P4の死角

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P4の死角」(P4のしかく)は、手塚治虫の短編漫画作品であり、『サスピション』シリーズの1編。

概要[編集]

コミックモーニング』(講談社)の1982年12月16日号に読み切り掲載された。表紙頁を入れて23ページ。

「サスピション(英語: suspicion)」とは「疑惑」「不安」といった意味合いである。本作のタイトルに使われている「P4」は「感染病原体を実験室内で取り扱う際の封じ込めレベル」(バイオセーフティーレベル)のことである。レベル4の実験室は他の施設から完全に隔離されている必要があり、化学防護服未着用での入室厳禁など、さまざまな取り決めがある。日本でレベル4に相当する施設は国立感染症研究所東京都武蔵村山市)、理化学研究所筑波研究所(茨城県つくば市)、長崎大学高度感染症研究センター(長崎県長崎市)がある。

手塚治虫は本作について「冷たく殺伐としたものになった」と評している。

あらすじ[編集]

諸外国は宗教的な問題もあって禁止されており、批判もされているヒト遺伝子の組み換え研究を日本の大学はスタートさせた。

藁腰教授の弟子樋口は気密服を着用し、実験にあたったが装置の誤作動が起き、実験用DNAが気密服を貫いて樋口に注射されてしまった。樋口がもたらす影響が不明でもあるため、樋口は外界と遮断された実験室内で生きることとなった。そして、10年が経った。

樋口の前に藁腰教授の娘が現れる。樋口はかつて藁腰の娘をレイプしたことがあった。娘は誤作動を仕組んだのは自分であり、父・藁腰教授も知っての上だったと告げる。怒った樋口は娘を再度レイプし、部屋に入ってきた藁腰教授を刺した。藁腰教授は実験用DNAとしていたものがただのビタミン剤で、10年経ったら許そうと思っていたと告げて息絶えた。

外部リンク[編集]