分解型複素数

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分解型複素数とは、実数j(j2=+1)の組み合わせ(和もしくは差)で表されるである。 分裂複素数ミュゼ数など多くの別名をもつ。

概要[編集]

分解型複素数をzとすると、z=a+bj(a,bは実数、j(j2=+1)は実数ではない)で表される。

分解型複素数平面[編集]

分解型複素数を座標で表したのが分解型複素数平面である。その平面上で

zz*=1

単位円とする。z=a+bjの共役の定義z*=abjから

zz*=a2=1

なので、単位円

a2b2=1

という2直線になり、単位円と言っておきながら標準形の双曲線、という直感とは異なる結果になる。

四則計算[編集]

a,b,c,dを実数とし、jを虚数単位(?)とする。

(a+bj)+(c+dj)=(a+c)+(b+d)j

(a+bj)(c+dj)=(ac)+(bd)j

(a+bj)×(c+dj)=(ac+bd)+(ad+bc)j

a+bjc+dj=(acbd)+(ad+bc)jc2d2(ただし、cdかつcd)

行列表現[編集]

行列を用いると分解型複素数は、

j=(0110),a+bj=(abba)

と表現することができる。 分解型複素数の和と積は、通常の行列の和と行列の積によって計算することができ、両演算は可換かつ結合的である。
差は和と同様であり、商は逆行列との積となる。逆数や除法が定義できるかの条件は、逆行列が存在するかの条件と対応する。
絶対値は対応する行列の行列式の値である。

応用[編集]

ローレンツ変換[編集]

分解型複素数は双曲的回転によって基準系間の速度変化をよく表していたため、 時空平面におけるローレンツ変換や空間の相対性を記述するものに応用された。

オイラーの公式[編集]

複素数でのオイラーの公式の分解型複素数に相当する式

ejθ=cosh(θ)+jsinh(θ)

が成立する。
これは、複素数ではi2=1に由来する符号の変化が三角関数テイラー展開にあったのに対して、 分解型複素数ではj2=+1に由来する符号が同一であることが双曲線関数のテイラー展開にあうと考えると分かりやすい。

名称[編集]

分解型複素数は歴史上、以下のような多くの名称で呼ばれてきた。

  • 分○○系
    • 分解型複素数
    • 分裂複素数
  • 双○○系
    • 双数
    • 双曲数
    • 双曲複素数
    • 双曲型複素数
  • ○○複素数形
    • 反複素数
    • 異常複素数
  • 難しい系
    • 当惑数
    • 複雑数
  • その他
    • ミュゼ数
    • ローレンツ数
    • 実テッサリン
    • 代数的運動子
    • 二重数

ただし、二重数ローレンツ数については別の用法もあり、混乱するので使わない方がベターだろうか。 (異なる用法では、二重数は別の二元数にあり、ローレンツ数はローレンツ定数やヴィーデマン‐フランツ定数とも呼ばれる金属半導体の物性値である。)

関連項目[編集]