皇室用客車

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皇室用客車(こうしつようきゃくしゃ)とは、日本皇族が利用する皇室専用の鉄道車両(客車)である。天皇皇后上皇上皇后太皇太后皇太后が乗車するお召し列車の他、天皇以外の皇族が乗車する御乗用列車に使用される。

概要[編集]

皇室用客車には以下の4種類がある。

  • 御料車 - 皇族が乗車する車両
  • 供奉車 - 随伴員が乗車する車両
  • 霊柩車 - 天皇、皇后の霊柩を輸送する車両
  • 賢所乗御車 - 御神体である賢所を輸送する車両

お召し列車として運行される際には入念に事前整備を行う。お召し列車・御乗用列車としての運行時は供奉車と御料車で編成を組成する。

御料車[編集]

歴代の皇族が乗車する車両。その時代における最高の車両製造技術と工芸美術の粋を結集して製造され、工芸品としても貴重な存在となっている。

2025年現在、御料車は1号(3代目)、2号(2代目)、3号(3代目)、14号が東日本旅客鉄道(JR東日本)に在籍しているが、いずれも使用されていない。

供奉車[編集]

宮内庁関係者や警備関係者、鉄道職員などの随伴員が乗車する車両。一般の客車と構造的には大差がない。

2025年現在、JR東日本に460号・340号・330号・461号の4両が在籍しているが使用されていない。

霊柩車[編集]

皇室用の霊柩車は3両が在籍していたことが記録されている。英照皇太后明治天皇及び大正天皇大喪の礼に際してそれぞれ新製された。

霊柩車としての運用終了後は一般車両に改造されている。

賢所乗御車[編集]

詳細は「賢所乗御車」を参照

大正天皇の御大礼に際して賢所の輸送用に製造された。後に昭和天皇の御大礼に際しても使用されているが、使用されたのはわずか4回だけである。JR東日本が2025年現在も保管しているようである。

1号編成[編集]

1960年(昭和35年)から3代目1号御料車と460号・340号・330号・461号供奉車の5両で組成される1号編成が長らくお召し列車として運用されていた。

3代目1号御料車は当時最新鋭の客車であった20系をベースに、構体の厚み増し、窓ガラスの防弾ガラス化など保安面での変更を行ったもので20系同様の集中電源方式を採用している。
供奉車の460号・340号・330号・461号は1931年(昭和6年)から翌年にかけて製造されたものを改装した車両で、460号はディーゼル発電機を搭載して各車両に電力を供給している。

国鉄時代はこの1号編成が全国各地へと出張して運行された。1979年(昭和54年)の岡多線での運行時には回送列車ながら、最初で最後となる本線上での1号編成の推進運転が行われた。

関連項目[編集]