百地章

百地 章（ももち あきら、1946年10月4日 - ）は、憲法学者。日本大学名誉教授。国士舘大学特任教授。元・愛媛大学法文学部教授。

経歴

静岡県周智郡森町生まれ。1965年静岡県立浜松北高等学校卒業。1969年静岡大学人文学部卒業。1971年京都大学大学院法学研究科修士課程修了。1971年愛媛大学法文学部助手、1974年講師、1977年助教授、1985年教授。1993年「憲法と政教分離」で法学博士（京都大学）。1994年日本大学法学部教授。2009年国士舘大学大学院客員教授。2012年日本大学法学部比較法研究所長（2013年）。2016年日本大学を定年退職。2017年日本大学名誉教授、国士舘大学特任教授。

人物

• 「生長の家」の学生運動出身者。生長の家高校生連盟（生高連）、生長の家学生会全国総連合（生学連）、全国学生自治体連絡協議会（全国学協）の活動家。1969年11月の全日本学生文化会議の結成大会の大会実行委員長。椛島有三、衛藤晟一、高橋史朗、伊藤哲夫、松村俊明、宮崎正治らとともに1970年11月に結成された日本青年協議会（日青協）の中心メンバーとなった。1975年3月に日青協の専門局の一つとして結成された日本文化研究所の所長となった。2001年時点で日本文化研究所所長。2002年に結成された谷口雅春先生を学ぶ会（代表・中島省治）の機関誌『谷口雅春先生を学ぶ』の編集人。
• 民主党の旧民社党系の議員がなどがつくる改憲団体「創憲会議」が2005年に発表した「『創憲』を考えるための提言」は、政策研究フォーラムの加藤秀治郎東洋大教授、西修駒沢大教授、百地章日本大教授らの学者グループの作成した原案をほぼ踏襲したものである。
• 菅義偉官房長官は2015年6月10日の衆院平和安全法制特別委員会で、安保法案を「合憲」と判断する憲法学者として、百地章日大教授、西修駒沢大名誉教授、長尾一紘中央大名誉教授の名前を挙げた。3人は日本会議のフロント団体であるとされる「民間憲法臨調」と「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の役員であり、日本会議の中心メンバーであるとされる。そうした点を指摘した菅野完『日本会議の研究』について、百地は「あんなものはトンデモ本ですよ。許せないのは、匿名証言だけを積み上げて話を捏造していることです。『つくる国民の会』も日本会議のフロント団体と書いているが、完全に別組織ですからね。不愉快すぎて、あの本については話したくない。何をいってもあの著者の利益になるだけですから」と述べている。また自民党衆議院議員の平沢勝栄は2015年6月11日の衆議院憲法審査会で安保法制を合憲と考えている学者は大勢いるとして、日本大学の百地章、駒澤大学の西修、日本大学の小林宏晨、中央大学の長尾一紘、日本大学の青山武憲、防衛大学の松浦一夫、近畿大学の石田榮仁郎、麗澤大学の八木秀次、日本大学の池田実、東裕の名前を挙げた。
• 2005年から産経新聞の「正論」欄を執筆。2013年に産経新聞「国民の憲法」起草委員会のメンバーとして正論大賞特別賞を受賞した。2018年に西修と第34回正論大賞をダブル受賞した。
• 明成社が編集・発行した『女子の集まる憲法おしゃべりカフェ』（2014年）、『まんが 女子の集まる憲法おしゃべりカフェ』（2015年）の監修者。「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が2016年に制作した映画『「世界は変わった 日本の憲法は？」～憲法改正の国民的議論を～』（制作総指揮：百田尚樹）は櫻井よしこと百地章が監修者。
• 2016年11月に安倍晋三内閣総理大臣の私的諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が行ったヒアリングで、天皇の生前退位について原則として「終身制の維持」を主張しつつ、高齢を理由とした例外的な措置として「譲位」を容認した。また皇室典範の改正と特別措置法の制定による退位の恒久的な制度化を主張した。大原康男や櫻井よしこは生前退位に反対したが、2016年12月2日付の朝日新聞の記事「日本会議内に天皇退位容認論　神道政治連盟と主張に違い」（二階堂友紀記者）によると「日本会議関係者は「日本会議の方向性は百地さんに近い」とみる」とされる。
• 日本文化チャンネル桜の賛同者。「立ち上がれ！日本」ネットワーク賛同者。『南京の真実』賛同者。

社会的役職

学会

• 比較憲法学会常任理事（1995年11月～2014年9月）、理事長（2014年10月～2015年9月）
• 憲法学会理事（1996年10月～）
• 宗教法学会理事（1996年11月～）

政府・地方公共団体

• 愛媛県公文書公開審査会会長（1999年1月～2005年3月）
• 愛媛県個人情報保護審議会会長（2001年11月～2005年3月）
• さいたま市精神医療審査会委員（2003年4月～）
• 千葉の教育を元気にする有識者会議委員（2009年9月～2010年3月）

日本会議

• 日本を守る国民会議役員
• 日本会議常任理事
• 日本会議政策委員、政策委員長
• 日本会議新憲法研究会メンバー

日本会議の友好・提携団体

• みんなで靖国神社に参拝する国民の会発起人
• 「二十一世紀の日本と憲法」有識者懇談会（民間憲法臨調）事務局長（2001年11月～）・運営委員
• 皇室の伝統を守る国民の会呼びかけ人
• 美しい日本の憲法をつくる国民の会幹事長（2014年9月〜）

その他

• 神社本庁教学委員
• 神道政治連盟政策委員
• 政教関係を正す会幹事（1992年4月～）・会長（2020年～）
• 夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民委員会呼びかけ人
• 「昭和の日」推進国民ネットワーク運営委員（1998年1月～）
• 産経新聞「正論」欄執筆メンバー（2005年2月〜）
• 皇室典範問題研究會設立発起人
• 史実を世界に発信する会顧問
• 永住外国人地方参政権に反対する国民フォーラム呼びかけ人
• 英霊にこたえる会副委員長・運営副委員長
• 明治の日推進協議会代表委員
• 産経新聞社「国民の憲法」起草委員会起草委員（2012年3月〜2013年4月）
• 安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会発起人
• 公益財団法人国家基本問題研究所理事（2013年11月〜）
• 「朝日・グレンデール訴訟」を支援する会代表（2015年4月の設立時から）
• 平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム設立呼びかけ人
• 『南京大虐殺』の歴史捏造を正す国民会議呼びかけ人
• 憲法を国民の手に！言論人フォーラム呼びかけ人
• 日本戦略研究フォーラム政策提言委員

著書

単著

• 『憲法と政教分離』（成文堂［愛媛大学法学会叢書］、1991年）
• 『政教分離とは何か――争点の解明』（成文堂［成文堂選書］、1997年）
• 『靖国と憲法』（成文堂［成文堂選書］、2003年）
• 『伊勢神宮と公民宗教』（伊勢神宮崇敬会［伊勢神宮崇敬会叢書］、2005年）
• 『憲法の常識 常識の憲法』（文藝春秋［文春新書］、2005年）
• 『「人権擁護法」と言論の危機――表現の自由と自由社会を守れ!』（明成社、2008年）
• 『外国人の参政権問題Q&A――地方参政権付与も憲法違反』（明成社、2009年、改訂版2010年）
• 『憲法と日本の再生』（成文堂［成文堂選書］、2009年）
• 『緊急事態条項Q＆A――いのちと暮らしを守るために』（明成社、2016年）
  • 増補改訂版『緊急事態条項Q＆A――新型コロナウイルス対応でわかった日本国憲法の非常識』（明成社、2020年）
• 『これだけは知っておきたい「憲法9条と自衛隊明記」Q&A――神学論争に今こそ終止符を!』（明成社、2018年）
• 『日本国憲法 八つの欠陥』（育鵬社、発売：扶桑社［扶桑社新書］、2021年）

共著

• 『国家と宗教の間――政教分離の思想と現実』（大原康男、阪本是丸共著、日本教文社［教文選書］、1989年）
• 『日本の宗教と政治――近現代130年の視座から』（國學院大學日本文化研究所編、阪本是丸、藤原正信、中野毅、金井新二、大原康男共著、成文堂、2001年）
• 『新憲法のすすめ――日本再生のために』（大原康男ほか共著、日本会議新憲法研究会編集、明成社、2001年）
• 『天皇と日本のナショナリズム――神保・宮台(激)トーク・オン・デマンドⅣ』（神保哲生、宮台真司、横田耕一、板垣恭介、大塚英志、香山リカ、山口二郎共著、春秋社、2006年）
• 『卒業式・入学式-学校現場での国旗・国歌の指導は当然――国際的礼儀学ぶ権利踏み躙る「東京地裁判決」』（石井昌浩、高橋史朗、鈴木由充共著、明成社、2007年）
• 『いま、教育の大転換が始まる!――新教育基本法と教育の再生』（石井昌浩、三好祐司共著、明成社［日本の息吹ブックレット］、2007年）
• 『緊急出版「女性宮家創設」ここが問題の本質だ!』（櫻井よしこ、竹田恒泰共著、日本会議編、明成社、2012年）
• 『御代替り――平成から令和へ、私たちが受け継ぐべきもの』（田尾憲男共著、明成社、2019年）

訳書

• ゲアハルト・ライプホルツ『現代民主主義の構造問題』（阿部照哉、初宿正典、平松毅共訳、木鐸社、1974年）

外部リンク

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