池尻成二
| 池尻 成二 いけじり せいじ | |
|---|---|
| ファイル:Seiji Ikejiri.jpg | |
| 生年月日 | 1955年5月19日(71歳) |
| 出生地 | 福岡県福岡市 |
| 出身校 | 九州大学医学部中退 |
| 所属政党 | 無所属 |
| 公式サイト | 池尻成二 公式サイト |
練馬区議会議員 | |
| 選挙区 | 練馬区 |
| 当選回数 | 6回 |
池尻 成二(いけじり せいじ、1955年5月19日 - )は、日本の政治家。東京都練馬区議会議員(6期)。会派は「つながる市民・練馬」[1]。市民活動を土台に政治に携わる[2]。
福岡市生まれ。九州大学医学部中退。大学在学中から医療被害、薬害、精神医療などに関する市民活動に参加した[2]。議員への初当選以前から医療・介護、社会保障などに関する活動や執筆を行い、2005年には介護保険制度の見直しを審議していた衆議院厚生労働委員会に参考人として出席した[3]。
来歴[編集]
1955年5月19日、福岡市生まれ。祖父、父、伯父が医者をしていて「なんとなく」九州大学医学部を受験合格して1974年に入学し、教養部の2年間は学生らしく勉強したが、3年生からは医学部の授業より自治会活動に熱を入れ、留年を続けたあげく6年間いた医学部を退学した[2]。自治会活動なかで当時も続いていた公害問題の現場に自主検診運動の一環として関わったことが、池尻自身の価値観・人間観・世界観転換の契機となり、市民運動の原点となった[2]。1980年代後半に練馬区で暮らすようになり、精神障害者の地域生活を支える住民活動などに関わった[2]。
1991年に練馬区議会議員選挙へ初めて立候補し、2003年、4度目の立候補で初当選した[2]。2014年4月20日執行の練馬区長選挙に無所属で立候補し、28,372票を獲得したが落選した[4]。2021年7月4日執行の2021年東京都議会議員選挙では、練馬区選挙区から無所属で立候補し、19,695票を獲得した。定数7に対する得票順位は8位で、次点だった[5][6]。2023年4月23日執行の練馬区議会議員選挙では「つながる市民・練馬」から立候補し、6,522票を獲得して5位で当選した[7][8]。2026年現在、練馬区議会議員を6期務めている[1]。
政策・社会活動[編集]
医療・介護・社会保障[編集]
池尻は区議会議員への初当選以前から、医療・介護および社会保障に関する執筆や講演などの活動を行っていた。1997年には『労働の科学』52巻11号の「高齢社会での介護システム」特集に「色あせる『介護』の理念」を発表した[9]。同論考における池尻の言う介護の基本理念は、2000年に田園調布学園大学刊『人間福祉研究』第3号掲載の柴原君江「介護と看護の概念をめぐる動向」で関連論文の一つとしてその見解が紹介された[10]。1999年には、国際保健協力市民の会(シェア)の月例会「動き出す介護保険―介護サービスの主役になるためには」で講師を務めた[11]。
2005年4月12日、介護保険法等の一部を改正する法律案を審議していた衆議院厚生労働委員会に参考人として出席した。当時の肩書は労働者住民医療機関連絡会議介護保障担当幹事だった[3]。参考人質疑では、介護保険制度の見直しに伴う施設入所者などの負担増について意見を述べた[3][12]。2009年には、全国保険医団体連合会が公表した医療政策に関する資料で、東京都練馬区の後期高齢者医療保険料に関する資料の出典として「池尻成二の区政データボックス」が引用された[13]。
練馬光が丘病院問題[編集]
日本大学医学部付属練馬光が丘病院の撤退と後継病院への移行が問題(日本大学医学部付属練馬光が丘病院閉院問題)となった際には、練馬区議会で契約関係や後継病院への移行などを取り上げた。2012年3月14日に開かれた練馬区議会医療・高齢者等特別委員会では、日本大学との契約解除の根拠について区側を質した[14]。
図書館・個人情報保護[編集]
池尻は、練馬区立図書館における防犯カメラ映像の外部提供と図書館利用者のプライバシー保護について調査を行った。日本図書館協会の「図書館の自由に関する調査委員会」によると、練馬区立石神井図書館で2018年4月、窓口業務の委託事業者が防犯カメラ映像を警察に提供していたことが判明し、池尻はこの問題を練馬区議会で取り上げた[15]。池尻はその後、「練馬区立図書館防犯カメラ運用規定」に基づき、2017年および2018年の2年間について映像記録の外部提供に関する情報公開請求を行った。その結果、同期間に15件の映像記録が警察へ提供されていたことが判明した[15][16]。日本図書館協会は、捜査関係事項照会書が事後提出となっていた事例なども確認したとしており、この問題を図書館利用者のプライバシー保護をめぐる事例として取り上げている[15][17]。
中村哲・ペシャワール会との関わり[編集]
池尻が代表を務めていた「市民の声ねりま」は、医師の中村哲を練馬区に招いて講演会を継続的に開催した。2016年6月には、練馬文化センターで「アフガンからのメッセージ〜命をささえ、平和をつむぐ」と題する中村の講演会を「市民の声ねりま」が主催した。この講演は、中村による練馬での6回目の講演だった[18]。中村の死後、2020年2月には練馬文化センターで「中村哲先生をしのぶ会」が開催された。同会はペシャワール会関東連絡会と「市民の声ねりま」が共催し、池尻は「市民の声ねりま」代表として閉会時に挨拶した[19]。
自治体政策・市民ネットワーク[編集]
2014年4月、世田谷区長の保坂展人とともに、練馬区で開かれたシンポジウム「自治体からの『エネルギー転換』 世田谷区の挑戦に学ぶ」に参加した。池尻は主催挨拶を行い、保坂との対談にも参加した[20]。2022年には、保坂展人、多摩市長の阿部裕行、東京都議会議員の漢人あきこ・岩永やす代、政治学者の中島岳志らとともに、Local Initiative Network(LIN-Net)の設立を呼びかけた。同年12月9日に開催された最初のLocal Initiative Meetingには、5人の区長・市長、約30人の自治体議員・予定候補、市民を合わせて約110人が参加した[21]。
その後もLIN-Netの活動に参加し、2024年4月の会合では「都市再開発と住民参加―上意下達型からの転換」をテーマとする分科会に、保坂展人、明治大学教授の小林正美、『建築ジャーナル』編集部の西川直子とともに参加した[22]。
主張・見解[編集]
2025年9月、『労働者住民医療』401号に「刻み込まれた『転換』参院選を地域から振り返る」を発表し、練馬区における同年の参議院議員選挙の投票データをもとに若年層の投票行動などを分析した。日本福祉大学名誉教授の二木立は「二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター」で同論考を「私のお奨めa/o私好み」論文の一つとして取り上げ、池尻を「市民派のベテラン東京都練馬区議会議員」と紹介した上で、若い世代の投票行動の変化に関する池尻の分析を紹介・論評した[23]。池尻は、投票率が上昇した20歳代と30歳代の票が参政党などに向かったことについて、右傾化の危険を喧伝する論調に異を唱え、弱体化したリベラル陣営の自省と覚悟・奮起こそ必要であるとの見解を示した[23]。
著作[編集]
- 「作ろう平和・練馬ネットワーク」、『インパクション』第88号、インパクト出版会、1994年10月、 89-90頁。
- 「色あせる「介護」の理念」、『労働の科学』第52巻第11号、大原記念労働科学研究所、1997年11月、 669-672、 。
- 「地方税制「改正」で保険料の段階が変わり、大幅な負担増!」、『賃金と社会保障』第1396号、賃社編集室、2005年6月、 52-55頁。
- 「連載特集 2012年度、社会保障改革を検証する(第3回)消費税 : 民主党政権の、終わりの始まり : 「社会保障と税の一体改革」を考える」、『労働者住民医療』第265号、労働者住民医療機関連絡会議、2012年3月、 3-17頁。
- 「介護保険20年、原点に返って : 「支給限度額」とは何だったのか」、『労働者住民医療』第326号、労働者住民医療機関連絡会議、2018年3月、 12-21頁。
- 「「介護保険料」を考える : 第8期事業計画初年度にあたって」、『労働者住民医療』第357号、労働者住民医療機関連絡会議、2021年4月、 2-7頁。
- 「『手話』のこと」、『労働者住民医療』第382号、労働者住民医療機関連絡会議、2023年10月、 1-2頁。
- 「『住み慣れた街で』は、はるかに遠く」、『労働者住民医療』第390号、労働者住民医療機関連絡会議、2024年7月、 1-2頁。
- 「刻み込まれた「転換」 参院選を地域から振り返る」、『労働者住民医療』第401号、労働者住民医療機関連絡会議、2025年9月、 14-16頁。
脚注[編集]
- ↑ a b “池尻 成二”. 練馬区議会 (2026年6月5日). 2026年7月26日確認。
- ↑ a b c d e f “池尻成二さん、区政の現場に「科学」はどのように関わってくるのでしょうか?”. 市民研通信. NPO法人市民科学研究室 (2017年2月). 2026年7月26日確認。
- ↑ a b c “第162回国会 厚生労働委員会 第15号”. 衆議院 (2005年4月12日). 2026年7月26日確認。
- ↑ “平成26年4月20日執行 練馬区長選挙 開票結果”. 練馬区. 2026年7月26日確認。
- ↑ “令和3年7月4日執行 東京都議会議員選挙 開票結果【練馬区】”. 練馬区. 2026年7月26日確認。
- ↑ “池尻成二 東京都議選2021 練馬区”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社. 2026年7月26日確認。
- ↑ “令和5年4月23日執行 練馬区議会議員選挙”. 練馬区. 2026年7月26日確認。
- ↑ “東京都 区議選挙 候補者一覧・開票速報”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 2026年7月26日確認。
- ↑ “労働関係文献月録”. 国立国会図書館. 2026年7月26日確認。
- ↑ 柴原君江 (2000年). “介護と看護の概念をめぐる動向”. 2026年7月26日確認。
- ↑ “Medical Information(学会・研究会情報)”. 週刊医学界新聞. 医学書院 (1999年7月5日). 2026年7月26日確認。
- ↑ “介護保険改悪法案 家事援助廃止は打撃 衆院委で参考人質疑”. しんぶん赤旗. (2005年4月15日) 2026年7月26日閲覧。
- ↑ “「医療再建で国民は幸せに、経済も元気に―医療への公的支出を増やす3つの提案」の参考資料”. 全国保険医団体連合会理事会 (2009年7月11日). 2026年7月26日確認。
- ↑ “手続きの遅れと医療水準の未達 迷走が続く新練馬光が丘病院”. ダイヤモンド社. (2012年3月22日) 2026年7月26日閲覧。
- ↑ a b c “図書館の自由 第107号”. 日本図書館協会 図書館の自由に関する調査委員会 (2020年2月). 2026年7月26日確認。
- ↑ “防犯映像 市民に見せる 練馬区立図書館 不審者や置引 確認頼まれ5件” (日本語). 東京新聞 (2020年1月8日). 2020年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年8月16日確認。
- ↑ “図書館の自由 第111号”. 日本図書館協会 図書館の自由に関する調査委員会 (2021年2月). 2026年7月26日確認。
- ↑ “中村哲医師が講演 「アフガニスタンの歴史、決してひとごとではない」”. (2016年6月30日) 2026年7月26日閲覧。
- ↑ “中村哲医師は「仁と義の人」、しのぶ会に600人 賛美歌を歌う場面も”. (2020年2月5日) 2026年7月26日閲覧。
- ↑ “自治体からの「エネルギー転換」 世田谷区の挑戦に学ぶ ―保坂展人世田谷区長、池尻成二練馬区議”. (2014年4月6日) 2026年7月26日閲覧。
- ↑ 漢人あきこ (2023年1月5日). “【報告とお誘い】「Local Initiative Network」発足&賛同人募集中!”. 2026年7月26日確認。
- ↑ “国が変わるのを待っていられない! 地域・自治体から希望の選択肢を”. Local Initiative Network (2024年4月20日). 2026年7月26日確認。
- ↑ a b 二木立 (2025年12月5日). “二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター(通巻257号)”. 非営利・協同総合研究所いのちとくらし. 2026年7月26日確認。