Avlo

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Avlo(Alta Velocidad Low Cost、(ローコスト高速列車))とはスペインレンフェが運行する低価格高速列車サービスである。フランス国鉄が運用するウイゴから借用したこのコンセプトは、2021年6月よりマドリード-バルセロナ間の路線で導入された。

導入背景[編集]

スペインの高速列車の利用者を増やすために、レンフェはフランス国鉄のウイゴブランドをモデルにした低価格ブランドの導入を計画していた。2020年からのスペインの長距離鉄道市場の自由化を受けて他の鉄道会社との競争が発表されたことで、この計画は勢いを増した。バルセロナ市長アダ・コラウが、マドリード-バルセロナ間の航空便の廃止を提案したことでスペイン政界でもこの計画が後押しされた。2019年にレンフェはAvloブランドでの運行を開始すると発表した。当初は、マドリード=バルセロナ高速線を経て、マドリード・アトチャ駅バルセロナ・サンツ駅を結び、途中サラゴサ・デリシアス駅に停車し、1日2往復運行する予定だった。

レンフェは2020年1月にAvloの切符の販売を開始した。しかし、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの拡大で鉄道利用者減少に伴い、Avloの運行開始を2020年3月に延期した。この時点で146,000枚もの切符が販売されていた。2021年1月に同年6月の運行開始が正式発表された。2021年6月26日に運行が開始され、1日4往復の列車が運行された。座席数は438席の改造車量が使用される。マドリード=レバンテ高速線のマドリード-バレンシア間の最初のAvloは2022年2月21日に運行開始した。使用車両には350席ある。

2024年にはレンフェは以下の路線でAvloを運行した。

  • マドリード-バルセロナ(直行)
  • マドリード-サラゴサ-バルセロナ間
  • マドリード-フィゲラス間
  • マドリード-バレンシア間
  • マドリード-クエンカ間(無停車型)
  • マドリード-クエンカ間(停車型)
  • マドリード-バリャドリード間
  • バリャドリード-アリカンテ間

コンセプト[編集]

航空業界のLCCを運行する格安航空会社や格安列車サービスのウイゴIZYと同様に、レンフェはAvloブランドを最小限の運行コストで設計された。これはいわゆる「No frills」モデルである。改造されたレンフェ112系電車は座席クラスが1つしかなく、食堂車もない。将来的にはレンフェ106系電車も投入される予定である。

マドリード-バルセロナ間とマドリード-バレンシア間の基本料金は14歳以上の乗客は7ユーロ(約1200円)、14歳未満の同伴者は5ユーロ(約900円)である。座席指定、キャンセル、手荷物2個以上持ち、小型スーツケースの持ち込み、Wi-Fi利用には追加料金が発生する。

競合[編集]

2021年5月にスペインで運行開始したウイゴに加えて、ILSA社もスペインで高速列車を運行する許可を得た。同社は2022年後半にイリョブランドで旅客列車の運行を開始した。この事業者は定格を売りに市場参入をしたが、イリョはウイゴやAvloのような割引コンセプトではなく、低価格プレミアムサービスである。

関連項目[編集]