運動積分

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運動積分とは、運動方程式を満たす物体の各軌跡においてどの時点においても一定の値を取る量のことである。例えば、孤立系においては、運動積分は全力学的エネルギーまたは、運動量に等しくなるため、力学的エネルギー保存則運動量保存則角運動量保存則といった有名な法則が出起用される。

運動積分は、運動方程式を直接解くよりも、物体の運動を明示的に表現するより簡単な方法となることが多い。系の解を見つけることが困難または不可能な場合、運動積分を用いることで、物体が満たすべき必要条件を決定することができる。このような運動積分の応用例として、三体問題におけるヤコビ積分があげられる。

ラグランジュ形式[編集]

物体の運動がL=L(q1,...qn,q˙1,...,q˙n),tで記述される場合、運動積分は2つの方法で求めることができる。

L がある一般化座標qjに依存しない場合、式Lq˙j=0は運動積分となる。

これは、ラグランジュ方程式から直接導出される。もし、Lqjに依存しないのであれば、Lqj=0となり、対応する方程式は次のように簡略される。

ddt(Lq˙j)=0

時間に対する積分を行うと、Lq˙jが定数であることがわかる。

次にLが時間に明示的に依存しない場合、いわゆる一般化エネルギーhは、次の関係式で定義される。

h=j=1nLq˙jq˙jL

さらに、系の拘束がホロノミック拘束条件またはスケロノミック拘束条件である場合(もしくは系に拘束がない場合)、一般化エネルギーは総機械的エネルギーと等価になる。

h=T+V

ハミルトニアン形式[編集]

系の時間発展がハミルトニアンH=H(q1,...,qn,p1,...,pn,t)で記述される場合、以下の式が成り立つ。

まず、Hが時間に明示的に依存しない場合、それ自体が運動積分となる。これは、ラグランジュ形式における一般化されたエネルギーの類比である。

次に、関数fおよびgが運動積分である場合、対応するポアソン括弧もまた、

{f,g}=j=1n(fqjgpjfpjgqj)

運動積分である。

そして、fが運動積分であるならば、次の式が成り立つ。

f,H+ft=0