マムズ・アクロス・アメリカ
マムズ・アクロス・アメリカ(英:Moms Across America、略称:MAAM)とは、2013年に設立されたカリフォルニアを拠点とする501(c)(3)の非営利団体である。
概要[編集]
遺伝子組み換え食品、農薬(特にグリホサート)、および食品や環境中の有害物質への曝露についての認識を高め、母親や他の人々が健康なコミュニティを作る力を与えることを目的としている。
また、オーガニック食品や代替医療、GMO(遺伝子組み換え食品)フリーの生活を推奨している。
活動[編集]
2013年7月3日から4日にかけて、モンサントとGMOに対する抗議活動を主催。[1]
2016年のアースデイに、MAAMは「オーガニック推進ビルボードキャンペーン」を開始。
このキャンペーンは2016年のアースデイから母の日まで、35都市/13州の191カ所で展開され、4月24日から27日にワシントンD.C.で開催される全米有機基準委員会の会議の週に合わせて掲示されるというものであった。
MAAMの設立者であるゼン・ハニーカットは、ブログでこのキャンペーンが全米上院農業委員会のメンバーに影響を与えることを目指していると述べた。[2]
誤情報[編集]
2014年、MAAMは「グリホサート検査」を支援するための寄付を募り始め、研究で母乳中にグリホサートが検出されたと主張。この主張は後に、ワシントン州立大学の科学者に「グリホサートは母親の母乳に蓄積しない」と反証された。 [3]
2016年9月、「子供用ワクチンの5種類全てから発がん性のある農薬グリホサートが検出された」と発表。[4] この情報は、日本でも2025年5月下旬頃からXなどを中心に広まった。[5]
しかし、この研究はミズーリ州セントルイスにある民間企業マイクローブ・イノテックによって行われ、同社はグリホサートの高度な分析に関する専門知識を持っていなかった。[6]
この研究では、以下の濃度のグリホサートが検出されたとされている。
MAAMは、追加の研究がアンソニー・サムセルという自称「研究者/コンサルタント」によって行われたと述べているが、彼が科学学位やこの種の研究の専門知識を持っている証拠はない。[6]
また、この研究では、ELISAと呼ばれる方法が使用された。ELISAは、放射性標識抗体を用いて化学物質の濃度を迅速に測定する、比較的信憑性の高い方法である。しかし、ppbという10億分の1ほどの低い濃度での測定では不正確である。[6]
日本でもラウンドアップの安全性に関する情報を提供する公式Xアカウントで、「間違っている」と指摘されている。[7]
脚注[編集]
- ↑ “Moms Across America: ‘Consumer’ group promotes health scares, targets GMOs and chemicals”. Genetic Literacy Project. 2025年6月1日確認。
- ↑ “National Health Billboard Campaign”. Moms Across America. 2025年6月1日確認。
- ↑ “WSU researchers find US breast milk is glyphosate free”. EurekAlert! 2015年7月25日時点の、オリジナルよりアーカイブ。. 2025年6月1日確認。
- ↑ “Glyphosate in Childhood Vaccines”. Moms Across America. 2025年6月1日確認。
- ↑ https://x.com/kuu331108/status/1922243139865346522
- ↑ a b c d “Glyphosate herbicide in vaccines? Here is what concerned parents should know”. Genetic Literacy Project. 2025年6月1日確認。
- ↑ https://x.com/nissanchem_rup/status/1924706659093352696