ピッカリング系列
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ピッカリング系列とは1896年にアメリカの天文学者のエドワード・ピッカリングによって発見されたとも座ベータ星の光中の一価のイオン化ヘリウム(He+)のスペクトル系列である。
概要[編集]
ピッカリング系列の2本目の線は水素のバルマー系列に概ね対応する。追加波長も自然数に加えて半値を代入することでバルマー方程式を用いて近似が可能である。ピッカリングは当初、水素が特殊な状態なのではないかと考えたが、これは確認できなかった。デンマークの物理学者のニールス・ボーアはこの系列がHe+の発光スペクトルの波長に対応することを発見した。
現在では時代遅れだが、これには正確なボーアの原子模型を適用すると、原子核の運動を用いて、ピッカリング系列とバルマー系列の対応する線が正確に一致しない理由が説明できる。原子核と電子は共通の質量中心を周り、結果、リュードベリ定数がわずかに変化する。
式[編集]
ピッカリング系列の周波数および波長は、次の式で導出される。
ここで、
- =リュードベリ定数
- は、つまりなので、括弧内の項は常により大きくなる。が偶数の場合、は整数になり、バルマー系列と同じ項が得られる。
原子核の運動を考慮すれば、式が変わる。
ここで、
- =電子の質量
- =ヘリウムの核質量