中央アジア

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中央アジア(ちゅうおうアジア、英:Central Asia)は、ユーラシア大陸の内陸部に位置する、アジアの一地域。現在の国際的な地域区分では、カザフスタン・ウズベキスタン・キルギス・タジキスタン・トルクメニスタンの5か国を指すことが多い。国際連合の統計上の地域区分でも、この5か国が中央アジアに分類されている[1]。

範囲と構成国[編集]

中央アジアの範囲は、歴史・地理・政治など、扱う分野によって異なる。上記の5か国に加え、中国の新疆ウイグル自治区やアフガニスタン北部などを含める用法もある[2]。

一般に「中央アジア5か国」と呼ばれる国々と、その首都は以下の通り。いずれも外洋に通じる海岸を持たない内陸国である[1]。

国 首都
カザフスタン アスタナ[3]
ウズベキスタン タシケント[4]
キルギス ビシュケク[5]
タジキスタン ドゥシャンベ[6]
トルクメニスタン アシガバット[7]

地理[編集]

平地にはステップと呼ばれる草原や砂漠が広がり、東部から南東部には天山山脈やパミール高原などの山岳地帯がある[2]。内陸に位置するため、全体として乾燥し、気温の年較差や日較差が大きい。アムダリヤ川やシルダリヤ川は山地の雪や氷河の融けた水に支えられ、流域の灌漑農業に利用されてきた[8]。

中央アジアの代表的な環境問題として、アラル海の縮小がある。ソ連時代の1960年代以降、綿花栽培などのために両河川の水が大量に灌漑へ回され、湖に流れ込む水が減少した。その結果、湖面の縮小や塩分濃度の上昇が進み、漁業の衰退や、露出した湖底から飛ぶ塩分を含む砂塵などの問題が生じた[9]。

歴史[編集]

中央アジアでは古くから、草原の遊牧とオアシスの農業・都市生活が営まれてきた。東西の各地を結ぶシルクロードの交易路が通り、商品とともに宗教・知識・技術なども伝わった[10]。

現在のウズベキスタンにあるサマルカンドやブハラなどは、オアシスの都市として発展した。8世紀以降にはアラブ勢力の進出に伴ってイスラム教が広まり、13世紀にはモンゴル帝国の支配を受けた[4]。14世紀後半から15世紀にはティムール朝が栄え、サマルカンドでは建築や学問が発展した[11]。

18世紀から19世紀にかけてロシア帝国の進出が進み、多くの地域がその支配下や保護下に入った。ロシア革命後にはソ連に組み込まれ、ソ連時代に各共和国の境界が定められた[3][4]。現在の5か国はいずれも1991年にソ連から独立した[12]。

言語・宗教[編集]

中央アジアには多様な民族が暮らし、言語も一様ではない。例えば、ウズベク語やトルクメン語はテュルク諸語に属する一方、タジク語はペルシア語などと近いイラン語派の言語である。これらの国々ではロシア語も広く使われている[4][7][6]。

宗教ではイスラム教のスンニ派が広く信仰されているが、地域によって違いがある。カザフスタンにはキリスト教を信仰する人々も多く、タジキスタンのパミール地方にはイスマーイール派の信者もいる[3][6]。

経済[編集]

国によって産業の構成は異なる。カザフスタンでは石油・天然ガスやウランなどの資源開発が行われている[3]。トルクメニスタンでは天然ガスの輸出が経済の重要な柱となっており、綿花栽培や牧畜も行われる[7]。また、ウズベキスタンなどの乾燥した地域では、河川の水を利用した灌漑農業が発達してきた[8]。

日本との関係[編集]

日本は1992年に中央アジア5か国と外交関係を結んだ。2004年には、5か国と日本が地域の協力や発展について話し合う「中央アジア+日本」対話が始まった。日本は人材育成、運輸・物流、農業、防災などの分野で協力を進めている[12]。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ↑ a b Standard country or area codes for statistical use (M49) 国際連合統計部、2026年10月22日閲覧。
  2. ↑ a b 中央アジア 『デジタル大辞泉』『精選版 日本国語大辞典』、コトバンク、2026年10月22日閲覧。
  3. ↑ a b c d カザフスタン基礎データ 外務省、2026年10月22日閲覧。
  4. ↑ a b c d ウズベキスタン基礎データ 外務省、2026年10月22日閲覧。
  5. ↑ キルギス基礎データ 外務省、2026年10月22日閲覧。
  6. ↑ a b c タジキスタン基礎データ 外務省、2026年10月22日閲覧。
  7. ↑ a b c トルクメニスタン基礎データ 外務省、2026年10月22日閲覧。
  8. ↑ a b The use of irrigation systems for sustainable fish production: Uzbekistan 国際連合食糧農業機関、2026年10月22日閲覧。
  9. ↑ World of Change: Shrinking Aral Sea NASA Earth Observatory、2026年10月22日閲覧。
  10. ↑ Silk Roads: the Routes Network of Chang'an-Tianshan Corridor UNESCO世界遺産センター、2026年10月22日閲覧。
  11. ↑ Samarkand – Crossroad of Cultures UNESCO世界遺産センター、2026年10月22日閲覧。
  12. ↑ a b 「中央アジア+日本」対話(CA+JAD)・首脳会合の開催 今世界が注目する“中央アジア” 外務省、2025年12月17日、2026年10月22日閲覧。