書店
書店(しょてん)は、書籍や雑誌などの出版物を販売する小売店。本屋(ほんや)ともいう。
概要[編集]
出版物を読者に届ける役割を担い、扱う本を選ぶ選書、発注、陳列、接客、在庫管理などを行う。店舗によっては、取り寄せや通信販売、著者を招くイベント、子供向けの読み聞かせなども行っている[1]。
経済産業省は、街中の書店を、創造性を育む文化創造の基盤として位置付けている[2]。
種類と販売形態[編集]
新品の本を扱う新刊書店に対し、中古の本を扱う店は古書店、古本屋などと呼ばれる。品ぞろえには、幅広い分野を扱うものから、児童書や専門書など特定の分野に重点を置くものまである。
実際の店舗で販売する形態のほか、インターネット上で注文を受け付けるネット書店もある。また、カフェを併設するブックカフェや、棚の一部を複数の出店者に貸すシェア型書店などの形態も見られる[1]。
日本の書店[編集]
歴史[編集]
江戸時代には、京都・大坂・江戸などで商業出版が発達し、書肆(しょし)と呼ばれる本屋が活動した。学術的な書籍から娯楽用の読み物まで、さまざまな本が出版された[3]。当時の本屋の多くは、販売だけでなく、印刷や出版も兼ねていた[4]。
流通と販売制度[編集]
日本の出版流通では、出版社から出版取次を経て書店に出版物が届く仕組みが広く用いられている[5]。一方、出版社と書店が直接取引する場合もある[1]。
新刊の書籍・雑誌の販売では、出版社が定価を定め、書店がその価格で販売する再販売価格維持制度(再販制度)が用いられている[6]。再販売価格の拘束は原則として独占禁止法で禁止されているが、書籍・雑誌などの一定の著作物については例外が認められている[7]。
仕入れには、売れ残った本を返品できる委託販売と、原則として返品できない買い切りなどがある[1]。返品可能な仕組みは、多種類の本を店頭に置く際の売れ残りのリスクを軽減する役割を持つ[5]。
近年の動向[編集]
日本では書店の減少が続いており、紙の出版物の売上減少や、ネット通販・電子書籍の普及、店舗運営費の上昇などが経営上の課題として挙げられている[1]。
経済産業省は2024年3月に「書店振興プロジェクトチーム」を設置した。2025年6月には、関係省庁とともに、書店の活性化に向けた施策をまとめた「書店活性化プラン」を公表した[2]。
主な書店[編集]
脚注[編集]
- ↑ a b c d e 中小企業基盤整備機構「書店」J-Net21、2025年4月9日。
- ↑ a b 中小企業庁「『書店活性化プラン』を公表しました」ミラサポplus、2025年6月10日。
- ↑ 埼玉県立文書館「令和6年度企画展『本をめぐる文化―江戸時代の本屋と読者たち―』」。
- ↑ 大阪府立図書館「第44回大阪資料・古典籍室小展示『むかしの本屋 店頭図展』」2001年9月18日。
- ↑ a b 森山光良「日本の公共図書館の電子書籍サービス―日米比較を通した検証―」『カレントアウェアネス』第312号、国立国会図書館、2012年6月20日、第5節。
- ↑ 日本書籍出版協会「再販制度」。
- ↑ 公正取引委員会「よくある質問コーナー(独占禁止法)」Q12。