京阪700系電車 (2代)
京阪700系電車 (2代)(けいはん700けいでんしゃ)とは、かつて在籍した京阪電気鉄道の電車。
概要[編集]
600型・700型が600系に更新されたあと、次に置き換えが迫っていた車両は1000型・1100型といった流線型が特徴的な各形式だった。これらは車齢30年をオーバーし老朽化も進み、片開き2ドアで車体幅も2550mmと狭く、逼迫する輸送需要に耐えられない状態となっていた。
そこで600系と同様に台枠を含む車体を新製し、主要機器は従来車の旧品を流用するという手法で1967年より製造されたのがこの700系である。
構造[編集]
車体は台枠から完全新製した、600系に準ずる両開き1.2m幅ドアを片側に3箇所備える18m準張殻構造のものとされた。ただし、600系では軽量化を徹底しすぎたため、梁の省略を抑え強度を保つ構造とした。代わりに床部の簡略化などがなされ重量は600系と同一となっている。
前面デザインは2200系準拠で、窓上左右に振り分けられる形で前照灯が設置された。貫通幌も設置されたが、使用する機会はほとんどなかった。
主電動機は種車のTDK-517系主電動機を大規模改修した出力90kWのTDK-517/2Dを吊り掛け式で搭載し、歯車比は67:22=3.045である。
制御方式は種車の電動カム軸式の抵抗制御ES-152・ES-155・ES-517で改造にあたり弱め界磁制御を付加した。
ブレーキ方式は自動空気ブレーキのAMA-Rだが、後に電磁排給弁を追加し、AMA-RLとなった。
台車は種車のものが改造の上で流用され、電動車はNS-A台車、NS−18台車、KS-18系台車、KST-18系台車、KRS-12台車と区分される。750型はKST−18系とNSD−12系台車を履く。751のみは1505が事故被災廃車となった関係で種車のものを用いず、1800系の台車交換で発生したKS−6台車を履いた。
このようにして1970年までに700型12両、750型12両、780型20両の計44両が用意された。
沿革[編集]
当初から幅広く運用に充当され、特に全車が出揃って以降、本系列は5M2Tの7両貫通編成であることを活かし急行や準急に積極的に投入された。また、半端となる2両については600系と共通で組成された。もっとも、7両貫通編成ならではの欠点もあり、有効長が7両分存在しない深草車庫への出入りを避ける運用が組まれていた。
1974年に入り、京阪線の昇圧が決定すると吊り掛け車はすべて廃車されることになったが、本系列は車体強度が十分で冷房化改造に耐えられることから貫通編成の42両が1000系へと改造され、書類上は除籍された。改造途上で600系4連と接続した片割れ3両も見られた。1000系自体は700系時代から数えて一部が経年60年に差し掛かろうとしているが、2025年時点において1両も廃車が出ていない。
改造対象から漏れた781・799は680型の690・691に編入され700系は形式消滅した。この2両については1800系への改造もなされず1983年12月4日の昇圧をもって車齢わずか13年で廃車、後に解体に至っている。