北朝鮮による日本人拉致事件
北朝鮮による日本人拉致事件(きたちょうせんによるにほんじんらちじけん)とは、1970年代〜1980年代に北朝鮮の工作員(スパイ)によって日本国内やヨーロッパ諸国から日本人が拉致(誘拐)された事件。
概要[編集]
北朝鮮は、1960年代〜1970年代には、朝鮮半島の南側の大韓民国(韓国)に対して北朝鮮の金日成(北朝鮮の初代の最高指導者)の命令により工作員(スパイ)を送り込んで韓国の社会主義化を目論んでいた。
韓国に対する工作活動(スパイ活動)を実施するために北朝鮮の工作員(スパイ)を日本人に成り済ます必要があった。そのために、日本人を拉致(誘拐)して北朝鮮の工作員(スパイ)に日本人化(日本人に成り済ます)教育を実施して、拉致(誘拐)した日本人の旅券(パスポート)を入手して北朝鮮の工作員(スパイ)が日本人に成り済ます目的で北朝鮮は日本人を拉致(誘拐)していた。
日本の警察の捜査によると日本人拉致事件には、日本国内に居住している北朝鮮系の朝鮮総連の在日朝鮮人が協力者として関与しているとされる。
1970年代〜1980年代の日本海の沿岸では、デート中の日本人の男女カップルが正体不明の人物に連れ去られそうになる拉致(誘拐)未遂事件が数件起きていた。また、日本海では、日本の漁師に不審船の出没が目撃されていた。日本の海上保安庁が不審船を発見して追跡したが逃げられることも有った。
日本の警察の捜査によると、1970年代〜1980年代にかけて数十名〜数百名の日本人が北朝鮮に拉致(誘拐)された可能性があるとされる。
また、日本からヨーロッパに海外旅行に行った日本人の旅行者が北朝鮮の工作員(スパイ)に騙されて北朝鮮に拉致(誘拐)された人物もいる。
しかし、「北朝鮮による日本人拉致事件」は、日本国内では2000年代(平成14年)の頃まではテレビや新聞などのマスコミで大きな話題にはならなかった。
しかし、韓国内で工作活動(スパイ活動)中にスパイ容疑で韓国の警察に逮捕された北朝鮮の工作員(スパイ)が逮捕されて韓国の警察の取り調べで日本国内から日本人を拉致(誘拐)したことを供述した。
これにより、日本のテレビや新聞などのマスコミも大きく報道するようになった為に、「北朝鮮による日本人拉致事件」に関する日本の世論の人達の関心が高まった。
2002年(平成14年)9月に日本の内閣総理大臣の小泉純一郎が北朝鮮の平壌を訪問して金正日(北朝鮮の2代目の最高指導者)と日朝首脳会談をして日朝平壌宣言を発表して、北朝鮮政府は日本人拉致事件を行なったことを初めて公式に認めて金正日(北朝鮮の2代目の最高指導者)が日本政府の小泉純一郎(当時、内閣総理大臣)に公式に謝罪した。
その後[編集]
その後、日本人拉致事件の5人の一部の拉致被害者が日本に帰国した。
しかし、北朝鮮政府は、「日本人拉致事件は解決済み」だと主張している。
また、北朝鮮には核兵器開発や弾道ミサイル開発などの安全保障問題があるために、その後の日本人拉致事件の全面解決は進展せずに、未だに未解決問題である。
関連項目[編集]
- 北朝鮮 - アジアにある社会主義国家で金(キム)一族が支配している独裁国家。
- 日本人拉致問題 - 北朝鮮による日本人拉致問題。
- 金正日 - 北朝鮮の2代目の最高指導者。
- 小泉純一郎(日本の元内閣総理大臣)- 北朝鮮による日本人拉致事件の解決のために奔走。
- 横田めぐみ - 日本人拉致事件の被害者の一人。