オームの法則
オームの法則(おーむのほうそく)とは物理学、電気工学で使われる公式。
概要[編集]
次の式で表される。
ここで、は電圧[V]、は電流[A]、は電気抵抗[Ω]。
また、、と表されることもある。この場合はが電圧である。
抵抗率[編集]
抵抗は、導線の長さlに比例し、断面積Sに反比例する。ここに比例定数をρとし、R(Ω)、ρ(m・Ω)、l(m)、S(m2)とすると
が成り立つ。 比例定数ρはその導線の材質の抵抗率という。ρは導線の長さが1m、その断面積が1m2あたりの電気抵抗である。
微視的なオームの法則[編集]
電流密度、電気伝導率、電界について(この節ではは電界であって、電圧はとすることに注意されたい)
を微視的なオームの法則やオームの法則の微分形という。
これに
- (電気抵抗率と電気伝導率は互いに逆数)
を代入して
また、導線の長さ、断面積を用いて
だから
さらに
なので
これを整理すると
となって、これはオームの法則に他ならない。
応用例[編集]
共振回路[編集]
抵抗値R[Ω]の抵抗、自己インダクタンスL[H]のコイル、電気容量C[F]にコンデンサーの直列回路に、周波数f[Hz]の交流電源を入れると、回路を流れる電流I[A]は
ただし、 で与えられる。したがって、R=一定のときは回路のリアクタンス が0のとき、Iは最大となる。このような現象を回路の共振という。 すなわちR,L,Cの直列回路でL,Cの間に または の関係があると、この回路は周波数fの交流電源に共振するといい、このような回路を共振回路という。
沿革[編集]
ドイツの物理学者オームは、2地点間の電圧とその間を流れる電流との間に比例の関係があることを発見した。
教科[編集]
中学校の理科で学習する。高等学校、高等専門学校で応用例を学習する。
覚え方[編集]
伊勢鉄道はいい。IRいしかわ鉄道はいい。三重県と石川県ではこの覚え方がいい。総合型リゾート開発IRはいい。
…この覚え方は鉄道ファン向くが、一般向けにはこちらを推奨する。 ボルト(V)君に会(A)おう(Ω)。
その他[編集]
磁気回路や空気の流れについても同様の式が成り立つ。 磁気回路におけるその法則は、ホプキンソンの法則やローランドの法則という名で知られている。