オームの法則

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

オームの法則(おーむのほうそく)とは物理学電気工学で使われる公式。

概要[編集]

次の式で表される。

ここで、電圧[V]、電流[A]、電気抵抗[Ω]。
また、と表されることもある。この場合はが電圧である。

抵抗率[編集]

抵抗は、導線の長さlに比例し、断面積Sに反比例する。ここに比例定数をρとし、R(Ω)、ρ(m・Ω)、l(m)、S(m2)とすると

が成り立つ。 比例定数ρはその導線の材質の抵抗率という。ρは導線の長さが1m、その断面積が1m2あたりの電気抵抗である。

微視的なオームの法則[編集]

電流密度電気伝導率電界について(この節ではは電界であって、電圧はとすることに注意されたい)

微視的なオームの法則オームの法則の微分形という。
これに

(電気抵抗率と電気伝導率は互いに逆数)

を代入して

また、導線の長さ、断面積を用いて

(電圧は電界の線積分)
(電流は電流の面積分)

だから

さらに

なので

これを整理すると

となって、これはオームの法則に他ならない。

応用例[編集]

共振回路[編集]

抵抗値R[Ω]の抵抗、自己インダクタンスL[H]のコイル電気容量C[F]にコンデンサーの直列回路に、周波数f[Hz]の交流電源を入れると、回路を流れる電流I[A]は

ただし、 で与えられる。したがって、R=一定のときは回路のリアクタンス が0のとき、Iは最大となる。このような現象を回路の共振という。 すなわちR,L,Cの直列回路でL,Cの間に または の関係があると、この回路は周波数fの交流電源に共振するといい、このような回路を共振回路という。

沿革[編集]

ドイツの物理学者オームは、2地点間の電圧とその間を流れる電流との間に比例の関係があることを発見した。

教科[編集]

中学校理科で学習する。高等学校高等専門学校で応用例を学習する。

覚え方[編集]

伊勢鉄道はいい。IRいしかわ鉄道はいい。三重県石川県ではこの覚え方がいい。総合型リゾート開発IRはいい。

…この覚え方は鉄道ファン向くが、一般向けにはこちらを推奨する。 ボルト(V)君に会(A)おう(Ω)

その他[編集]

磁気回路空気の流れについても同様の式が成り立つ。 磁気回路におけるその法則は、ホプキンソンの法則ローランドの法則という名で知られている。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 力武常次、都築嘉弘『チャート式シリーズ新物理ⅠB・Ⅱ』数研出版株式会社新制第11刷1998年4月1日発行
  • 西巻正郎・森武昭・荒井俊彦『電気回路の基礎』森北出版株式会社1998年3月18日第1版第12刷発行