夜鶯 ―ある洋館での殺人事件―

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夜鶯 ―ある洋館での殺人事件―』(よるうぐいす[1] ―あるようかんでのさつじんじけん―、中国語: 扬名立万(揚名立萬)、英語: Be Somebody)は、2021年11月11日公開の中国映画作品。コメディ・ミステリ映画である。日本公開は2026年2月27日より[2]

スタッフ[編集]

キャスト・登場人物[編集]

李家輝
演:尹正
売れない脚本家[2]。複数のペンネームを持っている。
元は新聞記者であり、中華民国政府の不正を暴いたところ、記者仲間は遠ざかり、記者も廃業することになった。
アルコール依存症となっている。
蘇夢蝶
演:鄧家佳
一時代を築いたこともあるが、今は落ち目の女優[2]
香港で再婚したが、夫の事業は失敗。また前夫からは金を出さないとスキャンダルを暴露すると脅されている。
陸子野
演:陳明昊
映画プロデューサーだが、先物取引で大損害を被っている。住居など残った財産すべてを注ぎ込んで「三老事件」現場の洋館を購入し、政府高官に話をつけて真犯人の斉楽山を招いた。
政府高官からの覚え書きももらっているが、上海警察が踏み込んだ際には、政府高官は知らぬ存ぜぬ状態。
鄭千里
演:喻恩泰
「流行を取り入れているだけ」とも評される映画監督。シリーズ物の人気映画で2作目までは監督だったが、3作目の製作会議には呼ばれていない。
最初に「犯人は日本軍の兵隊」案を出したが陸子野に「政治や軍は映画に出したくない」と却下。続く案も李家輝にダメ出しされる。
関静年
演:楊皓宇
無声映画時代のスター俳優。トーキー映画が主流となってからは、活舌が悪かったため落ちぶれている。
無声映画時代は高名を笠に着て暴力的でもあり、記録係だった鄭千里を「カチンコの音がうるさい」という理由で殴ったこともある。
斉楽山が元軍人であることに気付き、さらに武器や物資の横流しなど軍部と三老の関係性に思い至ったため「三老事件」に触れる危険性を皆に訴えた。
陳小達
演:柯達
アメリカ合衆国ハリウッドに進出していたが、スタント専門で芽が出なかったアクション俳優。
中国武道を世界に広めることを目標としているが、本人の武道の腕前は作中では発揮されず、身体能力も人並みでしかない。
斉楽山
演:張本煜
死刑執行を明日にひかえる「三老事件」の犯人。
元中国遠征軍の軍人で、ネパールのグルカ族やインドで用いられている特徴的な短刀・ククリの名手。ククリを用いて殺害を実行している。なお、ククリは上海では入手困難な武器であった。
犯行動機を隠すため、「金銭目的で犯行を行った」「自分は刀仙で、妹弟子を助けるために悪を註した」などと嘯く。最期は警察署長を道連れに洋館と共に炎に焼かれ、真の犯行動機は隠しおおせた。
海兆豐
演:秦霄賢
上海警察に所属する現場経験ほぼゼロの新人刑事。通称「大海」。
もともとは事務方であったが「三老事件」の際に駆り出され、密室だった犯行現場に飛び込んだ際に撃った銃弾がたまたま斉楽山の持つククリを弾き飛ばした。
蘇夢蝶のファンでもある。
警察署長から「隠した金を山分けしようと、殺人犯を逃した悪徳刑事」として射殺される。
警察署長
演:余皑磊
軍令部から「三老事件」の真相を闇に葬るべく送り込まれた。海兆豐を射殺し、映画業界人たちも抹殺して、洋館は燃やし尽くすつもりであったが、斉楽山に阻止され、ククリで刺される。斉楽山は焼却準備の進んでいた洋館に自ら火を点け、署長と共に燃え尽きた。
「夜鶯」
演:鄧恩熙
中国遠征軍時代の斉楽山の上官の娘。上官は死ぬ直前に斉楽山に娘のことを頼んでおり、斉楽山は戦死通知を持って娘を訪ねた。その後、娘は斉楽山と共に上海に来て、そこで舞台女優(歌手)となる。夜鶯はその時の芸名。斉楽山も夜鶯が出演する劇場で働いていた。
三老が洋館で主催したコンテストで優勝し、三老に弄ばれる。これを救出しようとしたのが斉楽山の犯行動機でもある。
李家輝は三老たちが緊縛、吊り拘束を行って殺し、斉楽山が縄痕を隠すためにバラバラにし、招待客であったエッシャー医師の車に遺体を隠し、洋館の捜索をさせないために密室の犯行現場に戻って逮捕されたと推理し、そのストーリーで映画を撮影した。
実際には死亡はしておらず、斉楽山の逮捕後に密かに洋館を脱し、ベトナムへと逃れていた。
エッシャー医師
作中では名前のみ。
フランス人医師で、車から少女バラバラ殺人の遺体が発見されたことで逮捕されたものの、証拠不十分なために上海では起訴されずに帰国している。
フランスでも同様の殺人を行って逮捕され、上海の事件についても自供している。

あらすじ[編集]

1940年代後半、第二次世界大戦は終わったものの上海は混乱期のただなかであった。

フランス人医師によるものとされるバラバラ殺人事件も起きていたが、ここ数年で最も話題となったのは、上海の経済界を牛耳る3人(三老)が殺害された「三老事件」であった。この犯人は犯行現場で現行犯逮捕されており、明日には処刑が執行される予定であった。

落ちぶれた映画監督、売れない脚本家、無声映画時代の元スター俳優、再起を期す元花形女優、ハリウッドから帰国したアクション俳優といった映画業界人(ついでに言うと、声をかけたら集まりそうなくらい暇してる業界人)たちは、プロデューサーの呼びかけで豪華な洋館に集まった。

プロデューサーは「三老事件」を題材として、大ヒット間違いなしの映画脚本を一夜にして完成させることを目論んでいた。そして、プロデューサーは事件の真相について誰よりも詳しい人物も呼んでいた。事件の「本物の殺人犯」であり、この洋館こそが「三老事件」の現場でもあった。

映画業界人たちは真犯人から事件の真相を聞き出すが、真犯人の供述には矛盾点もあり、事件の動機などを隠していた。推理合戦を繰り広げる映画業界人たちは、虚実入り乱れる中、事件の真相を暴き出す。

夜が明け、上海警察が踏み込んでくる。「三老事件」の真相を闇に葬るため、真犯人を含む映画業界人たちを殺害し、洋館も燃やそうというのだった。映画業界人たちは洋館を逃れることに成功し、真犯人は警察署長と共に洋館ごと燃え尽きた。

映画業界人たちは中華民国を逃れ、「三老事件」を元にした映画を完成させ、ベトナムでの公開にたどりついた。

撮影秘話[編集]

  • 尹正が演じる脚本家の「李家輝」には「重度のアルコール依存症」という設定があり、監督との話し合いの末、設定を再現するために実際に飲酒しながら撮影に臨んでいる[3]

評価[編集]

  • 2021年に中国で公開された際には、3週連続1位を獲得し、興行収入176億円を超している[2]
  • 2022年人民百花賞最優秀脚本賞 受賞[2]

脚注[編集]

外部リンク[編集]