槇村さとる
| 本名 | 新井 恵子[1] | 
| 活動期間 | 1973年 - | 
| ジャンル | 少女漫画、女性漫画 | 
| 受賞 | 2008年度第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞(『Real Clothes』に対して[2][3]) | 
| 公式サイト | 槇村さとる公式ページ 人生の穴 | 
槇村 さとる(まきむら さとる、1956年〈昭和31年〉10月3日[4] - )は、日本の漫画家[5]。東京都[4]葛飾区西亀有町出身、血液型はB型[注 1]。東京都立工芸高等学校工芸デザイン科卒業。女性[5]。
ペンネームの由来は、漫画家デビュー当時に好きだった人の名前から[1]。
来歴・人物[編集]
小さいころから絵を描くことが好きで、毎日描いていた[6]。思春期に父親から性的虐待を受け、そのトラウマから逃れるために漫画を描き始める[7]。漫画家を志し最初に投稿し続けたのは『りぼん』だったが、浮気心から投稿先を変更し送付したら忽ち採用となり[1]、1973年、高校1年で『別冊マーガレット』4月号(集英社)に掲載された「白い追憶」でデビュー[4][7]。高校卒業後、メーカーに就職したが、漫画の原稿料が給料を上回ったので退職し専業作家になる[7]。
1978年に同誌でフィギュアスケートを題材にした『愛のアランフェス』を連載。1980年代には、ジャズダンスを題材にした『ダンシング・ゼネレーション』、アイスダンスを題材にした『白のファルーカ』などを発表して活躍。
1990年代には『ヤングユー』(集英社)など、大人の女性向け漫画誌に活動の舞台を移す。他に代表作として、テレビドラマ化された『イマジン』『おいしい関係』『Real Clothes』など。
父親から受けた虐待のトラウマを35歳で克服し、その経験を綴った自伝的エッセイ『イマジンノート』を2002年に出版[7]。選択的夫婦別姓制度導入がなされないため、42歳で性人類学者のキム・ミョンガンと事実婚。愛知淑徳大学にて非常勤講師として年1回教鞭をとっている。
2024年春に画業50周年を迎え、東京・弥生美術館にて2024年1月より3月31日まで『デビュー50周年記念 槇村さとる展』を開催[8]。
編集委員会の委員長を石ノ森章太郎が務めた「日本漫画家名鑑500」にて、『白のファルーカ』・『ダンシング・ゼネレーション』・『まみあな四重奏団』・『愛のアランフェス』の4作品の書影を代表作として掲載している(1992年時点[1])。
作品リスト[編集]
漫画の単行本[編集]
マーガレットコミックスから刊行されたものより、集英社にて順次漫画文庫化が進んでいる。
- マーガレットコミックス(集英社)
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- 放課後(1977年5月20日)
- ディスコ・ベイビー(1978年1月20日)
- 青春志願(1978年6月20日)
- 氷のミラージュ(1979年2月20日)
- 愛のアランフェス(1979年6月30日 - 1980年11月、全7巻)
- クリスタル・レイン(『氷のミラージュ』収録)
- 青春志願:明日のヒーロー(1981年5月)
- 鏡の中のアリス(1982年1月30日)
- ダンシング・ゼネレーション(1982年3月30日 - 1982年11月30日、全4巻)
- N★Yバード(1983年 - 1984年、全3巻) ※『ダンシング・ゼネレーション』の続編的コミック。
- スキャンダル8 1/2(1984年6月)
- フット・ステップ(1985年)
- ダイヤモンド・パラダイス(1984年11月 - 1985年4月、全3巻)
- しなやかに夜は踊る(1986年)
- 半熟革命(1986年、全3巻)
- ベルベット・アーミー(1987年、全2巻)
- 白のファルーカ(1987年 - 1989年、全8巻)
- NGダンディー・OKレディー(1988年)
- まみあな四重奏団(1988年 - 1989年)
- ピーナッツ戦線(1989年)
- 勝手にしやがれ(1990年)
- 赤とうがらし物語(1990年)
- コクーン荘1x1(1991年)
- シンパシー:失われたささやき(1991年)
- ラブ・ストーリー19XX(1991年)
- ダブルヴィジョン(1992年)
- クレヨンの王様(1992年)
- フェイク(1992年)
- God Bless You(1993年)
- うさぎ(1993年)
- 華のなまえ(1993年)
- YES!(2012年、全3巻)
- モーメント 永遠の一瞬(2014年7月30日 - 2024年1月30日、全20巻)
 
- YOUNG YOUコミックス(集英社)
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- ピタゴラスの定理(1992年)
- おいしい関係(1993年 - 2000年、全16巻)
- イマジン(1994年 - 1999年、全11巻)
- ボレロ(1998年)
- お天気予報(2000年)
- ヒューマンステップス(2000年)
- imagine29(2000年 - 2001年、全3巻)
- Do Da Dancin'!(2001年 - 2005年、全9巻)
- 恋のたまご(2002年 - 2004年、全4巻)
 
- クイーンズコミックス(集英社)
- 
- BELIEVE(2004年 - 2006年、全7巻)
- ヒロインの条件(2006年)
- Real Clothes(2007年 - 2011年、全13巻)
 
- OFFICE YOUコミックス(発行:創美社/発売:集英社)
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- ドゥ ダ ダンシン!ヴェネチア国際編(2007年 - 2013年、全13巻)※ヤングユーコミックス『Do Da Dancin'!』の続編
 
- その他単行本
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- THE槇村さとる - デビュー50周年記念画集(愛蔵版コミックス/2023年、集英社)
 
エッセイ・対談集など[編集]
- イマジン・ノート(1998年、集英社[8])
- ふたり歩きの設計図(2003年、集英社)
- 人生の穴 ときどき落ちても大丈夫-槇村さとる対談集(2005年、集英社)
- あなた、今、幸せ?(2005年、集英社、キム ミョンガンと共著)
- スタイル・ノート(2006年、幻冬舎[9])
- Do Da Dancin'!バレエエッセンス 槇村さとるに夢中(2007年、集英社)
- おとな養成所(2010年、光文社)
- 一生使えるクローゼット・ノート(2018年、幻冬舎[10])
- 地曳いく子[11]との共著
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ a b c d e 『日本漫画家名鑑500』 1992, p. 820-821.
- ↑ “Real Clothes”. 文化庁メディア芸術祭ウェブサイト. 文化庁 (n.d.). 2024年7月21日確認。 “第12回マンガ部門優秀賞「Real Clothes」ストーリーマンガ。”
- ↑ “第12回メディア芸術祭マンガ部門、シンポジウム開催”. コミックナタリー. ナターシャ (2009年2月10日). 2024年7月21日確認。
- ↑ a b c “コミックナタリー - 槇村さとるのプロフィール”. ナターシャ. 2013年3月2日確認。
- ↑ a b “槇村 さとる(漫画家)”. マンガペディア. 2022年1月3日確認。
- ↑ “原画350点! 漫画家・槇村さとるさん、デビュー50周年記念の展覧会”. LEE (2024年1月17日). 2025年2月14日確認。
- ↑ a b c d “ターニングポイント〜わたしの転機〜:第11回 槇村さとるさん 己の生命力を信じて自立した女性になる”. こくみん共済公式ホームページ. 暮らしのお役立ち情報:今月の生きるヒント. 全国労働者共済生活協同組合連合会 (2013年4月). 2024年7月17日確認。
- ↑ a b 岡部匡志 (2023年10月10日). “【プレビュー】「デビュー50周年記念 槇村さとる展」 『ダンシング・ゼネレーション』、『愛のアランフェス』… 自立した女性の美しさを描いて半世紀 弥生美術館で2024年1月5日開幕”. 美術展ナビ. ニュース. 読売新聞オンライン. 2024年2月14日確認。
- ↑ “『スタイル・ノート』槇村さとる”. 幻冬舎. 2024年7月16日確認。
- ↑ “『一生使えるクローゼット・ノート』槇村さとる”. 幻冬舎. 2024年7月16日確認。
- ↑ 小嶋優子: “<刊行記念インタビュー>『60歳は人生の衣替え』地曳いく子さん”. 集英社学芸部:インタビュー&トピックス. 集英社 (2023年6月28日). 2024年7月18日確認。 “1959年生まれ。スタイリスト。”
- ↑ “ババア上等! 余計なルールの捨て方大人のおしゃれDo!&Don’t”. 集英社. 2024年7月17日確認。
- ↑ “ババアはつらいよ アラカン・サバイバルBOOK”. 集英社. 2024年7月17日確認。
- ↑ “バババアに足りないのは愛!+60からのHappyおしゃれBOOK”. 集英社. 2024年7月17日確認。
参考文献[編集]
- 「日本漫画家名鑑500」編集委員会(委員長:石ノ森章太郎)・加藤昇編 『日本漫画家名鑑500:1945 - 1992』 アクア・プランニング〈非売品〉、1992年12月18日、820-821頁。NDL:93037702。
- まんがseek・日外アソシエーツ編集部 共編 『漫画家人名事典』(第1刷版) 日外アソシエーツ、2003年2月25日、340-341頁。。
外部リンク[編集]
- 人生の穴(槇村さとる公式ホームページ) - ウェイバックマシン(2016年3月5日アーカイブ分)
- 漫画家辞めようと…更年期の不調、槇村さとるさんの場合(朝日新聞記事2021年1月27日)
- 槇村さとるさんが描き続けた「怒り」と「願い」 漫画家50年を語る 「おいしい関係」ヒーロー像の狙いとは (2024年3月11日 東京新聞)