加瀬英明

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加瀬 英明（かせ ひであき、1936年12月22日[1] - 2022年11月15日）は、外交評論家[2]。助川明の筆名を持つ[1]。日本会議代表委員・東京都本部会長。

経歴[編集]

東京生まれ[3][注 1]。外交官の加瀬俊一の長男[4]。慶應義塾大学経済学部中退[1][注 2]。エール大学、コロンビア大学に留学[1]。「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長（TBSブリタニカ、1967-1970年[3]）を経て、評論活動に入る[2]。保守派の論客として知られた[2]。1977年日本ペンクラブ理事。1979年日本安全保障研究センター理事長[5]。福田赳夫内閣と中曽根康弘内閣の首相特別顧問、福田赳夫・大平正芳・鈴木善幸内閣で園田直外相の顧問として訪米した[6]。1984年に中曽根内閣の中西一郎特命担当相の私的諮問機関として発足した危機管理問題懇談会（危機管理懇）の情報専門部会のメンバー[7]。

イスラエル紙「ハアレツ」によると、「多くの人の目に、加瀬は故・安倍晋三元首相のメンターとして映った。安倍は生前、権力の絶頂にいるときでさえ、月に一度は加瀬を訪問していたと言われる。」とされる[8]。

『醜い韓国人』[編集]

1993年に刊行された朴泰赫『醜い韓国人――われわれは「日帝支配」を叫びすぎる』（光文社、カッパ・ブックス）は韓国人ジャーナリストが「日本の韓国統治は韓国にとって恩恵だった」と主張したとして話題となった[9]。加瀬は刊行に際して同書の閲読を担当し[10]、巻末に「この著作について」という解説文を執筆したが、加瀬が『醜い韓国人』の本当の著者であると疑われて論争となった[11]。韓国でも翻訳本が発売されたが、韓国人社会では加瀬が本当の著者であり、朴泰赫という人物は実在しないというのが常識となっている[12]。加瀬は朴の実在を主張し、1995年に朴との共著『醜い韓国人 歴史検証編』（光文社、カッパ・ビジネス）を刊行した[11]。また加瀬=光文社側は著者論争の過程で張世淳という韓国人が本当の著者であると名指しした[9]。1996年に張は韓国で記者会見し、自分が執筆したのは『醜い韓国人』のごく一部にすぎず、大部分は加瀬英明事務所が執筆したと主張した[9]。その後、加瀬は張が『醜い韓国人』の著者ではないという覚書を張に手渡し、自身が『醜い韓国人』の著者であることを事実上認めた[9]。

社会的役職等[編集]

2022年時点。出典：公式ホームページ[3]。

過去の役職。出典：公式ホームページ[3]。

公式ホームページに記載されていない役職

参加・賛同等

脚注[編集]

注[編集]

  1. ↑ 『現代人名情報事典』（平凡社、1987年）では千葉県生まれ[1]。
  2. ↑ 加瀬英明『新しい世界が生まれる』（日本教文社、1990年）等では慶應義塾大学経済学部卒業。

出典[編集]

  1. ↑ a b c d e 平凡社教育産業センター編『現代人名情報事典』平凡社、1987年、248頁
  2. ↑ a b c 加瀬英明さん死去 朝日新聞、2022年11月18日
  3. ↑ a b c d 略歴 加瀬英明のホームページ
  4. ↑ 『日本の息吹』１２月号のご紹介 日本会議、2013年12月2日
  5. ↑ 「私の写真履歴書――加瀬英明（外交評論家）」『ビジネス・インテリジェンス』第11巻第2号（通巻113号）、1997年2月
  6. ↑ 【訃報】 加瀬英明・副会長が逝去 日本李登輝友の会、2022年11月16日
  7. ↑ 青木慧『ドキュメント 中曽根ファミリー――政治支配の構造』あけび書房、1986年、155頁
  8. ↑ 保守派の重鎮・加瀬英明が生前イスラエル紙に語った「生い立ちと超・国家主義思想の原点」 クーリエ・ジャパン、2023年1月3日
  9. ↑ a b c d 申東薫「『醜い韓国人』の著者論争に完全決着――加瀬英明氏が"敗北宣言"」『金曜日』第4巻第37号、1997年10月4日
  10. ↑ 朴泰赫『醜い韓国人――われわれは「日帝支配」を叫びすぎる』光文社、1993年、5頁
  11. ↑ a b 加瀬英明｜人名事典 PHP研究所
  12. ↑ 大林高士「まえがき」、加瀬英明、田麗玉、大林高士、崔書勉『「醜い韓国人」vs.「悲しい日本人」――日韓友好の道を探る』たま出版、1995年、5頁
  13. ↑ a b 加瀬英明『大爆発』サイマル出版会、1978年
  14. ↑ 佐藤達也「世界平和教授アカデミーの正体」『現代の眼』1978年4月号
  15. ↑ 青木慧『改憲軍団――組織と人脈』汐文社、1983年、70頁
  16. ↑ 茶本繁正「ファシズムの尖兵・勝共連合」『社会主義』1979年7月号
  17. ↑ a b c d e 青木慧『ドキュメント 中曽根ファミリー――政治支配の構造』あけび書房、1986年、270頁
  18. ↑ 青木慧『タカ派知識人――組織と人脈五〇〇人』汐文社、1983年、162-163頁
  19. ↑ 青木慧『パソコン追跡勝共連合』汐文社、1985年、32頁
  20. ↑ 青木慧『パソコン追跡勝共連合』汐文社、1985年、164頁
  21. ↑ 青木慧『パソコン追跡勝共連合』汐文社、1985年、297頁
  22. ↑ 青木慧『パソコン追跡勝共連合』汐文社、1985年、301頁
  23. ↑ 『祖国と青年』第29巻第2号（通巻233号）、1998年2月、40頁
  24. ↑ 土井洋彦「映画「ムルデカ」が欠落させた侵略の歴史」『前衛』第739号、2001年6月
  25. ↑ 皇室典範問題研究會 皇位の正統な継承の堅持を求める会
  26. ↑ 日本教育再生機構とは 日本教育再生機構、2007年5月5日時点
  27. ↑ 理事・顧問 名簿 体罰の会
  28. ↑ 役員名簿（平成22年8月1日現在） 日本会議
  29. ↑ 役員名簿 皇室の伝統を守る国民の会
  30. ↑ 教科書改善運動における八木秀次氏の責任問題について 新しい歴史教科書をつくる会
  31. ↑ 呉竹会青年部　議論掲示板さんの投稿 facebook、2014年6月12日
  32. ↑ 【11月18日東京】日清日露両戦争記念顕彰国民大会 アジア自由民主連帯協議会、2014年11月5日
  33. ↑ トップページ 朝日新聞を糺す国民会議
  34. ↑ 呼びかけ人 『南京大虐殺』の歴史捏造を正す国民会議
  35. ↑ 第11期生募集中!（PDF） アパ日本再興財団
  36. ↑ 「真の近現代史観」懸賞論文 審査委員長に加瀬英明氏就任 PR TIMES、2017年4月24日
  37. ↑ 公益財団法人アパ日本再興財団主催 第十一回「真の近現代史観」懸賞論文受賞者発表 最優秀藤誠志賞を草間洋一氏が受賞！ 並びに、第一回アパ日本再興大賞ノミネート作品発表 アパグループ
  38. ↑ 追悼　加瀬英明先生 アジア自由民主連帯協議会、2022年11月17日
  39. ↑ 【会長略歴・挨拶】 国家ビジョン研究会
  40. ↑ HOME 文科省「不正検定」を正す会
  41. ↑ 「文科省の教科書調査官、北のスパイ」報道…加瀬英明氏らが徹底究明要求！　調査官「身に覚えない」　アサヒ芸能「記事には自信」 zakⅡ、2020年8月4日
  42. ↑ 「空の神兵」の集い（PDF） Society for the Dissemination of Historical Fact
  43. ↑ 役員名簿 史実を世界に発信する会
  44. ↑ 顧問・賛同人 皇統を守る国民連合の会
  45. ↑ 青木慧『改憲軍団――組織と人脈』汐文社、1983年、83頁
  46. ↑ 青木慧『改憲軍団――組織と人脈』汐文社、1983年、205頁
  47. ↑ 青木慧『タカ派知識人――組織と人脈五〇〇人』汐文社、1983年、169頁
  48. ↑ チャンネル桜について 日本文化チャンネル桜
  49. ↑ 賛同者 南京の真実
  50. ↑ 賛同者一覧 視聴者の会

関連文献[編集]

  • 黄民基「『醜い韓国人』を書いた醜い日本人」『宝島30』1993年9月号
  • 金容雲『醜い日本人――「嫌韓」対「反日」をこえて』（三一書房［三一新書］、1994年）
  • 田麗玉『悲しい日本人』（金学文訳、たま出版、1994年）
  • 林永春『醜い韓国人が醜い日本人に応える』（姜求栄、尹大辰訳、三一書房、1995年）
  • 「『醜い韓国人』著者?が告発された「韓国人ホステス」の不審死」『週刊新潮』第51巻第46号、2006年12月7日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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