu=ϕ′⋅1,∂x3u=ϕ‴

となるが、これらをKdV方程式に代入すれば次式が成り立つ。;

−cϕ′+6ϕϕ′+ϕ‴=0

ここで合成関数の微分法の公式

{(yn)}′=nyn−1⋅y′

から

(−cϕ+3ϕ2+ϕ″)′=0

が得られる。ここで極限

ϕ,ϕ′,ϕ″→0,(x→±∞)

を仮定して上述の方程式をxから+∞まで積分したら

∫x∞(−cϕ+3ϕ2+ϕ″)′dx=[−cϕ+3ϕ2+ϕ″]x∞=cϕ−3ϕ2−ϕ″=0

となる。ここで両辺×φ'計算したら

cϕϕ′−3ϕ2ϕ′−ϕ′ϕ″=(12cϕ2−ϕ3−12ϕ'2)=0

を得る。この両辺を零からxまで積分すれば

cϕ2/2−ϕ3−ϕ'2/2=0
∴cϕ2−2ϕ3−ϕ'2=0

が求まる。これをφ'に関して解けば

ϕ′=±cϕ1−2ϕ/c

となる。ここでφ'(0)=0とすれば簡単な計算により

ϕ(0)=c/2

が得られる(初期条件みたいなもんです☆)。

さて、ここで関数φは元々変数(x,t)の2変数関数であったが合成関数の偏微分法により或る1変数関数と見做しても差し支え無い事が分かるであろう。従って便宜上以下ではしばらくの間φをφ=φ(x)と書く事にする。

ゆえに以下の如き変数分離形の1階常微分方程式が得られた事になる。;

dϕdx=±cϕ1−2ϕc,ϕ(0)=c2

で、これを

1ϕ1−2ϕ/cdϕdx=±c

と変形して両辺を零からxまで積分すれば

∫0x1ϕ1−2ϕ/cdϕdxdx=±cx

が成り立つ。ここで

y=ϕ(x),dy/dx=ϕ′(x)

とおけば上記積分は

±cx=∫ϕ(0)ϕ(x)1y1−2y/cdy

と変形できる(定積分の置換積分公式より)。

で、更に

y=z−1,dy/dz=−z−2

と置くと再び置換積分により

±cx=∫1/ϕ(0)1/ϕ(x)1z−11−2z−1/c(−z−2)dz=−∫1/ϕ(0)1/ϕ(x)1z2−2z/cdz=−∫2/c1/ϕ(x)1(z−1/c)2−1/c2dz

となる。(※√の中を平方完成した。また定積分の下端に1/φ(0)=2/cを適用した。)

次に

ζ=z−1/c,dζ/dz=1

と置いて再度置換積分したら(※上端・下端の値の変化に注意!) ±cx=−∫1/c1/ϕ(x)−1/c1ζ2−1/c2dζ=−[log⁡(ζ+ζ2−1c2)]1/c1/ϕ(x)−1/c=log⁡1c−log⁡(1ϕ−1c+(1ϕ−1c)2−1c2)=−log⁡(cϕ−1+(cϕ−1)2−1)

∴e∓cx=cϕ−1+(cϕ−1)2−1

が得られる。この辺の式変形なかなか難しいんだけど途中で以下の公式使ってるんでこれ見て頑張って計算してみてね☆

  • ∫1x2−a2dx=log⁡(x+x2−a2)
  • log⁡M+log⁡N=log⁡MN
  • t=log⁡x⇔et=x

書くのが大変なんで以下ψ=c/φ-1と略記する事にしよう。すると

e∓cx=ψ+ψ2−1
∴e∓cx−ψ=ψ2−1

となる。上式の両辺を2乗したら

e∓2cx−2e∓cxψ+ψ2=ψ2−1

より以下の数式が成り立つ。;

2e∓cxψ=1+e∓2cx
∴ψ=1+e∓2cx2e∓cx=e±cx(1+e∓2cx)2=e±cx+e∓cx2=cosh⁡(cx)

(※ちなみに上記のcoshは双曲線関数の1つ(双曲線余弦関数)である。)

従って

cϕ=1+cosh⁡(cx)

が得られる。

ここで双曲線関数についても数多ある三角関数の公式と類似の公式が知られていて以下の如き半角公式(もどき)みたいな等式が成立する。;

cosh2(γ2)=1+cosh⁡γ2

これにより

cϕ=2cosh2(c2x)
ϕ=c2cosh2(cx/2)=c2sech2(c2x)

が言える。(※ただしsechθ=1/coshθ)

ここでκ=c/2とおけば

κ2=c/4,2κ2=c/2

と書けるから件の関数φは

ϕ(x)=2κ2sech2(κx)

と表される事になる。で、これを元の進行波解の関数形

u(x,t)=ϕ(x−ct)

に戻したら

  • u(x,t)=2κ2sech2(κ(x−ct))

となって遂に漸くやっと晴れてKdV方程式の解が導かれた事になる(☆お疲れ様でした♪)

…で、このu=u(x,t)がKdV方程式を満たす事を証明したいと思った時はこの関数をそのまま偏微分するのも良いんだけど、以下の双曲線関数の性質&微分法

1−tanh2θ=1cosh2θ(=sech2θ)
(tanh⁡θ)′=1−tanh⁡2θ

を使って(双曲線正接関数の微分法で)検算した方が簡単かも知んない★

関連項目[編集]