エイケン (アニメ制作会社)
株式会社エイケンは、東京都荒川区に本社を置くアニメ制作会社。日本動画協会正会員。ADKエモーションズの子会社。
歴史[編集]
1952年に梁瀬次郎が日本テレビジョンを設立。芦田いわお監督のアニメーション『蜜蜂マーヤの冒険』(1954年)やテレビCMを制作。1963年に同社が映画部を設置し、村田英憲が部長に就任。同社初のテレビアニメシリーズ『仙人部落』(1963-1964年)、『鉄人28号』(1963-1966年)、『エイトマン』(1963-1964年)、同社初のカラーテレビアニメシリーズ『サスケ』(1968-1969年)などを制作。
1969年2月18日に日本テレビジョンがテイ・シー・ジェー(TCJ)に改称。同年3月10日[1]にTCJ映画部が独立し、TCJの全額出資による「株式会社ティー・シー・ジェー動画センター」(TCJ動画センター)を設立[2][3]。村田英憲が社長に就任。現在のエイケンの創業にあたる[3]。1968年から1973年にTCJでアニメーターの中村二三男の解雇撤回闘争が行われ、この際に日本映画テレビ産業労働組合(映産労)の組合員が東芝本社(『カムイ外伝』のスポンサー)とヤナセ(TCJの親会社)の梁瀬次郎社長宅を囲んでデモを行ったことが分離独立の原因だとされる[4]。
1969年より『サザエさん』の制作を開始。村田英憲が宣弘社を通じて東芝に企画を持ち込んだ[5]。梁瀬次郎が長谷川町子に頼んでアニメ化の許可を得た[6]。
1973年5月にTCJが株を全額譲渡し、TCJ動画センターは株式会社エイケンに改称した[2]。社名は創業者である村田英憲の愛称「エイケン」が由来[7]。梁瀬次郎によると、「急激に拡大した映画部に入社してきた青年の中には、多少革新的な考え方を有していた人もいて、運営上株式会社ヤナセに悪影響を与えかねない状況となったので」、別会社としてエイケンが発足した[6]。
2002年7月にアサツー ディ・ケイ(ADK)の子会社となった[8]。2019年1月にADKの企業再編に伴いADKエモーションズの子会社となった。
東映アニメーション、虫プロダクション、タツノコプロと並ぶ老舗のアニメ制作会社であるが、ほとんど分派が存在しない。スタジオが当初は東京都港区港南、後に荒川区南千住に移り、杉並区や練馬区に集積するアニメ制作会社との交流が行われなかったこと、長年にわたって『サザエさん』の制作を演出から撮影まで自社で手がけ、スタッフが他社の作品にあまり参加しなかったことが理由と考えられる[9]。1969年にTCJ動画センターが設立された際、TCJ映画部企画室長の高橋茂人が退社し、アニメの企画マネジメント会社「瑞鷹エンタープライズ」を設立しているが、同社の制作部門であるズイヨー映像のスタッフは東映動画の出身者が多く[10]、東映動画系のスタジオと見なされている[9]。
作品[編集]
看板アニメの『サザエさん』(1969年-)の他、『忍風カムイ外伝』(1969年)、『のらくろ』(1970-1971年)、『UFO戦士ダイアポロン』(1976年)、『キャプテン』(1980年)、『ガラスの仮面』(1984年)、『コボちゃん』(1992-1994年)、『クッキングパパ』(1992-1995年)、『ぼのぼの』(2016年-)などを制作している[11][12]。
『サザエさん』は2007年時点でセル画を使って制作される唯一のテレビアニメだった[13]。2005年からオープニングなど部分的にデジタル制作を始め、2013年9月29日放送分がセル画での最後の放送となった[14]。
公式サイトでは日本テレビジョン映画部、TCJ映画部時代に制作された『仙人部落』(1963-1964年)、『鉄人28号』(1963-1966年)、『エイトマン』(1963-1964年)、『未来からきた少年 スーパージェッター』(1965-1966年)、『宇宙少年ソラン』(1965-1967年)、『遊星少年パピイ』(1965-1966年)、『遊星仮面』(1966-1967年)、『冒険ガボテン島』(1967年)、『スカイヤーズ5』(1967年)、『サスケ』(1968-1969年)もエイケンの作品として紹介されている[15]。
出典[編集]
- ↑ 会社案内 株式会社エイケン オフィシャルサイト
- ↑ a b COMPANY TCJ - Television Corporation of Japan
- ↑ a b エイケンのあゆみ エイケン50周年記念特設ページ
- ↑ 久美薫「訳者解説(PDF)」、トム・シート著、久美薫訳『ミッキーマウスのストライキ!――アメリカアニメ労働運動100年史』合同出版、2014年
- ↑ 第7回 ラジオの時間・其之壱 宣弘社
- ↑ a b 梁瀬次郎『轍2――日本自動車界のあゆみとヤナセ 2版(PDF)』図書出版社、1988年、310頁
- ↑ 河村鳴紘「まもなく8000話の「サザエさん」 制作した老舗アニメ会社 半世紀超の歴史」Yahoo!ニュース、2022年3月18日
- ↑ 沿革 ADK
- ↑ a b 原口正宏「歴史編② アニメの3大源流とその系譜 ~東映・虫プロ・タツノコ〜(PDF)」文部科学省 平成24年度「成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」 アニメ・マンガ人材養成産官学連携事業/アニメ・マンガ人材養成産官学連携コンソーシアム/アニメ分野職域学習システム実証プロジェクト/カリキュラム検討委員会産業論部会、2013年3月
- ↑ 三好寛「「日本のアニメーション・スタジオ史」関連レポート 1970年代末から80年代初頭の状況」『公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団年報 2014-2015(PDF)』公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団編集・発行、2015年7月
- ↑ 「サザエさん」制作のエイケンが50周年記念展覧会を開催! 長谷川町子美術館にて4月20日より アニメ!アニメ!、2019年1月23日
- ↑ エイケン制作アニメーションの世界 国立新美術館
- ↑ 消えるTVアニメのセル画 残るは「サザエさん」だけ asahi.com、2007年8月29日
- ↑ 「サザエさん」デジタル化でございま~す サンスポ、2013年9月28日
- ↑ 作品紹介 株式会社エイケン オフィシャルサイト
関連文献[編集]
- 扶桑社編『アニメ「サザエさん」公式大図鑑 サザエでございま~す!』(扶桑社、2011年)
- 大橋義輝『『サザエさん』のないしょ話』(データハウス、2012年)
- 但馬オサム、鷺巣政安『アニメ・プロデューサー鷺巣政安――さぎすまさやす・元エイケン製作者』(ぶんか社、2016年)
- 扶桑社編『アニメ『サザエさん』放送50周年記念ブック サザエさんヒストリーブック1969-2019』(扶桑社、2019年)
外部リンク[編集]
- 株式会社エイケン オフィシャルサイト
- エイケン50周年記念特設ページ
- ㈱エイケン【公式】(@EK_eiken) - 𝕏(旧:Twitter)
- エイケン公式Youtubeチャンネル - YouTubeチャンネル