記号の濫用

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数学等の形式科学に於ける記号の濫用とは合理化や理解のしやすさを追及した結果誕生した数学記号の使い方である。簡便な反面慎重に利用しないと誤解や厳密性の欠如を惹起する危険性がある。

概要[編集]

最もよく知られた例は以下のライプニッツ記号を用いた合成関数の微分法の表示であろう。;

これは「合成関数の微分があたかも分数式の約分のように表わせる」といった点で理解・記憶がしやすい便利な表現であると言える。

しかし厳密にはこれに先立って無限小量(dxやdy)が通常の数が如く扱える事をきちんと証明せねばならず、それをやらずしてこの論法を使用する事は少なくとも数学的に見れば不合理な主張である。

この記法を厳密に証明するにはアメリカ数学者アブラハム・ロビンソンが創始した超準解析と呼ばれる難解な理論を習得せねばならず我々素人が一朝一夕に理解できるよーな代物ではない。

その他の例[編集]

線形代数ベクトル積の概念は成分の表示が複雑であり覚えるんがなかなか大変なので有名であるが、以下のよーに行列式みたいな表現で表わすと見た目がシンプルになり記憶しやすくなる。;

しかしこの例も利用に関しては慎重を期さねばならない。

そもそも上記の行列式もどきの行部分(太字のi,j,k)はただの数ではなく

とゆー3次ベクトル(標準基底)だからこれらを行列や行列式の成分に使う事はできない。上述の等式はあくまでも形式的な表現に過ぎないとゆー事を肝に銘じておくべきである。

他にベクトル解析の公式

などもの部分が厳密な意味での内積ではないんで取り扱い注意な代物である[1]

脚注[編集]

  1. この場合内積が満たすべき交換律が成り立たない。