発達障害
(神経発達症から転送)
		
		
		
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		発達障害(はったつしょうがい,英:Developmental Disorder )とは、小児期に発症し、神経発達が原因とされる慢性的な精神障害の総称である。数の上では注意欠陥・多動性障害(AD(H)D)が最も多く、自閉症スペクトラム障害(ASD)がこれに次ぎ、学習障害(LD)なども分類される。
概要[編集]
- 発達障害には、ADHD、ASD、LDが含まれるほか、他の精神疾患が含まれる場合もある。
- 症状は疾患によって異なる。ASDでは、"限定的な興味、反復的な行動または活動の様式"と"コミュニケーションと社会的相互作用の障害"、ADHDでは、"低い注意・集中力"、"過活動・衝動性"が主な症状である。[注 1]
- チック症や吃音が併発することもある。[注 2]発達障害は外見からはわからないため、大人になってから判明することもある。
- 知的障害とは異なり、知的障害は、IQが70より低いことである。
- 日本国の行政上の定義では、発達障害者支援法が定める「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」となる。[1]
- 「生涯にわたって持続する」といわれることもあるが、疾患によっては完全寛解する場合もあり、[注 3]不正確である。
歴史[編集]
- 日本で発達障害の存在が知らされたのは、司馬理英子の『のび太・ジャイアン症候群』が嚆矢だと言われている。その後、国外の書籍を翻訳した『片づけられない女たち』が売れて、「生きづらさの正体は発達障害かもしれない」と思うような男女が増えた。
- ちょうどインターネットが普及する黎明期と重なったため、ネットのあちこちに発達障害を取り上げたサイトが出始める。有名な所では『アスペルガーの館』。大人のADHDを取り上げた『大人のADHDの会(SOAA)』である。その後SOAAから分離した発達障害者たちが2ちゃんねる経由で『夜明け』を立ち上げている。
- 同時期にアスペルガー症候群をかかえた翻訳者ニキ・リンコがマスコミに登場するようになった。
定型発達者との違い[編集]
Xのポスト[2]によると定型発達者は人によって態度を変えるらしく、全ての人に平等に対応する人が多い発達障害者との差異が伺われる。しかし、人によって態度を変える発達障害者も多くいる。
種別[編集]
学術的定義としては、ICD-10のF80-F89orF80-F98あるいはDSM-5の神経発達症群のことを指す。 日本国の行政上の定義は以下のものが含まれる。[3]
- 自閉症スペクトラム障害(ASD,広汎性発達障害)
- 学習障害(LD)
- 注意欠陥・多動性障害(ADHD)
- 発達性協調運動障害(DCD)
- チック症・トゥレット症候群
- 吃音症
- 場面緘黙症
原因[編集]
一般的に先天性とされるが、後天的要因も関わっていることがある。[4]遺伝率が高く、遺伝率は、自閉スペクトラム症は約90%[5]、ADHDは約76%[6]である。
治療[編集]
- 当然ながら障害によって異なる。
- 対症療法が基本となる。脳内物質のバランスを調整し、行動をコントロールする目的で行われる薬物療法のほか、心理療法については、物事の捉え方を自由にしたり、適切な行動をできるように学習させる認知行動療法(CBT)や社会技能の向上を行うソーシャルスキルトレーニングも行われる。
- また、理解が得られやすい環境にするなど患者を取り巻く環境を整えることも寛解に近づく手段となりうる。
- 応用行動分析というものもあるが、ニューロダイバーシティ運動から有害なものであると批判されている。[7]また、PTSDのリスクが増加させるという指摘が多くの研究者からある。[7]
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ しかし、過活動・衝動性は、成人になる前に寛解している場合が多い(出典:jawp:注意欠如多動症#有病率)
- ↑ しかし、これらは日本国の行政上の定義では発達障害に含まれる。詳しくは#種別を参照。
- ↑ 例えば、ADHDでは最大で9割が成人まで症状が持続するとされているが、(注意欠陥・多動性障害#概要を参照。)これは、少なくとも1割は完全寛解していることを意味する。
出典[編集]
- ↑ “発達障害者支援法”. e-Gov法令検索.
- ↑ “roudou_enjoyのポスト - Twitter”. 2024年7月31日確認。(リンク切れ)
- ↑ “各障害の定義”. 国立障害者リハビリテーションセンター.
- ↑ 注意欠陥・多動性障害#環境的要因
- ↑ Advances in Autism. .
- ↑ “Meta-analysis of genome-wide association studies of attention deficit/hyperactivity disorder”. J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. . .
- ↑ a b “Applied_behavior_analysis#Criticisms”. ウィキペディア英語版.
