大和型戦艦

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大和型戦艦(やまとがたせんかん)は、大日本帝国海軍が建造した戦艦の艦級である。第二次世界大戦中に完成した戦艦としては世界最大であり、史上最大口径の主砲を搭載した。建造は極秘裏に進められ、その存在は終戦まで連合国側には正確には知られていなかった。

概要[編集]

大和型戦艦は、当時世界的に進んでいた海軍軍縮条約の失効を見越して計画された。列強各国が建造するであろう新型戦艦に対し、質的な優位を確保することを目的としていた。そのため、日本の当時の技術力の粋を集め、徹底的な防御力と攻撃力の両立を目指して設計された。

主砲には、口径46センチメートル(18.1インチ)の「九四式46センチ三連装砲」を搭載した。これは、当時のいかなる戦艦の主砲よりも強力であり、その破壊力は絶大であった。また、防御力においても、主砲弾の直撃に耐えうる分厚い舷側装甲水平装甲を備え、対空防御にも配慮された。

しかし、大和型戦艦の完成は、既に航空機と航空母艦が海戦の主役となりつつあった時期と重なった。そのため、その巨砲を活かした艦隊決戦の機会は限られ、最終的には航空攻撃によって失われることとなった。

建造[編集]

大和型戦艦は計画では4隻の建造が予定されていたが、実際に完成したのは「大和」と「武蔵」の2隻のみである。3番艦「信濃」は建造途中で航空母艦に改造されたが、完成前に撃沈された。4番艦は計画のみで建造されなかった。

建造は、秘匿を最優先に進められた。進水式は厳戒態勢の中で行われ、建造ドックも巨大な覆いで覆われるなど、情報漏洩には細心の注意が払われた。

諸元[編集]

艦歴[編集]

豆知識[編集]

大和型戦艦の主砲弾は、一発の重さが約1.5トンもあった。これは、当時の小型車数台分の重さに相当する。また、その巨大な主砲塔は、砲身の交換に数日を要するほど複雑な構造をしていた。

関連項目[編集]

参考書籍[編集]

  • 吉田俊雄『戦艦大和ノ最期』(文春文庫)
  • 渡辺真郎『戦艦大和のすべて』(光人社NF文庫)
  • 佐藤和正『世界の戦艦』(海人社)