ひつじ探偵団

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やっぱりメイドが犯人よ

ひつじ探偵団
監督 カイル・バルダ
脚本 クレイグ・メイジン
原作 レオニー・スヴァン
製作 リンゼイ・ドラン
ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
製作総指揮 サラ=ジェーン・ライト
アメリア・グレンジャー
アディチャ・スード
タイソン・ヘッセ
フィル・ロード
クリストファー・ミラー
ティム・ウェルスプリング
出演者 ヒュー・ジャックマン
音楽 クリストフ・ベック
撮影 ジョージ・スティール
編集 ポール・マクリス
マーティン・ウォルシュ
アル・レヴィン
製作会社 ワーキング・タイトル・フィルムズ
配給 Amazon MGMスタジオ
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

ひつじ探偵団』(ひつじたんていだん、英語: The Sheep Detectivesドイツ語: Glennkill: Ein Schafskrimi)は、2026年制作のアメリカミステリーコメディ映画

ヒツジたちが自分たちの飼い主を殺した犯人を見つけ出すべく奮闘する姿を描く。レオニー・スヴァン原作の同名小説の映画化。

ミニオンズ』のカイル・バルダ監督、ヒュー・ジャックマン主演[1][2][3]。2026年5月8日、日米同時公開[2][4][5]

原作小説[編集]

ドイツのレオニー・スヴァン作で、2005年に『Glennkill: Ein Schafskrimi』のタイトルで刊行された。スヴァンのデビュー作となった。ドイツの週刊誌『デア・シュピーゲル』のベストセラーランキングには1年以上にわたって上位にランクインし続け、2006年にはドイツ語圏ミステリ作家のデビュー長編を対象とするフリードリヒ・グラウザー賞(ドイツ推理作家協会賞)の新人賞をスヴァンは受賞することになった。

英語版のタイトルは『Three Bags Full』で、これはマザーグースの「バー・バー・ブラック・シープ」の歌詞の一節に依る。日本語翻訳版は2007年早川書房より小津薫翻訳、野見山響子装画で『ひつじ探偵団』(ISBN 978-4152087898)の邦題で刊行されている。

映画公開に合わせて、2026年5月に早川書房より新装版(ISBN 978-4152105325)が刊行されている[6]。装画はそのままで、新版には♪akiraによる解説が追加されている[6]

小説版の舞台はアイルランドとなっている[6]。タイトルの「グレンキル」は舞台となるアイルランドの架空の村の名前。

2010年には続編小説『Garou: Ein Schaf-Thriller』がドイツで刊行されている。続編の舞台はフランスで、「Garou」はフランス語狼男を意味する「ルー・ガルー(フランス語: loup-garou)」から採られている。一部登場人物・登場羊が引き続き登場する。

羊を探偵役に据えたことについて、レオニー・スヴァンは以下の様に羊には捜査官として優れた特性をいくつも持っていることをインタビューで挙げている[7]

  • 羊は極めて目立たない存在であり、容疑者から数歩の距離まで草を食みながら近づくことができる。
  • 人間の誰も羊を疑わない。
  • 人間の鼻では嗅ぎ取れない多くの匂いを羊は嗅ぎ分けることができる。
  • 羊はチームワークにも優れている。
  • 好奇心が強く、あらゆる謎を揺るぎない決意と(ほとんど)偏見なく真相を解明しようとする強い意志を持つ。

あらすじ[編集]

※映画版のあらすじです。原作小説版とは舞台が異なっていたり、一部登場人物・登場羊の名前が異なっていたり、事件の真相が異なります。

羊飼いのジョージはイギリスののどかな田舎町・デンブルック(架空の町)から3kmほど離れた郊外に300エーカーの牧草地を持ち(ほかにも300エーカーをケイレブに賃貸中)、羊たちにそれぞれ名前を付け、夕暮れには自分の好きな推理小説(フーダニット、Who done it?、犯人当ての推理小説)を羊たちに読み聞かせていた。ジョージは知るよしもなかったが、実は羊たち、人間の言葉を理解し、犯人当てに興じていたのである。

夜に強い雨が降った翌朝、ジョージは寝起きしていたトレーラーハウスの傍らで死体となって発見される。

デンブルック唯一の警官ティムは「不運な事故」として早々に片付けようとしたが、ジョージが飼っている羊たちは殺人事件であることを見抜くと、リリーを中心に結束して捜査を開始する。

ジョージの弁護士リディアがジョージの娘・レベッカを伴ってデンブルックを訪れ、ジョージの遺言状公開を行う。ジョージは羊の薬の特許を農業法人に売却して3000万ドルを遺していた。その3000万ドルは動物愛護団体に寄付されることになっていたが、ジョージの死後に発見された新たなる遺言状では3000万ドルはレベッカに相続されることになっていた。盗み聞きしていたリリーたちは、遺産が殺人の動機だと確信する。

リリーたちのフォローもあって、ティムはレベッカを殺人犯人として拘留。これで事件は解決かと思われた。ジョージの羊たちは隣のケイレブが引き取ることになった。ケイレブの羊たちに挨拶しようとリリーとモップルが隣を訪れてみると、ケイレブの羊たちは「逃げろ」と警告してくる。ケイレブは肉屋のハムと組んで、羊肉をデンブルック名産品として出荷するという事業計画を企てていたのである。ケイレブの牧羊犬がリリーたちを襲うが、セバスチャンが身を賭してリリーたちを逃がした。

群れの羊たちに事情を話し、逃げようとしたが大部分の羊たちは牧草地から出ることも出来ず、3つ数えてセバスチャンの死と自分たちに訪れる死を「嫌な記憶」として忘れることを選択した。このままでは群の羊たちは全員が食肉になってしまう。自分は無力で無知な羊に過ぎないのかと自己を苛むリリーであったが、ジョージの遺体の手のひらが、片手は青く、片手は緑色に染まっていたことを思い出し、真犯人にたどりついた。

その情報をティムに伝えることにも成功し、ついには真犯人が逮捕される。レベッカはジョージの遺産として羊たちを相続し、ケイレブの羊たちも買い取ると、ジョージと同じように羊たちに本を読み聞かせるのだった。

「やっぱりメイドが犯人よ」 人間には羊の鳴き声にしか聞こえない。

キャスト[編集]

※括弧内は日本語吹替[8]

人間
ジョージ・ハーディー
演:ヒュー・ジャックマン山路和弘
羊飼いの男性。
ベジタリアンであり、羊肉も食べない。飼っている羊たちも肉食用ではなく羊毛が目的。
『ジョージ流 羊の育て方』といった著作も残している。
羊の病気「オルフ」[9]の治療薬(手が染まるほどの青色をした経口薬)を独自に開発しており、その特許を農業法人に売却したことで莫大な資産(口座に残っている金額で3000万ドル)を持っている。
ある朝、自宅としているトレーラーハウスのすぐ外で死んでいるのが発見される(後に死因はイチイの実の毒・タキシンによると判明)。以降は、羊たちの回想シーンなどで登場するのみ。
映画版では妻・リリーとは死別。原作小説では妻・ケイトは生存で肉屋のハムと不倫関係でどろどろとなっている。
原作小説では、羊を使った麻薬の運び屋をやっており、ベスに頼んでの半ば自死というのが真相であった。また、原作小説ではジョージ・グレンGeorge Glenn)の名前。
ティム・デリー巡査
演:ニコラス・ブラウン布施川一寛
デンブルック唯一の警察官。階級は巡査。祖父、父もデンブルックで警察官をしていたが、ティムの場合、警察の仕事としては木に登って降りれなくなった猫を降ろすといったようなことしか経験が無く、ジョージ含めて町の住人たちからも(優秀な警官だった祖父や父とは違って)ぼんくら警官とみなされている。実際、ジョージのトレーラーハウスの中を調べようともせず、エリオットに指摘されて調べ始めるのだが、トレーラーハウスのドアノブの指紋のを気にすることもなく触って開けようとしたり(これもエリオットに注意される)、トレーラーハウス内のデスクの上の新規遺言状に気付いたのも2回目の捜査のとき。トレーラーハウス内に使用されたグラスが2個あり、来客があったことには気付いたのやら、気付かなかったのやら。
殺人事件などは経験したこともなく、ジョージの死も「不運な事故(心臓発作)」として片づけようとしたが、エリオットの殺人説に乗って(自分のキャリアになるという理由もある)、「誰かにイチイの実の毒によって殺された」と考えを改める。
警察署の前に置かれていた(羊たちが置いて行ったジョージの)推理小説「踏切殺人事件」に書かれていた情報整理方法‐容疑者ごとに(殺害の)手段、動機、不在証明(アリバイ)をチェックし、レベッカの証言が嘘ばかり、ジョージの牧草地で見つけたレベッカのバングルが決め手(これも制帽を持って行った羊を追いかけて行った先で発見)となってレベッカを逮捕。レベッカを郡警察に引き渡す段になって、羊が残した手掛かりから真犯人に気付く。
事あるごとに視界に入り、時にはこちらに向かって鳴き声を挙げる羊がちょっと気にかかり。最後には羊が教えてくれたものだと悟る。
原作小説には登場しない。
エリオット・マシューズ
演:ニコラス・ガリツィン石川界人
デンブルック文化祭り(その実、宿屋の裏で村の名産品や関連物を並べたたけのもの。入場料設定あり)を取材するために訪れていた新聞記者。新聞社ではお悔やみ欄担当で、ジョージ殺人事件を記事にして事件記者になることを目論む。
ジョージの死亡事件を殺人事件だと断定し、ティムに協力を申し出て、いろいろとアドバイスする。ベスの簡易宿泊所に宿泊中。
原作小説には登場しない。
レベッカ・ハムステッド
演:モリー・ゴードンあんどうさくら
ジョージの娘。母親とは死別している。アメリカ在住。ジョージとは手紙のやりとりをしており、初めて対面するためにイギリスを訪れた。
ジョージの遺言状で、遺産の受取人として指名されている。
レベッカが訪れたことが無いと主張する牧草地にレベッカのバングルが落ちていたり、ジョージを毒殺したイチイの実が靴の裏についていたり、実はジョージが亡くなる直前にトレーラーハウスを訪れていたことを隠していたりと(羊やティムからみたら)怪しい点も多々ある。「レベッカ・ハムステッド」というのも偽名であり、本名は「チェステティ・クランプス(Chastity Cramps[10])」別れた元彼には前科もある。レベッカ本人としてはジョージと逢った後にジョージが殺されたわけで、正直に話しても容疑者になるだけだと考え、虚偽の証言を行った。
しかしながら、ジョージが読み聞かせていた殺人ミステリーでの伝統的な定型の1つである「本当の犯人に陥れられた人」だと羊たちは気付く。
真犯人の逮捕後、正式に「レベッカ・ハーディー」へ改名すると共にジョージの牧草地、納屋、トレーラー、羊の所有権を獲得し(3000万ドルは正規の遺言状の通りに動物愛護団体へ寄付)、リディアの協力もあり銀行から融資を受けてケイレブの羊たちも全て買い取って、羊たちを集めてはジョージの著作の読み聞かせを行う。
ピーター・ヴァン・ヴューレン
レベッカの双子の兄。南アフリカ在住で、リディアによるジョージの遺言状公開の場には、電話で参加。
遺言状ではケイレブに賃貸していた300エーカーの牧草地を遺されている。
リディア・ハーボトル
演:エマ・トンプソン幸田直子
弁護士。ジョージの遺言を携えてデンブルックを訪れる。ジョージが莫大な遺産を遺していることを聞いた羊たちは、それが犯行動機と考えた。
遺言状公開の場に、遺言状で指定されていたベス、ティム、ケイレブ、ハム、レベッカ、(電話参加の)ピーターを「ジョージとの間に未解決の問題を抱えている人たち」として集めた。遺言では、「まぬけ」「悪い羊飼い」「犠牲者」「殺し屋二人」「春の仔羊」「冬の仔羊」のあだ名を贈った。遺産の相続人としてジョージのトレーラーや牧草地はレベッカに遺し、ピーターにはエイレブに賃貸している牧草地を遺した。3000万ドルの入金された口座は動物愛護団体への寄付だったが、ジョージ死後にトレーラーハウス内のデスク上で発見された新たな遺書では口座の3000万ドルもレベッカに相続させることになっていた。
改名の手続きについては専門外とのこと。
原作小説には登場しない。
ベス・ペノック
演:ホン・チャウ水瀬郁
簡易宿泊施設(B&B)の女将。映画版では男やもめのジョージに片思いしている。
ジョージがレベッカに当てた封書を恋人宛の手紙だと勘違いして、郵便局員から盗んでいた。このレターセットはベスが選んでジョージが購入したもので、バラの香りづけがされている。
ジョージ自身は死別した妻・リリー(レベッカとピーターの実母でもある)を愛しており、「自分の入る余地は無かった」と最後にレベッカに語っている。
ケイレブ・メロウ
演:トシン・コール
羊飼い。牧草地はジョージの所有地で、そこを借りているが、契約更新は行わない旨を通告されて、もめてもいた。
ジョージの遺体の(人間の)第一発見者で通報も行っている。自分のことは「悪い羊飼い」だろうと推測していた。
ジョージの飼っていた羊たちの管理を引き継ごうとするが、目的は金のため(ハムと協力してデンブルックブランドの羊肉にして売りさばく)である。羊はフランス原産のもの。牧羊犬兼番犬としてジャーマン・シェパードドッグ2匹を飼っている。
ジョージと違って普通の畜産業者であり、フランス産の羊にはいちいち名前を付けたりはしない。羊たちにはカウベルを付けており、「オルフ」を患っている羊もいるようである。
原作小説ではガブリエルGabriel)の名前。
ハム・ギリヤード
演:コンリース・ヒルいずみ尚[11]
肉屋。ケイレブと組んでデンブルックブランドの羊肉を売り出す計画を企てている。自身のことは「殺し屋」だとうと推測していた。ジョージの件もあり、男性ベジタリアンには偏見がある。
遺言状に「座れ、ハム」などと記載されているくらいには、ジョージからその人となりを理解されていたようである。
ヒルコート牧師
演:コブナ・ホルドブルック=スミス
デンブルックの教会の牧師。「悪い羊飼い」とは自分のことだと考えている。イチイの木は教会の裏などに生えている。
妻と死別したジョージは、当時の状況では子育てが行えなかったことから教会を通じて双子を養子に出した。養子先は実親と言えども教えないのが規則となっているのだが、ジョージからの莫大な寄付金(教会の修繕費用)に目がくらんで2人の連絡先を調べて、教えてしまう。
ジョー
演:マンディープ・ディロン
女性の郵便配達人。ジョージがアメリカのレベッカ宛に出した封書を(規則違反だが)「きっとラブレター」とベスに見せてしまう(開封したわけではない)。
ジョージのことは「変わり者」と評している。
ドロテア
演技:ステラ・ストッカー
ロードサービスの女性。樹にぶつけたエリオットの車をレッカー移動する。妹といっしょに行ったデンブルック文化祭りで出品されてたチーズが美味かったことをエリオットに語る。
羊たち[12]
本作の羊たちは、人間の言葉を発することはできないが、人間の言葉は理解できている。しかしながら、人間の宗教観や感情については理解できていない。
ジョージが読み聞かせるミステリー小説の内容も理解しており、読み聞かせを中断すると文句を言う。さらには語られる物語内の展開や事件の内容について推理して語り合っている。もちろん、ジョージの知る由もないことである。
また、「羊はやがてになる(「羊が死ぬ」といった概念は持っていない)」「嫌なことは3つ数えると忘れられる」といった独特の信仰(?)も持っている。
リリー
声:ジュリア・ルイス=ドレイファス井上喜久子
ジョージは「群れで最もおりこうさん」と評している。
シェトランド・シープの雌。羊たちの捜査のリーダー役。推理小説の読み聞かせでも、いち早く真犯人を言い当てている。
ジョージの遺体の第一発見者(羊)。当初、「死はジョージの読み聞かせてくれる本の中のできごと」という認識から、ジョージが「動かないゲーム」をしているものだと思っていた。トレーラーハウス内に使用されたグラスが2個あったことから昨夜に来客があったこと、雨具が使用されていなかったことから、ジョージの死を殺人と推理した。
原作小説ではミス・メープルMiss Maple)。ジョージの朝食のメープルシロップを盗み食いしたことからの命名。アガサ・クリスティミス・マープルのパロディとなっている。アメリカ合衆国などではクリスティの「ミス・マープル」の著作権は2026年1月1日に切れてパブリックドメインになっているのだが、イギリスではアガサ・クリスティ財団が「ミス・マープル」の権利を保有し続けているため、著作権にまつわるトラブル回避のため名前を変更されたのではないかと推測されている[13]
セバスチャン
声:ブライアン・クランストン千葉繁
黒いアイスランド・シープ。群れの羊の中で最も身体が大きい。
羊たちの群れには加わらず、群れの羊たちからも厄介者扱いされている。偏見のない視点からレベッカが真犯人ではないと当初から意見していた。
実は冬生まれで、生まれた群れになじめなかったため「カーニバル」に引き取られた。幼いころは観客との触れ合い動物として、身体が大きく育ってからは犬との戦いの見世物として傷だらけになって暮らしていたところをジョージに買い取られた。この過去のため、人間の社会事情にも詳しい(それでも教会などについての理解は遠く、「神」とは「羊飼い」であり、「キングダム」というダムを作るビーバーのようなもので、「身体はパンで出来ていて、日曜に食われる」といったような認識)。また、ジョージへの恩を他の羊たちよりも重要に考えている。ジョージの死を辛すぎる記憶として3つ数えて忘れようとした群れに割り込んできて、忘却が正義ではないと諭す。
リリーとモップルを負うジャーマン・シェパード(ケイレブの飼い犬)から身を賭して2匹を救い、命を落とす。
原作小説ではオセロOthello)。
リッチフィールド卿(サー・リッチフィールド)
声:パトリック・スチュワート麦人
ボーレラー・ブラックフェース種。
老齢の羊。羊の群れのリーダーでもある。事あるごとに「殺人者め」と羊、人間を問わずに凄んでくる。
「オルフ」なる病気持ちで、ジョージ手製の青色の経口薬を食べさせられている。この「オルフ」、舌を出して病気であることが分かったり、他の羊が嫌がるような口臭を出すといった描写があり、実際のオルフウイルス感染を原因とする伝染性膿疱性皮膚炎とは症状が異なるようである。
モップル
声:クリス・オダウドチョー
メリノ種
ジョージは「群れで最も我慢強い」と評している。
抜群の記憶力を持つ。3つ数えて他の羊たちが忘れてしまったこと(自分の両親や友達の死、リリーの親の死など)も全て覚えているが、それを他の羊に語ることはない。
クラウド
声:レジーナ・ホール瀬名ゆりえ
チェビオット羊
自分が一番魅力のある羊だと思っている。ジョージは「女王様気質」と評している。
光り輝く物が大好きで、レベッカが落としたバングルを「終わりがなく、きらきらして綺麗」と隠し持っていた。
ゾラ
声:ベラ・ラムジー(松岡美里
デンマーク・ランドレース羊。
好奇心旺盛な仔羊で、「教えて教えて(I have a question.)」と様々なことを他の羊にたずねる。
セバスチャンが(雲にならずに)死んだこと、自分らも同様に死ぬことをリリーから伝えられた際には「そんなつらい考えは耐えられない」と3つ数えて忘れることを率先して主張した。
原語で使用されている「I have a question.」、特にアメリカでは、実は気軽な質問ではなく、議会で挙手して発言するとか、「重いテーマ」を持ち出す前の前置きとして使用される文である。
ウールアイ
声:リス・ダービー越後屋コースケ
リンカーン・ロングウール
毛が長く前髪で目が隠れているため、視野がよくない。その代わり、嗅覚は効くようで、「ジョージが死ぬ前の晩に読み聞かせてくれた推理小説の本(「踏切殺人事件」)」を探り当てた。
ロニー、レジー
声:ブレット・ゴールドスタイン(津田篤宏ダイアン[14]
ノーフォーク・ホーンの双子の羊。成羊で、頭突きが大好き。その頭突きは車のフロントガラスにヒビを入れるほど。これによって真犯人が車で逃亡するのを阻止した。
セバスチャンの死についてはゾラと同様に3つ数えて忘れたのだが、翌日になって「なんかもやもやする」と2人で牧草地を抜け出して町までやって来る。
1人2役の吹き替え経験は津田篤宏にとって初めてとなる。
???
声(橘杏咲
この冬に産まれたばかりの乳飲み仔羊で、ジョージの名付けが済んでいない。通常、羊の出産は春なのであるが、時期外れに生まれたこともあり、臆病になっていると共に、他の羊たちからは偏見の目を向けられている。
ジョージが亡くなった夜、ジョージの遺体の傍にジョージと似た匂いがする「ジョージの幽霊」がいたのを目撃したことを証言する(が、冬の羊ということで、リリーですら証言を重視しなかった)。また、ジョージが亡くなった夜にレベッカが訪問してきたこと、自分を撫でてその際にバングルが落ちたことも証言する。
リリーの指示で、レベッカが留置されている部屋に忍び込み、ジョージとレベッカともう1人が親子関係になること、黄色の塗料と青色の塗料を混ぜると緑色になることなどを図示したものを残す。その意図はティムに伝わった。
最後にリリーによって「ジョージ」と名付けられる。
オリバー、ピクルス、デイジー
声(上林未菜美柴尾瑞希坂井亜由美
春に生まれた元気で飛び跳ねる&いたずら好きの仔羊3匹。

スタッフ[編集]

製作のあれこれ[編集]

  • 背景に映り込んでいる数頭の羊を除き、羊は全てCGとなっている。あまりのリアルさに生成AIの使用を疑う向きもあるが、全てクリエイターの手によるものである。
    • リアルさを追求するため、羊たちが二本足で歩いたり、サムアップするようなことはない。話すときに完璧なリップシンクロで口を動かしているくらいである。
  • 羊と共に人間の演技を撮影する際には、パペッター(人形使い)が操作する精巧な羊のパペットが使われ、代役の俳優が背後に立って羊の台詞を読み上げている。これまで同様のスタイルの撮影ではテニスボールが相手だったり、緑色の十字マークを相手に撮影していたヒュー・ジャックマンは本作では自然な演技ができたことをインタビューで述べている。
  • ヒュー・ジャックマンは、映画出演を決める際には必ず脚本を最後まで読むことで知られるのだが、本作については脚本を25ページ読んだだけで、出演を承諾したことをYouTubeの映像で語っている。また、この時点では他に誰が出演するのかは、ジャックマンは知らなかった。
  • ヒュー・ジャックマンとエマ・トンプソンとはプライベートでも親交があり、共演したいことを語り合っていた。本作で初共演となったわけではあるが、共演を知って改めて脚本を読み返したジャックマンは一緒にいるシーンが一つもないことに気付き、がっかりしたとラジオ番組のインタビューで語っている。リハーサルで顔を合わせることはあったが、実際の撮影セットでは顔を合わせることなく撮影が完了している。
  • 映画の舞台となる「デンブルック」は架空の地名であり、実際の撮影はイギリスのバッキンガムシャーオックスフォードシャーサリーといった自然豊かな地域で行われた。
    • しかしながら、「イギリス」という国を特定できるような単語や要素は排されており、どこの国の人でも入り込みやすいコージー・ミステリーに仕上げている。例えば、警察官や郵便配達員の制服、パトカーなどのデザインはイギリスに実在するものではなく、様々な国の意匠を取り入れたデザインである。原語版の出演者はイギリス英語のアクセントで話している。
  • 主役は「羊」であるため、多くのシーンではカメラ目線が人間の目の高さではなく、人間の膝下あたり、すなわち「羊の視点」の構図となっている。通常の映画のセットでは壁や家具、天井などの作り込みが重視されるのだが、本作では、カメラに最も多く映り込む「床」、「カーペットの質感」、「足元のテクスチャー」を緻密に作り込んでいる。
  • プロデューサーのリンゼイ・ドーランは、かかりつけの医者から原作小説の話「⽺飼いが殺され、その事件を羊たちが解決する」を聞いた瞬間から、これが映画として最高のアイデアの1つと確信した[16]
  • リンゼイ・ドーランから企画を聞かされたクレイグ・メイジンは「やる」と即答。原作小説を読んでから返答しろということで、読んだがやはり「やる」と何度も⾔った[16]

評価[編集]

アメリカ
  • Rotten Tomatoesでの支持率は94%から96%という驚異的な高評価を記録している。この値はヒュー・ジャックマンが過去に主演した『LOGAN/ローガン』、『バッド・エデュケーション』を抜いており、本作を「ヒュー・ジャックマン史上最高評価の作品」になったと報道するメディアも出てきている。その後、94%くらいに下がる[16]
  • 観客の満⾜度を⽰すポップコーンメーターでは96%[16]
日本
  • 2026年5月11日に発表された5月8日から10日にける日本での映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)では6位であった[17]
  • 5⽉第2週のFilmarks映画初⽇満⾜度ランキングで1位[16]

脚注[編集]

  1. Hugh Jackman Unveils Sheep-Filled Footage for Detective Film 'Three Bags Full'”. The Hollywood Reporter (April 2, 2025). 3 April 2025時点のオリジナルよりアーカイブ。21 October 2025確認。
  2. a b “もふもふな“ひつじ”が事件を追う「ひつじ探偵団」公開、主演はヒュー・ジャックマン”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2026年3月10日. https://natalie.mu/eiga/news/663431 2026年4月16日閲覧。 
  3. “被害者はヒュー・ジャックマン 捜査するのは“ひつじ”たち?話題の「ひつじ探偵団」日本版予告が完成!”. 映画.com. (2026年3月24日. https://eiga.com/news/20260324/24/ 2026年4月16日閲覧。 
  4. Grobar, Matt (June 7, 2024). “Hugh Jackman, Emma Thompson, Nicholas Braun, Nicholas Galitzine & More To Star In Amazon MGM Comedy 'Three Bags Full: A Sheep Detective Movie'”. Deadline Hollywood. 11 June 2024時点のオリジナルよりアーカイブ。June 7, 2024確認。
  5. D'Alessandro, Anthony (May 2, 2025). “Hugh Jackman's 'Three Bags Full: A Sheep Detective Movie' Moves Baa To Pre-Thanksgiving 2026”. Deadline Hollywood. 5 May 2025時点のオリジナルよりアーカイブ。May 2, 2025確認。
  6. a b c 映画『ひつじ探偵団』原作小説の新版が本日発売。もふもふ可愛いひつじたちが、殺されたご主人の無念を晴らすべく、殺人事件の捜査に挑む。ヒュー・ジャックマン主演の映画は5月8日公開予定”. 電ファミニコゲーマー (2026年5月1日). 2026年5月6日確認。
  7. Exklusiv interview mit leonie Swann” (ドイツ語). büchermenschen (2026年4月21日). 2026年5月6日確認。
  8. ヒュー・ジャックマンの吹替に山路和弘『ひつじ探偵団』ひつじ役に井上喜久子、千葉繁、チョーなど豪華声優集結”. シネマトゥデイ (2026年4月17日). 2026年4月19日確認。
  9. オルフウイルス感染を原因とする伝染性膿疱性皮膚炎とは症状が異なるようである。
  10. 英語を直訳すると「貞操 痙攣」の意味。日本語吹き替え版では「舌を噛みそうな名前」とレベッカ本人が言っている。
  11. いずみ尚 (2026年5月1日). “▲ひつじ探偵団”. izmIzm!. 2026年5月9日確認。
  12. 『ひつじ探偵団』日本語吹替版声優に山路和弘さん、井上喜久子さん、千葉繁さん、チョーさん、麦人さん、石川界人さんらが決定!”. animate Times (2026年4月17日). 2026年5月6日確認。
  13. Public Domain Status Of Miss Marple Sparks Debate On Cross Border Copyright” (英語) (2026年2月17日). 2026年5月6日確認。
  14. ダイアン・津田篤宏「ひつじ探偵団」で吹替キャストとして初の一人二役に “ス~”ではなく“メェ~”と叫ぶ⁉ 山路和弘、井上喜久子が吹き替える本編映像も”. 映画.com (2026年4月23日). 2026年4月23日確認。
  15. a b c 望月ふみ (2026年5月8日). “かわいい、深い、泣ける。『ひつじ探偵団』は期待のはるか上を行く”. Yahoo!ニュース. 2026年5月15日確認。
  16. a b c d e J・M (2026年5月22日). “製作陣も心動かされまくり!『ひつじ探偵団』キーパーソンたちのメイキングインタビューが到着”. SCREEN ONLINE. 2026年5月23日確認。
  17. 映画興行成績:「プラダを着た悪魔2」が公開2週目で首位 「魔法科高校の劣等生」「ひつじ探偵団」など新作5本”. MANTAN WEB (2026年5月12日). 2026年5月13日確認。

外部リンク[編集]