グループ・タック

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株式会社グループ・タックは、東京都渋谷区に本社を置いていたアニメ制作会社

1968年3月[1][2]虫プロダクションの音響監督だった田代敦巳が部下の明田川進、虫プロ出身の杉井ギサブローらを誘って設立した[3]。虫プロ作品の音楽を手掛けた作曲家の冨田勲も協力した[4]。明田川は社名の由来について「田代氏と作曲家の冨田勲さんのT、明田川のA、カンパニーのCで「タック」という意味づけもあったと思いますが、どちらかというと周りがそう言っていて、僕らはそれを否定しなかったというだけのことです(笑)。ハッキリした由来はなくて、「タックっていい名前だよね」という語呂のよさで決まったと記憶しています。当時、社名に「グループ」とつけるのは普通じゃない感じがあって面白いという話もして、「グループ・タック」となりました」と述べている[5]。『日本アニメーション映画史』(有文社、1978年)によると、「フジTV出身の中田実紀雄をプロデューサーとして、元虫プロスタッフの杉井ギサブロー、脚本家平見修二、虫プロの音響監督田代敦巳ら」が集まって創設した[6]

当初は虫プロや東京ムービーなど他社制作作品の音響制作が中心だった[3][7]。1973年に倒産した虫プロの負債の一部を負い[4]西崎義展に買いとられそうになったが[8]、経理が銀行とかけあい、買収されず解散もせずに活動を継続することができた[4]。1974年に自主企画作品として初の長編映画『ジャックと豆の木』を制作した[7][9]。1975年に初の元請け作品として『まんが日本昔ばなし』の制作を開始した[9]。主な作品にテレビアニメ『まんが日本昔ばなし』(1975-1994年)、『ふしぎの海のナディア』(1990-1991年)、『タッチ』(1985-1987年)[2]、『飛べ!イサミ』(1995-1996年)[3]、『はれときどきぶた』(1997-1998年)、劇場アニメ『象のいない動物園』(1982年)、『銀河鉄道の夜』(1985年)、『タッチ』3部作(1986-1987年)、『あらしのよるに』(2005年)などがある[2]

『あらしのよるに』は2007年に第30回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞と東京国際アニメフェア2007東京アニメアワード劇場部門優秀作品賞を受賞し[2]、2007年8月期には年収入高約15億300万円を計上していた[1]。その後はテレビアニメ『はなかっぱ』(2010年-)や幸福の科学の映画『仏陀再誕』(2009年)などの制作、他社作品の制作協力などを手掛けた[2]。少子化などの影響でテレビアニメに対するスポンサーの撤退が相次ぎ受注が減少し[1][10]、2009年8月期の年収入高は約5億9600万円に落ち込んだ[1]。2010年7月に代表の田代が死去したことから事業継続を断念[1]。2010年8月31日に役員が東京地裁に準自己破産を申請し、9月1日に破産手続開始決定を受けた[1][2]。負債は債権者約167名に対し約6億5000万円[1]。「40年以上の実績を持つ元請け会社が歴史に幕を下ろすのは初めて」とされる[11]。破産時に制作中だった『はなかっぱ』はオー・エル・エムジーベック、『グスコーブドリの伝記』は手塚プロダクションに引き継がれた。

出典[編集]

  1. a b c d e f g 株式会社グループ・タック 帝国データバンク、2010年9月3日
  2. a b c d e f (株)グループ・タック|東京都渋谷区 東京経済ニュース、2010年9月6日
  3. a b c 「まんが日本昔ばなし」制作会社の「グループ・タック」が準自己破産 GIGAZINE、2010年9月03日
  4. a b c 【明田川進の「音物語」】第8回 「星のオルフェウス」制作秘話と、ロスで手塚先生のお手伝いをした話 アニメハック、2018年7月11日
  5. 【明田川進の「音物語」】第17回 田代敦巳氏の思い出(前編)グループ・タックの名前の由来 アニメハック、2018年11月28日
  6. 山口且訓、渡辺泰著、プラネット編『日本アニメーション映画史』有文社、1978年、182頁
  7. a b 【明田川進の「音物語」】第18回 田代敦巳氏の思い出(後編)後ろから「余裕だね」と声がして アニメハック、2018年12月1日
  8. 【明田川進の「音物語」】第83回 杉井ギサブロー監督との対談(前編) 虫プロの青春、趣味人だった田代敦巳氏 アニメハック、2025年1月11日
  9. a b 杉井ギサブロー『アニメと生命と放浪と――「アトム」「タッチ」「銀河鉄道の夜」を流れる表現の系譜』ワニ・プラス[ワニブックス「Plus」新書]、発売:ワニブックス、2012年、235-236頁
  10. アニメ制作のグループ・タック、準自己破産申請 日本経済新聞、2010年9月3日
  11. TVアニメ50年史のための情報整理第48回 2010年(平成22年)『ハートキャッチプリキュア!』のヒットとグループ・タックの倒産 WEBアニメスタイル、2013年7月12日

関連文献[編集]

  • シネマノヴェチェント編集『グループ・タックのきらめき――『まんが日本昔ばなし』『銀河鉄道の夜』を生んだアニメ制作会社の軌跡』(シネマノヴェチェント、2016年)
  • 明田川進『音響監督の仕事』(星海社新書、2025年)