グラマンF4F ワイルドキャット
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F4F ワイルドキャット(英語: Grumman F4F Wildcat)は、グラマン社が開発し、第二次世界大戦中にアメリカ海軍、アメリカ海兵隊、イギリス海軍で運用された艦上戦闘機である。
概要[編集]
F4Fは、アメリカ海軍の新型艦上戦闘機計画に応募して開発された機体であり、当初は単葉の複座戦闘機として設計されたXF4F-1から発展した。しかし、ライバルのF2A バッファローとの競合の結果、アメリカ海軍はより高性能な機体を求め、グラマン社は単葉の単座戦闘機であるXF4F-2を提案した。
最初の量産型であるF4F-3は、ライト R-1830-76 ツインワスプエンジンを搭載し、武装は12.7mm機関銃4挺であった。真珠湾攻撃によって太平洋戦争が勃発すると、F4Fは太平洋戦線におけるアメリカ海軍の主力戦闘機として日本海軍の零戦と激しい戦いを繰り広げた。
戦歴[編集]
F4Fは、初期の太平洋戦争において、その頑丈な機体構造と搭乗員の高い技量により、緒戦で優勢であった零戦に対しても健闘を見せた。特に、ミッドウェー海戦やガダルカナル島の戦いなど、数々の重要な戦いに投入され、連合軍の勝利に貢献した。
また、イギリス海軍でも「マートレット」の名称で運用され、大西洋の戦いにおけるUボート対策や、地中海戦線での艦隊防空に従事した。
後継機であるF6F ヘルキャットやF4U コルセアの登場により、第一線からは退いたが、練習機や二線級任務で終戦まで運用された。
派生型[編集]
- XF4F-1: 最初の複葉複座試作機。
- XF4F-2: 単葉単座試作機。
- F4F-3: 初期量産型。
- F4F-4: 主翼を折り畳み式に変更し、武装を6挺に強化した型。
- F4F-7: 偵察機型。
- FM-1: ゼネラルモーターズ社でライセンス生産された型。
- FM-2: エンジンを強化し、軽量化された最終生産型。
豆知識[編集]
F4Fの主脚は手動で引き込む方式で、整備員の間では「グラマンの歯車」というあだ名がつけられていました。
関連項目[編集]
参考書籍[編集]
碇義朗 『紫電改の六〇一空』 光人社、1987年。 世界の傑作機 No.17 グラマンF4Fワイルドキャット 文林堂、1989年。