ブルスタイン=モス効果

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

ブルスタイン=モス効果とは縮退半導体で発生する量子力学的効果である。これは非常に高いドーピング濃度を持つ半導体において有効バンドギャップが増加する仕組みを記述するもので、光分光法では、電荷キャリア密度の関数として吸収端が遷移する形で現れる。この効果はもともと、イライアス・ブルスタインと、トレバー・モスによってアンチモン化インジウムで独立に記述された。

説明[編集]

ドーピングされていない半導体では、電子で満たされた価電子帯と、電子が占有されていない伝導帯は、バンドギャップによってエネルギー的に分離されている。不純物の混入により、このバンドギャップ内に互いに相互作用しない局在エネルギー準位が生成され、中間準位として電気伝導率が増加する。ブルスタイン=モス効果はドナー準位、すなわち伝導体端付近のフェルミ準位より上にある不純物準位の相互作用に基づく。特定の不純物の混入によってドナー準位またはアクセプタ準位のいずれかが生成されるかは、対象となる半導体材料に依存する。

前述のように、ドーピング濃度が低い場合、最初は局在化したドナー準位のみが生成される。ドーピング濃度を上げると、ドナー準位の数が増加する。濃度が臨海密度を超えると、ドナー準位同志が相互作用し、元のバンドギャップ内にエネルギーバンドを生成する。濃度をさらに上げると、ドナーバンドは伝導体と融合し、電子はエネルギージャンプを経ることなく、ドナー準位から伝導体へ遷移できるようになる。フェルミ準位はもはやバンドギャップ内だけでなく、伝導体の領域に位置するようになる。この半導体は縮退状態にあると表され、金属と同様の電気伝導率を示すようになる。

フェルミ準位は本の伝導体端よりも高いエネルギーに遷移し、フェルミ準位より低いすべてのエネルギー準位は電子で占められるため、価電子帯から伝導体へ電子を励起するには、より高いエネルギーが必要となる。吸収分光法では、吸収端よりも高いエネルギーへ、つまりより短い波長へと遷移するという形で現れる。

バンドギャップ拡大効果は、別の効果によって相殺される。電荷キャリア密度が高い場合、多体効果、すなわち複数の粒子間の相互作用によって生じる効果が発生する。電子間相互作用および電子-ドナー準位間相互作用はバンド構造の変化を引き起こし、この過程はバンド再正規化として知られる。これによって、伝導帯端が低下し、価電子帯端が上昇する。この歪みによってバンドギャップエネルギーが減少し、ブルスタイン=モス効果が観測されない可能性がある。