行列値関数

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行列値関数とは行列を変数に持つ特殊関数の総称である。

概要[編集]

n次正方行列Aと複素数上の関数fに対して、

f(z)=n=0cnzn

ならば、

f(A)=n=0cnAn

と定義するのが自然である。ただし、A0=E(Eは単位行列)。 なお、一般に行列のn乗を計算するには対角化などがいる。
fがテイラー展開などのベキ級数表示を持たない場合は、別の方策が必要である。

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行列指数関数[編集]

eA=n=01n!An

n次正方行列X,Y、複素数a,b、n次の単位行列と零行列E,Oに対して以下の性質をもつ。

また、行列微分方程式の解に出現する。

ddxy(x)=Ay(x),y(0)=y0

の解は、

y(x)=eAty0

行列の三角関数[編集]

cos(A)=n=0(1)n(2n)!A2n
sin(A)=n=0(1)n(2n+1)!A2n+1

行列の対数関数[編集]

行列指数関数の逆関数的に定義される。つまり、

B=log(A)(A=eB=n=01n!Bn)

与えられた行列が対数を持つための必要十分条件は、それが正則行列であること。
複素数の場合と同様に、行列の対数はしばしば一意ではない。

行列の平方根[編集]

行列のの逆関数的に定義される。つまり、 行列の積に関してB2Aに等しいときに、BをAの行列の平方根という。
行列の対数関数と同様に、行列の平方根はしばしば一意ではない。