行列

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行列(ぎょうれつ)とは、ベクトルからベクトルへの線形写像を、数字の並びで表したものである。

概要[編集]

以下の様な、掛け算・足し算・引き算だけで成り立つ連立方程式を考える。

{Y1=a11X1+a12X2+a13X3Y2=a21X1+a22X2+a23X3Y3=a31X1+a32X2+a33X3Y4=a41X1+a42X2+a43X3

この式は、多くの変数が複雑に絡み合っている。これを、次の様に書くと、係数と変数が分離できる他、書く手間も減らすことができる。

(Y1Y2Y3Y4)=(a11a12a13a21a22a23a31a32a33a41a42a43)(X1X2X3)

この、一個一個の括弧で区切られたものを「行列」と呼び、特に一列あるいは一行の行列のことを「ベクトル」と呼ぶ。この式を改めてY=AXと書いた時、Aは4行3列の行列で、3次元ベクトルを入力、4次元ベクトルを出力とする関数ともみなせる。なお、ここでは4行3列の例で示したが、他の次元でも同様の考え方を用いることができる。

この行列、ベクトルを一つの数の様に扱い、深掘りしていく学問を線形代数学と呼ぶ。

行列の演算[編集]

足し算・引き算[編集]

行列A,Bの足し算・引き算は、以下の式が成り立つ様に定める。

(A±B)X=AX±BX

足し算・引き算は、2つの行列が同じサイズの時にだけ、次の様に定義できる。単純に、全ての項を足し算、引き算するだけである。

(a11a12a13a21a22a23a31a32a33a41a42a43)+(b11b12b13b21b22b23b31b32b33b41b42b43)=(a11+b11a12+b12a13+b13a21+b21a22+b22a23+b23a31+b31a32+b32a33+b33a41+b41a42+b42a43+b43)

掛け算[編集]

行列A,Bの掛け算は、以下の式が成り立つ様に定める。

(AB)X=A(BX)

掛け算は、足し算と違って複雑である。Aの列の数と、Bの行の数が同じ時に定義でき、計算の仕方も次に示す様な形となる。

(a11a12a13a21a22a23a31a32a33a41a42a43)(b11b12b21b22b31b32)=(a11b11+a12b21+a13b31a11b12+a12b22+a13b32a21b11+a22b21+a23b31a21b12+a22b22+a23b32a31b11+a32b21+a33b31a31b12+a32b22+a33b32a41b11+a42b21+a43b31a41b12+a42b22+a43b32)

掛け算は、交換法則、即ちAB=BAが成り立たないので注意。

同じ行列をn回掛けるときに、各成分がどうなるかを表現できればn乗を求められる。

n乗を求められるならば、テイラー展開した式に代入することで、引数が行列の指数関数三角関数も定義できる。

割り算[編集]

行列A,Bの割り算は、以下の式が成り立つ様に定める。

(A/B)B=A

割り算は、割られる側(上の式だとB)が、正方行列(行の数と列の数が同じ)でかつ、後述の特殊な条件を満たす関数でなければ定義できない。この条件を満たす行列のことを、正則行列と呼ぶ。(正則行列と同値な条件は多く知られていて、行列式detや階数rankなどを利用するものがある)

行列A,Bが次の式を満たす時、Aの逆行列がB、Bの逆行列がAである、と言う。ここで一番右側の、対角線上に1が並び他が全て0になる行列のことを、単位行列と呼ぶ。

(a11a12a13a21a22a23a31a32a33)(b11b12b13b21b22b23b31b32b33)=(100010001)

様々な行列[編集]

行列に関連する概念[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]