中国人民解放軍空軍
中国人民解放軍空軍(ちゅうごくじんみんかいほうぐんくうぐん、簡体字中国語: 中国人民解放军空军、英語: People's Liberation Army Air Force、略称: PLAAF)は、中華人民共和国の国軍である中国人民解放軍の空軍部門である。陸海空軍およびロケット軍、戦略支援部隊からなる中国人民解放軍の主要な軍種の一つであり、中国の防空および航空作戦を担当している。
概要[編集]
中国人民解放軍空軍は、世界でも有数の大規模な空軍であり、近年急速な近代化を進めている。その任務は、中国の領空の防衛、戦略的抑止、そして必要に応じた攻撃作戦の実施である。最新鋭の戦闘機、爆撃機、輸送機、早期警戒管制機、無人航空機などを運用し、その能力は飛躍的に向上している。
歴史[編集]
中国人民解放軍空軍は、1949年11月11日に設立された。その起源は、日中戦争および国共内戦における中国共産党の航空部隊に遡る。初期の空軍は、主にソ連から供与された航空機で構成されていた。
1950年代の朝鮮戦争において、中国人民志願軍空軍としてMiG-15戦闘機などを運用し、国連軍航空部隊と交戦した。この経験は、その後の空軍の発展に大きな影響を与えた。
1960年代以降、中ソ対立の影響を受け、中国は独自の航空機開発を推進するようになる。殲撃5型(J-5)、殲撃6型(J-6)、殲撃7型(J-7)といったソ連のMiG-17、MiG-19、MiG-21をベースとした航空機をライセンス生産または独自改良して運用した。
1980年代後半から1990年代にかけて、ソビエト連邦の崩壊と冷戦終結後の国際情勢の変化、そして中国経済の発展を背景に、中国人民解放軍空軍は本格的な近代化に着手した。Su-27などのロシア製戦闘機を導入するとともに、殲撃10型(J-10)、殲撃11型(J-11)、殲撃15型(J-15)、殲撃16型(J-16)といった国産戦闘機の開発・配備を進めた。
2000年代以降は、ステルス機である殲撃20型(J-20)の開発・配備や、輸送機である運20型(Y-20)の登場など、より高性能な航空機の開発に注力している。また、空中給油機、早期警戒管制機、偵察機、無人航空機などの支援航空機も充実させている。
組織[編集]
中国人民解放軍空軍は、空軍司令部の下に、複数の戦区空軍(各戦区に所属)と直属部隊で構成されている。戦区空軍は、それぞれの管轄区域における航空作戦を担当する。
主な組織構成は以下の通りである。
主要装備[編集]
中国人民解放軍空軍は、多様な航空機を運用している。以下はその一部である。
- 戦闘機:
- 爆撃機:
- 輸送機:
- 運20型(Y-20):大型戦略輸送機。
- 早期警戒管制機:
- 無人航空機:
基地[編集]
中国人民解放軍空軍は、中国全土に多数の航空基地を保有している。主要な基地は、それぞれの戦区に分散配置されており、防空網の中核をなしている。
豆知識[編集]
中国人民解放軍空軍のパイロットは、その精鋭性から「天之驕子(空の寵児)」と呼ばれている。彼らは厳しい選抜と訓練を経て、高度な操縦技術と戦術を習得している。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- Jane's All the World's Aircraft
- The Military Balance (国際戦略研究所)