MX Linux
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| 開発者 | MX Dev Team |
|---|---|
| OSの系統 | Unix系/GNU/Linux |
| 開発状況 | 活動中 |
| ソースモデル | 自由/オープンソースソフトウェア |
| 初版 | 2014年3月24日 |
| アップデート方式 | LTS |
| パッケージ管理 | apt/MXパッケージインストーラー他 |
| カーネル種別 | モノリシックカーネル(Linuxカーネル) |
| 既定のUI | Xfce,Fluxbox,KDE |
| ライセンス | GPL v3など[1] |
| ウェブサイト | https://mxlinux.org/ |
MX Linux(エムエックス リナックス)は、自由/オープンソースの中量級のGNU/Linuxディストリビューション。Debian安定版からフォークされた。
概要[編集]
- 初心者やWindows利用者であっても使いやすいディストリビューションには、何かの処理中に流れるシステムメッセージを隠す(或いは進捗状況表示バーで代用する)ものがいくつかある。それらと比べると、MX Linuxは起動時やアップデート適用中など幾つかの場面でシステムメッセージをそのまま表示するつくり。黒字に白文字の謎の暗号文が流れる画面はハッカー気分にさせてくれる。
- 「この意図的な表示こそがMX Linuxの特徴である」との意見も聞こえる。GNU/Linuxに限らず、IT技術者にとってシステムメッセージや動作ログは状況監視、不具合調査対応で非常に重要であり、下手に隠されるのは逆に困る。そのようなシステムメッセージを敢えて表示するつくりは「ほらお前も早くこの高みに来いよ」とユーザーの手を引っ張り上げている、のかも知れない。
- MX Linux自体は日常使用を支援する「MX Tools」(GUIで操作できるバックアップツール、アップデートツール、パッケージマネージャーなど)を筆頭に、ある程度GNU/Linuxに慣れてきた人が少し調べれば難なく使いこなせるようになるくらいには使いやすいディストリビューション。
- (ディープなGNU/Linux使いにとっては「systemdフリー」という特徴も重要かも知れない。後述)
使いやすさと軽さ[編集]
- 言わずと知れた、安定感抜群のDebianベース。独自開発の「MX Tools」により、それほどディープな知識がなくても利用できる。
- メインのデスクトップ環境はXfce(他にKDE、FluxboxエディションもあるけどメインはXfce)。GNOMEやCinnamonに比べ「中量級」。Ubuntuを動かすには重たいPCでも、MX Linuxであればワンチャンあるかも知れない。Xfceということで、Windowsの操作に似せているCinnamonなどに慣れている人は少々の慣れが必要。すぐ慣れるけど。
- FirefoxやらLibreOfficeなどド定番アプリも最初から入っており、すぐに日常使用に投入できる点は他のデスクトップ用途ディストリビューションと同様。「MXパッケージマネージャー」でお気に入りのアプリを入れるなり煮るなり焼くなり。
- GNU/LinuxディストリビューションランキングサイトDistroWatch[2]において高い人気を獲得。他を抑えてトップに君臨した時期もあったものの、さらに新しいディストリビューションの登場により少々順位を落としている。
その他[編集]
- かつて「MEPIS」というDebian派生ディストリが存在した(現在はMEPIS自体は開発終了)。そこから「antiX」が派生(antiXはまだまだ現役)、antiXは全部盛りフル、普通盛り通常、最低限構成の3エディションが存在する。これに、antiXコミュニティとかつてのMEPISコミュニティが協力して作り上げた4つ目のエディション「antiX MX」が加わった。antiX MXはやがてantiXとは独立して扱われるようになり「MX Linux」と呼ばれるようになった。
- 前述の通り世界的に人気があり、トラブル事例・対応方法などの情報も豊富。日本語の解説記事も見かける。ただし検索キーワード「MX Linux」ではお目当ての記事が引っかかりにくいかも知れない。「"MX Linux"とダブルクォーテーションで囲む」ということに気づくのに、本記事初版作成者は数ヶ月を要した(アホ)。
ちょっとディープな話(systemdフリー)[編集]
- 本節記述は、初心者〜中級者ユーザーが必ずしも詳しく知る必要はない。詳しく知らなくてもMX Linuxは普通に使える。「何かマニアが揉めてるんだな」くらいの理解で十分。
- 発祥元のRed Hat系や親であるDebianも含め多くのGNU/Linuxディストリビューションがシステムプログラム管理システム「systemd」を採用する中、MX Linux(および兄であるantiX)はある理念に基づいてsystemdより前の管理システム「SysVinit」をデフォルトの管理システムに据え続けてきている。
- なるべく端折って言うと、systemdはシステムプログラム管理システム以外の機能も実装し(その分複雑になっている)、そのことが「本来の役割とは無関係なところに余計な口を出している」と批判を浴びる要因になっている。ただし並列実行することにより効率よく稼働できる(=パフォーマンスが良い)などメリットも大きく、親であるDebianにおいても現在ではsystemdをデフォルトに据えている(過去、この決定に至るまでにDebianコミュニティ内でも血で血を洗う抗争が繰り広げられ、未だに尾を引いているとか)。
- 昔の事情を知らない若いGNU/Linux利用者が「systemctl start [DaemonName]」のコマンドが失敗して頭がkernel panicることもある。なおsystemdを完全に排除しているわけではなく(Linuxの世界であるものを完全排除なんて出来るわけない)、MX Linux 23までは次回起動時にSysVinitかsystemdどちらで起動するか選択できた。
- 上記、次回起動時にSysVinitかsystemdどちらで起動するか選択できる機能は、systemd固有機能をSysVinit環境上で再現するとあるプログラムが存在することによって成り立っていた。しかしながら2025年秋リリースのMX Linux 25において、親であるDebian 13が採用するLinuxカーネルでは当該プログラムがうまく動作しなくなってしまい、切り替え機能の実現が不可能になってしまった。
- MX Linuxチームは苦渋の選択として、インストールISOをSysVinit版とsystemd版に分けることを決断。ユーザーは今後、OSインストール後に自由に切り替えるのではなくインストール前にどちらを採用するか選択する必要あり。MX Linuxのもう一つの特徴として「systemdフリー(systemdを使っていない)のディストリビューションである」というものがあった(そしてsystemdアンチがMX Linuxを支持する理由のひとつになっていた)のだが、MX Linux 25以降はその特徴が揺らぎつつある、のかも知れない…。
参考文献[編集]
- “【考察】MX Linux が世界中の Linux ファンから注目される理由とは? – PC-FREEDOM”. 2024年2月15日確認。
- “Changes coming with MX 25 – MX Linux”. 2025年11月29日確認。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- : MX Linux – Midweight Simple Stable Desktop OS - MX Linux公式サイト(英語)
- : DistroWatch.com: Put the fun back into computing. Use Linux, BSD. - Linuxディストリビューション情報サイト(英語)