航空母艦 鳳翔(ほうしょう)

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鳳翔(ほうしょう)は、大日本帝国海軍が保有した航空母艦(空母)である。日本海軍が初めて保有した航空母艦であり、世界的に見ても最初期の正規空母の一つに数えられる。

概要[編集]

鳳翔は、ワシントン海軍軍縮条約締結前の八八艦隊計画において、給油艦への飛行甲板設置案が検討されていた流れの中で、航空機の運用に特化した艦として計画された。当初は特務艦として予算が計上されたものの、その設計は当初から航空母艦としての運用を想定しており、日本の航空母艦開発における画期的な存在となった。

1922年大正11年)12月27日に竣工。初期の航空母艦の例に漏れず、鳳翔も様々な試行錯誤が繰り返されながら運用された。特に、航空機の着艦誘導や発艦に関する技術開発において、重要な役割を果たした。

艦歴[編集]

構造[編集]

鳳翔の最大の特徴は、格納庫の上部に設置された全通飛行甲板である。初期の空母には、艦橋や煙突が飛行甲板上に突出している例も多かったが、鳳翔は航空機の運用効率を重視し、これらを飛行甲板下や艦舷側に格納できるような設計が採用された。

  • 飛行甲板:全長約168m。着艦誘導用に多数の着艦制動装置が備え付けられた。
  • 煙突:運用当初は伸縮式の煙突を採用し、発着艦時には倒すことで飛行甲板上の障害物を排除する工夫が凝らされた。後に固定式となる。
  • 艦載機:当初は一〇式艦上戦闘機一〇式艦上攻撃機などを運用した。

豆知識[編集]

鳳翔の設計には、イギリスの航空母艦技術が参考にされたと言われている。また、鳳翔の運用で培われたノウハウは、その後の日本海軍の航空母艦建造に大いに生かされた。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 歴史群像編集部編 『歴史群像太平洋戦史シリーズVol.18 空母鳳翔・龍驤・祥鳳・瑞鳳』学習研究社、1998年。
  • 牧野茂、福井静夫編 『海軍造船技術概要』今日の話題社、1987年。