国土地理院
国土地理院(こくどちりいん、英語:Geospatial Information Authority of Japan、略称:GSI)は、国土交通省の特別の機関である。日本の測量の基準を整備し、国土の地形図や空中写真などを作成・公開する。本院は茨城県つくば市にあり、各地に地方測量部や支所を置く[1][2]。
沿革[編集]
国土地理院は、1869年(明治2年)に民部官に設けられた庶務司戸籍地図掛を起源としている。明治期には内務省や陸軍の諸部局が測量や地図作成を担い、1888年には参謀本部に陸地測量部が設けられた[3][4]。
第二次世界大戦後の1945年9月に内務省の地理調査所が発足した。地理調査所は1948年に建設省の所管となり、1960年7月に国土地理院へ改称された。本院は1979年に東京都目黒区から筑波研究学園都市へ移転した。1984年に建設省の特別の機関となり、2001年の中央省庁再編に伴って国土交通省の特別の機関となった[3][5]。
主な業務[編集]
基本測量と基準点[編集]
測量法では、各種の測量の基礎となる国土地理院の測量を「基本測量」と定めている。国土地理院は、位置を求めるための三角点や、高さを求めるための水準点などを整備・管理する。また、日本経緯度原点と日本水準原点は、日本における経緯度と高さの基準となる[6][2][7]。
全国の電子基準点でGPSやみちびきなどの測位衛星の信号を受信し、位置を継続して観測している。この観測網は「GEONET」と呼ばれ、1996年に運用を開始した。得られたデータは、測量の基準や地殻変動の監視に利用される[8][9]。
地図と地理情報の提供[編集]
道路・建物・地形などを記録した地図情報、空中写真のゆがみを補正した画像(オルソ画像)、地名情報を「電子国土基本図」として整備している。また、都道府県・市区町村ごとの面積や、日本の主な山の標高なども公表している[10][11][12]。
ウェブ地図の「地理院地図」では、地形図に空中写真、標高、地形分類、災害に関する情報などを重ねて表示できる。異なる年代の空中写真を比較したり、地図上で指定した経路の地形断面図を作ったりする機能もある[13]。
災害対応[編集]
災害時には、空中写真を撮影して被災範囲を調べ、地殻変動を解析するなどして、関係機関に情報を提供するとともに一般にも公開する。2024年の能登半島地震では、被災前後の空中写真や地殻変動の解析結果、写真から推定した津波浸水域などを公開した[14][15]。
脚注[編集]
- ↑ 国土交通省設置法 第27条・第28条、e-Gov法令検索。
- ↑ a b 国土地理院について 国土地理院。
- ↑ a b 国土地理院について:沿革 国土地理院。
- ↑ 国土地理院の沿革(通史) 国土地理院。
- ↑ 関東地方測量部の概要 国土地理院。
- ↑ 測量法 第4条、e-Gov法令検索。
- ↑ 日本の測地系 国土地理院。
- ↑ 電子基準点 国土地理院。
- ↑ GEONET(GNSS連続観測システム)とは 国土地理院。
- ↑ 電子国土基本図 国土地理院。
- ↑ 全国都道府県市区町村別面積調 国土地理院。
- ↑ 日本の主な山岳標高(1003山) 国土地理院。
- ↑ 地理院地図とは? 国土地理院。
- ↑ 令和6年能登半島地震に関する国土地理院の対応 国土地理院。
- ↑ 令和6年能登半島地震に関する応用地理部の対応 国土地理院。