銀河鉄道の夜 (アニメ)

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銀河鉄道の夜』(ぎんがてつどうのよる)は、宮沢賢治同名の童話を原作とする1985年公開のアニメーション映画。劇中で表示されるタイトルや当時の関連出版物の表記は『宮澤賢治 銀河鉄道の夜』[1]

概要[編集]

1985年7月13日公開。監督は杉井ギサブロー。製作は朝日新聞社テレビ朝日日本ヘラルド映画グループ。配給は日本ヘラルド映画。アニメーション制作はグループ・タック。杉井監督はアニメを離れて旅に出ていた時にグループ・タックの田代敦巳から宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の監督を依頼された[2]。一度は断ったが、約2年後に田代から登場人物を全てとしたますむらひろしの漫画『銀河鉄道の夜』(朝日ソノラマ、1983年)を見せられ、これならできると監督を引き受けた[2]。製作期間は1年半[3]

ますむらの漫画を原案にしており、登場人物は猫に置き換えられている[1]。ただし後半に登場するタイタニック号の乗客の青年と幼い姉弟は人間のキャラクターにしている。漫画では猫のキャラクターである[4]。青年のデザインはますむらの漫画『アタゴオル物語』のテンプラをアレンジしたものである[1]。青年と姉弟が高橋陽一の『キャプテン翼』やあだち充の『タッチ』のキャラクターとどことなく似ているのは[1][4]、同時期に杉井監督が『タッチ』のアニメも手掛けていたからだとされる[4]。なお偶然にも音楽を担当した細野晴臣の祖父・正文はタイタニック号の日本人唯一の乗客だった[4]。エンドロールの常田富士男による朗読は、宮沢賢治の詩集『春と修羅』の序である[3]

淀川長治から「このアニメを見るなり書きたいと自分から名のり出た。自分から原稿を書きたいと雑誌社にたのんだのはヴィスコンティの「家族の肖像」(一九七五)とこれだけである」[5]佐藤忠男から「いまやアニメの世界も大きくなり、それなりに成長し、既成の考え方の枠から大きくはみ出さずにはおれなくなった。それが自らあふれ出るように現れたのがこの映画である」と絶賛された[6]。読者選出の『キネマ旬報』ベストテンで第7位に選ばれた[3]。第40回毎日映画コンクール大藤信郎賞受賞。

杉井監督は2012年に宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』を劇場アニメ化している。

メインスタッフ[編集]

メインキャスト[編集]

関連文献[編集]

  • 別役実杉井ギサブロー『アニメーション 宮沢賢治 銀河鉄道の夜――演出台本&絵コンテ集』(朝日ソノラマ[宇宙船文庫]、1985年)
    • 『アニメーション「宮沢賢治銀河鉄道の夜」設定資料集』(復刊ドットコム、2018年)
  • ますむらひろし『イーハトーブ乱入記――僕の宮沢賢治体験』(筑摩書房[ちくま新書]、1998年)
  • 杉井ギサブロー『アニメと生命と放浪と――「アトム」「タッチ」「銀河鉄道の夜」を流れる表現の系譜』(ワニ・プラス[ワニブックス「Plus」新書]、発売:ワニブックス、2012年)

出典[編集]

  1. a b c d 小黒祐一郎「アニメ様365日 第238回 『宮澤賢治 銀河鉄道の夜』」WEBアニメスタイル、2009年10月28日
  2. a b 取材・文:半澤則吉、撮影:松蔭浩之「宮沢賢治の代表作を芸術アニメに昇華、杉井ギサブロー『銀河鉄道の夜』」『昭和50年男』2023年9月号 Vol.024
  3. a b c 銀河鉄道の夜 国立映画アーカイブ
  4. a b c d 長野辰次「アニメ『銀河鉄道の夜』、タイタニック号に触発された名作が引き寄せた、意外な「人物」とは?」マグミクス、2020年4月14日
  5. 淀川長治「特別寄稿 銀河鉄道の夜 えらいことをやりとげた 「銀河鉄道の夜」」『キネマ旬報』1985年7月下旬号
  6. ヘラルド・エース編集『銀河鉄道の夜 パンフレット』東宝出版・商品販促室、1985年

関連項目[編集]

外部リンク[編集]