準粒子

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準粒子とは、多粒子系における励起状態であり、粒子と同様にエネルギー運動量の関係を表す。準粒子は通常、多数の粒子の集合状態、素励起、あるいは粒子対の束縛状態である。ただし、準粒子の特性として、その多粒子系の外には存在できないという点がある。

有名な準粒子としては、半導体中に存在する正孔が有名だろう。負に帯電している価電子は、あたかも正に帯電した粒子が反対方向に運動しているかのように、集団的に運動する。他にはフォノンマグノンクーパー対励起子がある。

準粒子という言葉は、レフ・ダヴィドヴィチ・ランダウが初めて使用した。ランダウは金属中の伝導電子間の相互作用に関する理論(フェルミ液体理論)を提唱した。基本的な考えは、伝導電子とその周りの環境との相互作用を、この相互作用を含むように電子を拡張することで記述するというものである。ランダウはこの拡張された粒子を「準電子」と呼んだ。というのも、理論的には第一近似において自由電子のように扱うことができるからである。

主な準粒子[編集]

関連項目[編集]

物理学の粒子一覧
素粒子
フェルミ粒子
クォーク アップクォーク - ダウンクォーク - ストレンジクォーク - チャームクォーク - ボトムクォーク - トップクォーク
レプトン 電子 - 陽電子 - ミュー粒子 - タウ粒子 - ニュートリノ (電子ニュートリノ - ミューニュートリノ - タウニュートリノ)
ボソン粒子
ゲージ粒子 光子 - グルーオン - ウィークボソン
スカラー粒子 ヒッグス粒子
複合粒子
ハドロン
バリオン 核子 (陽子 - 反陽子 - 中性子 - 反中性子) - デルタ粒子 - ラムダ粒子 - シグマ粒子 - グザイ粒子 - オメガ粒子 - ペンタクォーク
中間子 パイ中間子 - イータ中間子 - ロー中間子 - オメガ中間子 - ファイ中間子 - ジェイプサイ中間子 - ウプシロン中間子 - シータ中間子 - K中間子 - B中間子 - D中間子 - T中間子 - テトラクォーク
基本粒子または複合粒子の結合
通常の粒子 原子核 (重陽子 - 三重陽子 - ヘリオン - アルファ粒子) - 原子 - イオン (陽イオン - 陰イオン) - 分子
通常でない粒子 ハイパー核 - ラムダハイパー核 (ハイパー水素 - ハイパートリトン) - シグマハイパー核 - 異種原子 - メソ原子 - ハドロン原子 - 反陽子原子 - ハイペロン原子 - レプトン原子 (ポジトロニウム - ミューオニウム - 真ミューオニウム) - プロトニウム - パイオニウム - メソ分子 - ジポジトロニウム
準粒子 正孔 - フォノン - マグノン - クーパー対 - 励起子 - プラズモン - ファソン - ポラリトン - ポーラロン - ロトン - スキルミオン