二木真希子

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二木 真希子(ふたき まきこ、1957年6月19日 - 2016年5月13日)は、アニメーターイラストレーター[1]、絵本作家[2]

経歴[編集]

大阪府出身[3]愛知教育大学美術課程卒業[4]。1980年に2期生としてテレコム・アニメーションフィルムに入社。同期に遠藤正明浦谷千恵植田均八崎健二[5]小山田桂子などがいる。1985年にテレコムを退社[6]。フリーを経て[7][8]、1991年にスタジオジブリに入社[4]。ジブリ退社後はフリー[9][10]

2016年5月13日に病気療養中だった東京都小金井市の病院で[3]、呼吸器系の病気のため死去[11]。58歳。同年5月16日にアニメ制作会社のトラッシュスタジオの発表で二木の死去が明らかになった[9]

人物[編集]

スタジオジブリでアニメーション原画を担当し、特に動植物の描写を得意とした[4][8][11][12]宮崎駿監督作品を支えた主力スタッフの1人[13]。『風の谷のナウシカ』(1984年)では、ナウシカの幼少期の回想シーン[14]、酸の湖の砂洲でナウシカが王蟲を止めようとするシーンを担当した[15]。『天空の城ラピュタ』(1986年)では、パズーとシータの屋根の上の出会いのシーン(シータが鳩に餌をやるシーン)[15]、ロボット兵の肩の上を走り回るキツネリスのシーンを担当した[4]。『となりのトトロ』(1988年)では、オクマジャクシのシーン、トトロとメイの出会いのシーン、急成長する樹木のシーン[15]、トウモロコシをもいでキュウリを食べるシーンを担当した[16]。『魔女の宅急便』(1989年)では、冒頭の草むらに寝転ぶキキのシーン、雁の群れのシーンなどを担当した[17]。『もののけ姫』(1997年)では、巨樹とコダマのシーン[4]、シシ神の足下で枯れる草花のシーンなどを担当した[18]。『崖の上のポニョ』(2008年)では、水魚の上を疾走するポニョのシーンを担当した[4]高畑勲監督の『おもひでぽろぽろ』(1991年)では、紅花を摘むタエ子のシーンを担当した[4]ノリタケとジブリがタイアップしたトトロ食器シリーズの原画も担当した[19]

上橋菜穂子「守り人」シリーズの装画・挿絵を手掛けたことでも知られる[8][11]。1990年に絵物語『世界の真ん中の木』を徳間書店アニメージュ文庫から刊行した。90年代にオリジナル絵本「小さなピスケ」シリーズ2作をポプラ社から刊行した。2017年4月から5月に同僚だった舘野仁美が経営するササユリカフェ(東京西荻窪)で「二木真希子展」が開催された。この作品展をきっかけとして[11]、映像研究家の叶精二らの呼びかけで「小さなピスケ」シリーズ2作の復刊リクエストが寄せられ[20]、2018年に新装版が復刊ドットコムから刊行された。また未完だった3作目の『はじめてのおてつだい』も刊行された。

照樹務(宮崎駿のペンネーム)が監督した『ルパン三世 PART2』第155話(最終回)「さらば愛しきルパンよ」(1980年)のヒロイン・小山田マキの名前のモデルとなった[21]。小山田マキの苗字は小山田桂子、名前は二木真希子から採られたとされる[22][23]

五味洋子は「二木真希子さんがテレコムの入社試験を受けた時は、その才能を惜しむあまり宮崎さんに、彼女はカナダNFBで活躍出来る人だから取らないで欲しいと無理なお願いをしたりしたものでした。プロとなってからは鳥や植物の作画で追随を許さない存在になり、安堵したのですが。」とツイートしている[24]

著書[編集]

著・作[編集]

  • 『世界の真ん中の木』(徳間書店[アニメージュ文庫]、1990年)
    • 『世界の真ん中の木 愛蔵版』(復刊ドットコム、2019年)
  • 『小さなピスケのはじめてのたび』(作・絵、ポプラ社[えほんはともだち]、1993年)
    • 『小さなピスケのはじめての旅』(復刊ドットコム、2018年)
  • 『小さなピスケのはじめてのともだち』(作・絵、ポプラ社[えほんはともだち]、1998年)
    • 『小さなピスケのはじめての友だち』(復刊ドットコム、2018年)
  • 『小さなピスケのはじめてのおてつだい』(復刊ドットコム、2018年)

[編集]

  • 『FOREST』(C.W.ニコル著、竹内和世訳、徳間書店[アニメージュ文庫]、1990年)
  • 『守り人』シリーズ(上橋菜穂子作、偕成社[偕成社ワンダーランド]、1996-2012年)
    • 『精霊の守り人』(1996年)
    • 『闇の守り人』(1999年)
    • 『夢の守り人』(2000年)
    • 『神の守り人 来訪編』(2003年)
    • 『神の守り人 帰還編』(2003年)
    • 『天と地の守り人 第一部 ロタ王国編』(2006年)
    • 『天と地の守り人 第二部 カンバル王国編』(2007年)
    • 『天と地の守り人 第三部 新ヨゴ皇国編』(2007年)
    • 『流れ行く者――守り人短編集』(2008年)
    • 『炎路を行く者――守り人短編集』(佐竹美保、二木真希子絵、2012年)
  • 『精霊の木』(上橋菜穂子作、偕成社、2004年)
  • 『見習い魔術師トトの冒険 1 魔術師の秘密』(立石彰作、講談社、2010年)
  • 『見習い魔術師トトの冒険 2 樹海の魔女』(立石彰作、講談社、2010年)
  • 『「守り人」のすべて――守り人シリーズ完全ガイド』(上橋菜穂子著、二木真希子、佐竹美保絵、偕成社編集部編、偕成社、2011年、増補改訂版2016年)

参加作品[編集]

映画[編集]

テレビアニメ[編集]

OVA[編集]

ゲーム[編集]

書籍[編集]

出典[編集]

  1. 明暗交錯した2016年重大ニュースで振り返るアニメ界2016 WEBアニメスタイル
  2. 上橋菜穂子と<精霊の守り人>展 世田谷文学館で開催中! 練馬アニメーションサイト、2016年6月3日
  3. a b ラピュタ、トトロの原画担当 アニメーター二木真希子さん死去 スポニチ、2016年5月18日
  4. a b c d e f g 小さなピスケのはじめての友だち 復刊ドットコム
  5. 小黒祐一郎「この人に話を聞きたい 192 青山浩行」『アニメージュ』2017年3月号
  6. 遠藤正明(アニメーター)のツイート
  7. 軽装版偕成社ポッシュ 流れ行く者―守り人短編集 紀伊國屋書店
  8. a b c 第17回 高畑 勲さん(アニメーション映画監督)その3 練馬アニメーションサイト
  9. a b ジブリ作品に携わったアニメーター二木真希子さんが死去 スポニチ、2016年5月16日
  10. 叶精二のツイート
  11. a b c d 「元ジブリ 二木真希子さんの新たな絵本」『読売新聞』2018年7月21日付夕刊
  12. 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年、269頁
  13. 叶精二「『風立ちぬ』から『君たちはどう生きるか』へ: 宮崎駿と盟友・大塚康生の58年」nippon.com、2021年8月27日
  14. 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年、56頁
  15. a b c 宮崎駿「二木さんのこと」、二木真希子『世界の真ん中の木』徳間書店[アニメージュ文庫]、1990年、解説。宮崎駿『出発点 1979〜1996』(スタジオジブリ、発売:徳間書店、1996年)に収録。
  16. 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年、120頁
  17. 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年、143頁
  18. 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年、204-205頁
  19. ノリタケ洋食器シリーズ[マンマユート便り Vol.8] 三鷹の森ジブリ美術館
  20. 小さなピスケのはじめてのおてつだい 復刊ドットコム
  21. 五味洋子のツイート
  22. 叶精二のツイート
  23. 大山くまお「え、ドーラがふたり? ジブリ宮崎駿監督アニメに多い「同名」キャラの秘密とは」マグミクス、2025年3月28日
  24. 五味洋子のツイート

関連文献[編集]

  • アニドウFilm1/24編集室編『Film1/24別冊 未来少年コナン』(アニドウ、1979年)
  • 『ジ・アニメ』1984年4月号
  • 『ロマンアルバム・エクストラ70 魔女の宅急便』(徳間書店、1989年)
  • 播摩早苗『女性がプロになれる最新おしごと事情』(ビジネス社、1995年)
  • スタジオジブリ、文春文庫編『ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ』(文藝春秋[文春文庫]、2013年)
  • スタジオジブリ、文春文庫編『ジブリの教科書3 となりのトトロ』(文藝春秋[文春文庫]、2013年)
  • スタジオジブリ、文春文庫編『ジブリの教科書5 魔女の宅急便』(文藝春秋[文春文庫]、2013年)
  • 舘野仁美著、平林享子構成『エンピツ戦記――誰も知らなかったスタジオジブリ』(中央公論新社、2015年/中央公論新社[中公文庫]、2025年)
  • 上橋菜穂子『物語と歩いてきた道――インタビュー・スピーチ&エッセイ集』(偕成社、2017年)

外部リンク[編集]