岡田莊司

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岡田 莊司（おかだ しょうじ、1948年 - ）は、神道学者。國學院大學名誉教授。専攻は古代中世神道史、宮中祭祀・大嘗祭研究[1]。

経歴[編集]

神奈川県生まれ[2]。父は鶴岡八幡宮の宮司[3]。1971年國學院大學文学部史学科卒。1973年同大学院文学研究科修士課程修了[4]。1981年國學院大學専任講師、1984年助教授。1992年國學院大學文学部神道学科教授[4]。1995年「平安時代の国家と祭祀」にて博士（歴史学）（國學院大學）[5]。2002年國學院大學神道文化学部教授[6]。2019年定年退職、名誉教授[2]。

1984年「吉田卜部氏の成立」（『國學院雑誌』第84巻第9号、1983年9月）で昭和59年度神道宗教学会学会賞を受賞[7]。1986年神道宗教学会理事[8]。1991年大倉精神文化研究所研究員、のち研究部長[4]。

人物[編集]

神道史学・古代祭祀学の第一人者として知られる[9]。「真床覆衾と"國學院流神道"」（『國學院雑誌』第90巻第7号、1989年7月）や「大嘗祭――"真床覆衾"論と寝座の意味」（『國學院雑誌』第90巻第12号、1989年12月、実際の刊行は1990年2月）で折口信夫の真床覆衾説を実証的に否定し、大嘗祭の本義を神膳供進・共食儀礼とした[10][11]。岡田の折口学説批判は「平成大嘗祭論争」のきっかけとなった[10]。岡田精司の聖婚儀礼説も全面的に否定した[11][12]。

伊藤聡は『神道とは何か 増補版』（中公新書、2025年）のあとがきで「神道に関する一般読者を視野に入れた概論書・解説書は、拙著刊行後も次々と出版されているが、専門研究の成果を踏まえて執筆されているのは、岡田莊司・小林宣彦編『日本神道史〔増補新版〕』（吉川弘文館）、島薗進『教養としての神道――生きのびる神々』（東洋経済新報社）、佐藤弘夫『日本人と神』（講談社）、斎藤英喜『神道・天皇・大嘗祭』（人文書院）くらいである」と述べている[13]。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『大嘗の祭り』（学生社、1990年）
  • 『平安時代の国家と祭祀』（続群書類従完成会、1996年）
  • 『大嘗祭と古代の祭祀』（吉川弘文館、2019年）
  • 『古代天皇と神祇の祭祀体系』（吉川弘文館、2022年）
  • 『中世神道と神社の信仰体系』（吉川弘文館、2024年）

共著[編集]

  • 『日本の神々』（白洲正子、堀越光信、野本寛一共著、新潮社［とんぼの本］、1998年）
  • 『神道の謎を解く本』（岡田精司、出雲路敬直共著、洋泉社、1999年）
  • 『古代出雲大社の祭儀と神殿』（椙山林継、牟禮仁、錦田剛志、松尾充晶共著、学生社、2005年）
  • 『古代ヤマトと三輪山の神』（大神神社編、上田正昭、山折哲雄、中西進、菅野雅雄、和田萃、水野正好、西宮一民、千田稔、白石太一郎共著、学生社、2013年）
  • 『神仏関係考――古代・中世・近世・近現代』（加瀬直弥、嵯峨井建、藤田大誠、阪本是丸共著、神社新報社［鎮守の杜ブックレット］、2016年）

編著[編集]

  • 『神道事典』（國學院大學日本文化研究所編、井上順孝、阪本是丸、椙山林継、高塩博共同編集委員、弘文堂、1994年、縮刷版1999年）
  • 『古代諸国神社神階制の研究』（編、岩田書院、2002年）
  • 『『中世日本紀・神道書籍』展覧会展示図録』（加瀬直弥共編、國學院大學二十一世紀COEプログラム「神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成」、2005年）
  • 『神道と日本文化』（安蘇谷正彦、椙山林繼、中西正幸、茂木栄、茂木貞純共著、兵庫県神社庁編、戎光祥出版、2006年、新装版2009年）
  • 『現代・神社の信仰分布――その歴史的経緯を考えるために』（加瀬直弥共編、國學院大學二十一世紀COEプログラム「神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成」、2007年）
  • 『日本神道史』（編、吉川弘文館、2010年）
  • 『事典 神社の歴史と祭り』（笹生衛共編、吉川弘文館、2013年）
  • 『國學院大學貴重書影印叢書 第4巻 日本書紀・古語拾遺・神祇典籍集』（責任編集、朝倉書店、2016年）
  • 『古代の信仰・祭祀』（編、竹林舎［古代文学と隣接諸学］、2018年）
  • 『事典 古代の祭祀と年中行事』（編、吉川弘文館、2019年）
  • 『真福寺善本叢刊 第3期神道篇1 神道古典』（編、臨川書店、2019年）
  • 『日本神道史（増補新版）』（小林宣彦共編、吉川弘文館、2021年）

校注[編集]

  • 『神道大系 神社編 20 鶴岡』（豊原武共校注、神道大系編纂会、1979年）
  • 『兼倶本・宣賢本 日本書紀神代卷抄』（続群書類従完成会［吉田叢書］、1984年）
  • 『神道大系 古典註釈編 8 中臣祓註釋』（神道大系編纂会、1985年）
  • 『神道大系 論説編 9 卜部神道 下』（神道大系編纂会、1991年）

監修[編集]

  • 『神社参拝ポケット図鑑』（オリジン社、発売：主婦の友社［主婦の友生活シリーズ］、1994年）
  • 『現代人のための祝詞――大祓詞の読み方』（阪本是丸共同監修、大島敏史、中村幸弘編著、右文書院、2000年、新装版2010年）
  • 『神道のカタチとこころ――國學院大學神道資料館の展示品』（加瀬直弥編、國學院大學神道資料館、2008年）
  • 『全国「一の宮」めぐり――69の神社で、ふるさとの神さまに出会う旅』（平凡社［別冊太陽 太陽の地図帖］、 2014年）
  • 『吉田家――神道と典籍を伝えた家 國學院大學図書館所蔵吉田家旧蔵資料 企画展』（國學院大學神道資料館、2018年）

出典[編集]

  1. ↑ 神道・神社の信仰とその歴史 その六 EDOCCO STUDIO
  2. ↑ a b 名誉教授称号授与式 國學院大學、2019年6月5日
  3. ↑ 古来から日本に伝わる神道を現代カルチャーに結びつけるスゴい人 DAY２ 日刊スゴい人、2021年2月2日
  4. ↑ a b c 第532回一隅会（経営哲学懇話会）『神道と大嘗祭(だいじょうさい)の本義』　「JMA会員制度」人と組織のコミュニティ
  5. ↑ 平安時代の国家と祭祀 CiNii Research
  6. ↑ 第41回「大嘗祭―天皇祭祀権と在地性―」岡田莊司氏（國學院大學教授）」 皇學館大学研究開発推進センター神道研究所、2018年5月8日
  7. ↑ 学会活動 神道宗教学会
  8. ↑ researchmap
  9. ↑ 髙橋美由紀「中世といふ激動の只中　神職による営みを考察」『神社新報』2025年3月3日付6面
  10. ↑ a b 岡田莊司「〔談話室〕真床覆衾と“國學院流神道"――ふたたび」『國學院雑誌』第118巻第8号、2017年8月）
  11. ↑ a b 塩川哲朗「「真床襲衾」をめぐる折口信夫大嘗祭論とその受容に関する諸問題」『國學院大學校史・学術資産研究』第11号、2019年3月
  12. ↑ 岩永省三「文武大嘗宮論のための予備的検討」『九州大学総合研究博物館研究報告』第22号、2025年3月
  13. ↑ 『神道とは何か 増補版』 あとがき 中央公論新社

関連文献[編集]

  • 赤坂憲雄『象徴天皇という物語』（筑摩書房［ちくまライブラリー］、1990年／筑摩書房［ちくま学芸文庫］、2007年／岩波書店［岩波現代文庫］、2019年）
  • 小倉慈司、山口輝臣『天皇の歴史9 天皇と宗教』（講談社、2011年／講談社［講談社学術文庫］、2018年）

外部リンク[編集]

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