無言の帰宅
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無言の帰宅(むごんのきたく)は、日本語における慣用句の1つであり、遠隔地や日本国外に行っていた人が現地で事件、事故や病気で亡くなった場合や、戦場へ赴いていた兵士が戦死したりして、遺骨、遺体となって祖国や自宅に帰ってきたときを婉曲的に表現したものである[1]。
騒動の渦中の人が日本国外から(生存した状態で)日本に帰ってきたとき、空港に殺到したマスコミに対して、終始無言で押し黙っていた場合のマスコミ報道でも使われることもあるが、誤りとは言えないまでも、別の表現にすることが誤解を生まないので、望ましい[1]。
2025年時点の日本においては、この語句の慣用句としての婉曲表現を知らない人もいるようで、「無事に帰宅したが、当人が言葉を発せない状態」と思うTwitterユーザーも存在し、こういった慣用句としての意味を知らない人達に対し、知っている人達が指摘するのではなく、嘲笑うことも多くなっている[2]。
「無言の帰宅」の表現がいつ頃から使われているのかは定かではなく、例えば青空文庫に収録されている文章中には見つけることができない。国立国会図書館デジタルコレクションでの検索では、最も古い例として1937年(昭和12年)刊行の『雛けし』(中原荒太郎編)が見つかり、この時期から既に死を表す表現として使用されている[3]。
脚注[編集]
- ↑ a b “「無言の帰国」という表記・表現は正しい?”. NHK放送文化研究所 (1999年5月1日). 2025年9月27日確認。
- ↑ “スマイリーキクチ「無言の帰宅」の意味を知らない人を叩くネット民に苦言「Xは優越感に浸りたい人の…」”. スポーツニッポン. (2025年9月26日) 2025年9月27日閲覧。
- ↑ 中原荒太郎. “雛けし”. 国立国会図書館デジタルコレクション. 2025年9月27日確認。