ペリメニ
ペリメニ(ロシア語: пельмени(複数形)、ロシア語: пельмень(単数形))は、シベリア発祥のソビエト料理。ロシア風水餃子、シベリア風水餃子[1]とも呼ばれる。
概要[編集]
旧ソビエト連邦の地域では、ごくありふれた家庭料理の1つである[2]。
小麦粉をこねて作った生地に羊、牛、豚などひき肉とタマネギとを具として詰めて茹でた料理である[1]。
生地を作る際に、鶏卵を加えることもある[3]。
具材には先に挙げたような肉が使われることが多いが、それ以外の具材も使用される[2]。例えば、ソビエト連邦時代のカムチャッカ半島では肉と言えばトナカイ肉であったため、ペリメニにもトナカイ肉が用いられた[2]。また、カムチャッカ半島では鮭のひき肉を使用したペリメニも、よく作られている。
シベリア版[編集]
現在の中華人民共和国の北方やモンゴルからシベリアに伝わった料理とされる[1]。
正月を祝う料理のひとつであり、一度に大量に作って、(気温が低いのを利用して)冷凍保存していた[2]。
小さな丸い形に作られ、携行食としても持ち歩いていた[3]。
ウラル版[編集]
民俗学者のドミトリー・ゼレーニンは、コミ・ペルミャク語で「ペリ」は「耳」の意であり、「ニャニ」は「パン」の意味であると記している[3]。これを「ペリメニ」の名の由来とする説がある[3]。
具材は大量のタマネギと、牛、羊、豚の三種のひき肉を混ぜ合わせたものを用いる[3]。生地にはウズラの卵が加えられることもある[3]。
ウドムルト版[編集]
ウドムルト共和国北方ではペリメニのサイズは小さめ、3センチメートルから4センチメートルのものが多い[3]。また、包む際には両端を合わせない[3]。これによって、よりジューシーになるとされる[3]。
南方では、ペリメニのサイズが大きくなるだけではなく、脂の多いブイヨンで煮るのが特徴となっている[3]。中でもグビエン・ペリメニと呼ばれるキノコ入りのペリメリが伝統的で、炒めたキノコ、タマネギ、卵が具材となる[3]。かつては、亜麻仁油を添えて提供されていた[3]。
また南方には、魚のすり身に卵と植物油、溶かしバターを混ぜて具材にした、チョルイゲン・ペリメニも食されている[3]。
カルムイク版[編集]
カルムイク共和国では羊肉入りのペリメニをビョーリキと呼ぶ[3]。
羊肉は、包丁で叩いてミンチにし、こまかく刻んだサーロ(脂身)、タマネギ、ハーブ、スパイスを加える[3]。ビョーリキは塩を入れた熱湯で茹でて、バターを添えて提供される[3]。
ダゲスタン版[編集]
ダゲスタン共和国では、肉と野菜を具材としたペリメニを作り、クルゼと呼ばれる[3]。
ひき肉に塩、コショウに加えて少量の牛乳も加えるのが特徴[3]。
マリ・エル版[編集]
生地は薄くのばしてから半月状に切るのが特徴[3]。具材には、ウサギと豚の合挽肉か、アナグマのひき肉を、タマネギ多めで用いる。具材としてキビや丸麦の粥、凝乳やジャガイモが使われることもある[3]。
ブリヤート版[編集]
生地で包む際に上部に孔をあけておくのが特徴で、具材の肉汁がこぼれないように孔を上にして蒸す[3]。サイズも大きめであるため、通常は肉汁がこぼれない様に手づかみで食べる[3]。
モルドヴィア版[編集]
モルドヴィア共和国ではチュマラと呼び、肉団子スープのようにしてスメタナを添えて提供される[3]。
チュマラの生地には、小麦粉以外に、エンドウ豆の粉、蕎麦粉、あるいは、レンズ豆の粉から作る[3]。具材には、細かく刻んだ塩漬け豚の脂身・サーロを、丸く広げた生地で包み込む[3]。
クリミア・タタール版[編集]
クリミア・タタールでは、ユファフ・アシュと呼び、1センチメートルほどの小さいペリメニを食する[3]。
「ユファフ・アシュ」とは「小さな食べ物」の意[3]。