斎藤英喜
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斎藤 英喜（さいとう ひでき、1955年1月10日 - 2024年9月4日）は、神話・伝承学者。佛教大学歴史学部歴史文化学科教授。専門は宗教文化論・神話伝承学[1]。
人物[編集]
神話研究の大家[2]。1972年から73年に共産主義者同盟叛旗派に所属していたが、生前に公表することはなかった[2]。「戦線離脱」後に折口信夫を読んで古代文学研究の世界に入り、いざなぎ流や陰陽道、中世神話の研究へと進んでいった[2]。晩年の研究は近世・近代の思想史・精神史にまで及んだ[3]。
伊藤聡は『神道とは何か 増補版』（中公新書、2025年）のあとがきで「神道に関する一般読者を視野に入れた概論書・解説書は、拙著刊行後も次々と出版されているが、専門研究の成果を踏まえて執筆されているのは、岡田莊司・小林宣彦編『日本神道史〔増補新版〕』（吉川弘文館）、島薗進『教養としての神道――生きのびる神々』（東洋経済新報社）、佐藤弘夫『日本人と神』（講談社）、斎藤英喜『神道・天皇・大嘗祭』（人文書院）くらいである」と述べている[4]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『アマテラスの深みへ――古代神話を読み直す』（新曜社［[叢書]物語の冒険］、1996年）
- 『いざなぎ流式王子――呪術探究』（新紀元社、2000年）
- 『いざなぎ流 祭文と儀礼』（法藏館、2002年）
- 『増補 いざなぎ流 祭文と儀礼』（法藏館［法藏館文庫］、2019年）
- 『安倍晴明――陰陽の達者なり』（ミネルヴァ書房［ミネルヴァ日本評伝選］ 、2004年）
- 『読み替えられた日本神話』（講談社［講談社現代新書］、2006年）
- 『陰陽道の神々』（佛教大学通信教育部［佛教大学鷹陵文化叢書］、発売：思文閣出版、2007年）
- 『増補 陰陽道の神々』（佛教大学生涯学習機構［佛教大学鷹陵文化叢書］、発売：思文閣出版、2012年）
- 『陰陽道の神々 決定版』（法藏館［法藏館文庫］ 、2024年）
- 『古事記 成長する神々――新しい「日本神話」の読み方』（ビイング・ネット・プレス、2010年）
- 『アマテラス――最高神の知られざる秘史』（学研パブリッシング［学研新書］、発売：学研マーケティング、2011年）
- 『古事記 不思議な1300年史』（新人物往来社、2012年）
- 『荒ぶるスサノヲ、七変化――〈中世神話〉の世界』（吉川弘文館［歴史文化ライブラリー］、2012年）
- 『古事記はいかに読まれてきたか――〈神話〉の変容』（吉川弘文館、2012年）
- 『異貌の古事記――あたらしい神話が生まれるとき』（青土社、2014年）
- 『陰陽師たちの日本史』（KADOKAWA［角川選書］、2014年／KADOKAWA［角川新書］、2023年）
- 『折口信夫――神性を拡張する復活の喜び』（ミネルヴァ書房［ミネルヴァ日本評伝選］ 、2019年）
- 『読み替えられた日本書紀』（KADOKAWA［角川選書］、2020年）
- 『神道・天皇・大嘗祭』（人文書院、2024年）
共著[編集]
- 『シャーマニズムの文化学――日本文化の隠れた水脈』（岡部隆志、津田博幸、武田比呂男共著、森話社、森話社［叢書・「知」の森］、2001年、改訂版2009年）
- 『躍動する日本神話――神々の世界を拓く』（武田比呂男、猪股ときわ共著、森話社［叢書・「知」の森］、2010年）
- 『日本のまつろわぬ神々――記紀が葬った異端の神々』（新人物往来社編、鎌田東二、豊嶋泰國、菅田正昭、原田実共著、新人物往来社、2010年）
編著[編集]
- 『日本神話 その構造と生成』（編、有精堂出版［日本文学を読みかえる］、1995年）
- 『アマテラス神話の変身譜』（編、森話社［叢書・文化学の越境］、発売：星雲社、1996年）
- 『呪術の知とテクネー――世界と主体の変容』（編、森話社、2003年）
- 『神話・伝承学への招待』（編、思文閣出版、2015年）
- 『文学と魔術の饗宴 日本編』（編著、小鳥遊書房、2024年）
共編著[編集]
- 『いざなぎ流祭文帳』（梅野光興共編、吉村淑甫監修、高知県立歴史民俗資料館、1997年）
- 『〈安倍晴明〉の文化学――陰陽道をめぐる冒険』（武田比呂男共編、新紀元社、2002年）
- 『日本仏教思想史』（池見澄隆共編著、佛教大学通信教育部、2003年）
- 『日本仏教の射程――思想史的アプローチ』（池見澄隆共編著、人文書院、2003年）
- 『越境する古事記伝』（山下久夫共編、森話社、2012年）
- 『神楽と祭文の中世――変容する信仰のかたち』（井上隆弘共編、思文閣出版、2016年）
- 『日本書紀1300年史を問う』（山下久夫共編、思文閣出版、2020年）
- 『平田篤胤――狂信から共振へ』（山下久夫共編、法藏館、2023年）
- 『神道の近代――アクチュアリティを問う』（伊藤聡共編、勉誠出版［アジア遊学］、2023年）
- 『歴史と地域のなかの神楽』（八木透、星優也共編、法藏館、2023年）
- 『〈学知史〉から近現代を問い直す』（田中聡、山下久夫、星優也共編、有志舎、2024年）
監修[編集]
- 『とんでもなく面白い『古事記』』（PHP研究所［PHP文庫］、2012年）