-196 (アルコール飲料)

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ストロングゼロから転送)
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-196(イチキューロク)は、サントリーが製造・販売するチューハイのブランド名[1]

概要[編集]

「-196℃製法」によってサントリーで製造されているチューハイの総称が「-196」である[1]

2005年に「-196℃(マイナスひゃくきゅうじゅうろくど)[2]」のブランド名で発売を開始、シリーズ展開を行っていたが、2024年3月にシリーズをリニューアルし、「-196」というブランド名になった。

-196℃製法[編集]

まるごとの果実を-196℃で瞬間凍結し、粉砕することで果実をパウダー状にする。パウダー状になった果実をアルコール分60%のリキュールに浸漬することによってアルコール飲料を製造する[1][3]

果皮の味わいも抽出することで、リアルな果実感を再現できるのが利点ではあるが、逆に果皮の苦みが過度にならないよう浸漬時間やリキュールの配合には注意を払う必要がある[3]

この製法は、サントリーが特許取得している[1](2011年取得)[注釈 1]

現行シリーズ[編集]

-196[編集]

缶チューハイを含む日本のRTD(Ready To Drink)は、消費者ニーズに応え、時代にあった商品提案を行ってきたことで右肩上がりで拡大してており、中でも無糖系の商品は大きく伸長し、市場を牽引している[2]。しかしながら、ライフステージの変化などに伴い30代消費者は酒との接し方に変化が出始めており、無糖の商品が多く棚に並ぶ状況に対し「自分たち向けの提案がない」「話題性がない」とも感じている[2]。改めて30代にフォーカスして調査を行ったところ、「外的要因によって自分の感情を大きく揺さぶられたくない」といった性格的な特徴、情報過多な生活を送るなかでも「シンプルで分かりやすいこと」を重視するy選択指向、「お酒を飲む時ぐらいは何も考えずにポジティブに過ごしたい」と考える傾向があることが判明した[2]

そこで、「果実の味わいを忠実に再現」するのではなく、「果物を食べた時のおいしさやうれしさを体感」できるチューハイとして開発され、2025年に販売された[2]。2025年のラインナップは以下の3種[2]

  • レモン
  • シャインマスカット
  • 白桃

-196無糖[編集]

2024年に「-196℃ 瞬間凍結」シリーズをリニューアルした。

下記の「-196STRONG ZERO」とは異なるシリーズなのだが、アルコール度数4%の「-196無糖 ダブルレモン」が発売された際には、アルコール度数9%の「-196STRONG ZERO ダブルレモン」と同じシリーズと勘違いして、「アルコール度数4%のストゼロ」だの

まるで、「これはストゼロではありませんよ」と言わんばかりに…… — 千駄木雄大、あの「ストゼロ」がいつの間にか大変化していた リニューアルでビジュアル一新 度数4%も発売

と記事も書かれているが、別シリーズなのだから、当たり前である[4]

-196STRONG ZERO[編集]

2024年に「-196℃ ストロングゼロ」シリーズをリニューアルした。

旧シリーズ[編集]

-196℃[編集]

2005年、-196℃製法を用いた-196℃(マイナスひゃくきゅうじゅうろくど)を発売し、約7カ月で742万ケースを販売する人気商品となった[5]

-196℃ ゼロドライ[編集]

糖類をゼロとした製品。2008年発売。

-196℃ ゼロドライ〈無糖クリア〉[編集]

2011年4月5日発売。無糖、無香料により、味わいはクリアで甘くなく、果実のおいしさを引き立てるとしている[6]

-196℃ 極キレ[編集]

後味、キレに着目し、ウーロン茶ポリフェノールを加えた製品。食事の油分が口の中にとどまりにくく食事に合うとされる。2016年発売。

-196℃〈ザ・まるごと〉[編集]

2021年発売。

-196℃ ストロングゼロ[編集]

2008年秋のリーマン・ショックが起こり、日本経済はデフレ志向が強まった[7]。また、飲酒運転への厳罰化が進んだことで「外飲み」から「家飲み」への流れが加速した[7]。これに加え、特定健診・特定保健指導が始まり、メタボリック・シンドローム予防の機運が高まったことで、アルコール飲料にも「機能性」が求められるようになった[7]。こういった世情を受け、2009年2月に-196℃ ストロングゼロを発売開始する[7]

CMにはプロレスラー蝶野正洋を起用し、アルコール度数8%を強調するように「アイ、アム、ストローング!」と雄たけびを挙げさせた[8]。1本で十分酔えることと糖類ゼロであることから、主に30代・40代男性に高評価を得た[7]。発売2年目の売り上げは1億6000万本(350ml換算)で初年比55%増、3年目は前年比47%増の2億3500万本の大ヒットとなった[3]

当初は男性ニーズを想定していたのだが[9]、本製品の女性ファンも多く、2011年以降は女性ニーズに応えるよう果実感を打ち出し、CMに女優の天海祐希を起用した[8]

2018年3月現在5種類の製品がある。-196℃のウリである果実感とアルコール度数9%、糖類・プリン体0を両立したストロング系に分類される缶チューハイ。値段が安く酔いやすいという特徴から人気があり、Twitterなどインターネット上では「麻薬」「抗うつ剤」「虚無の酒」などとネタにされている。

一方、高いアルコール度数故にストロングゼロの飲み過ぎはアルコール依存症の一因になりやすい。くれぐれも過剰摂取には注意。もっともアルコール度数が高いといっても9%であり、ウイスキーやラム酒ジンなどと比べるとはるかに低い。

「飲食店向け」との謳い文句で希釈用も販売されている。絶対に希釈用を原液で飲んではいけない。なお、希釈用のアルコール度数は24度。炭酸も入っておらず、現液を飲んで美味いものでもないだろう。コリンズグラスやジョッキで一気にあおるのは、ウイスキーを同様に一気飲みするのと同じである。

-196℃ ストロングゼロ〈DRY〉[編集]

ビールとの合わせ飲み」という需要創出ことを目的として[8]、アルコール由来のエタノール臭を消すため、炭酸圧のバランスをビール並みに強めた製品[3]

2013年4月発売[9]

-196℃ ストロングゼロ〈瞬間〉[編集]

2019年発売。

CRAFT-196℃[編集]

コロナ禍による家飲み需要の増加や顧客ニーズの多様化に合わせて、2022年3月29日よりCRAFT-196℃を日本全国で販売開始した[10]

2024年3月、販売を終了した[1]

-196℃ 瞬間凍結[編集]

2023年5月30日に期間限定製品として-196℃ 瞬間凍結〈無糖シークヮーサー〉を販売。以降、2024年にかけて〈冷凍みかん〉、〈無糖ゆず〉、〈無糖グレープフルーツ〉、〈無糖アセロラ〉を期間限定で発売した。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 特許番号第4892348号「アルコール浸漬物またはそれを用いた食品もしくは飲料およびその製造方法」特許権者サントリーホールディング株式会社。

出典[編集]

  1. a b c d e 知られざるブランド「―196(イチキューロク)」がリニューアル!ついに完成した“何も諦めない無糖”の正体” (2024年3月26日). 2025年11月2日確認。
  2. a b c d e f 湯野康隆 (2025年7月22日). “サントリー、30代の気持ちに寄り添って開発した「-196」新商品”. グルメWatch. 2025年11月4日確認。
  3. a b c d 【開発物語】サントリー酒類「-196℃ ストロングゼロ〈DRY〉」”. Sankei Biz. p. 3 (2014年1月13日). 2018年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年11月2日確認。
  4. 千駄木雄大 (2024年10月23日). “あの「ストゼロ」がいつの間にか大変化していた リニューアルでビジュアル一新 度数4%も発売”. 東洋経済ONLINE. p. 2. 2025年11月4日確認。
  5. 山口佳奈 (2021年2月25日). “氷結にほろよい、ストロングゼロ 缶チューハイの歴史総まくり”. 日経XTREND. 2025年11月2日確認。
  6. このチューハイ、甘くみてもらっては困ります”. J-CASTトレンド (2011年3月8日). 2025年11月2日確認。
  7. a b c d e 【開発物語】サントリー酒類「-196℃ ストロングゼロ〈DRY〉」”. Sankei Biz. p. 2 (2014年1月13日). 2018年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年11月2日確認。
  8. a b c 【開発物語】サントリー酒類「-196℃ ストロングゼロ〈DRY〉」”. Sankei Biz. p. 7 (2014年1月13日). 2018年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年11月2日確認。
  9. a b 【開発物語】サントリー酒類「-196℃ ストロングゼロ〈DRY〉」”. Sankei Biz. p. 8 (2014年1月13日). 2018年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年11月2日確認。
  10. ナベコ (2022年4月15日). “サントリーの新チューハイ「CRAFT-196℃」の「果実以上に果実」ってどういうこと!?”. ASCII.jp. p. 1. 2025年11月2日確認。

外部リンク[編集]