元祖油堂
元祖油堂(がんそあぶらどう)とは、ギフトホールディングスが運営する日本の油そば専門の飲食チェーン店である。通称「油堂」。
首都圏を中心に店舗を展開し、特に都市部を中心に若者や女性にも人気の店舗として知られている。
概要[編集]
スープのないラーメンである「油そば」を主力商品とし、独自開発の麺と豊富な卓上調味料によるカスタマイズ性を特徴としている。元祖油堂の最大の特徴と言ってもいい、この独自開発された「油そば専用麺」は、中華麺専用粉にパスタ粉を配合することで風味豊かでモチモチとした食感を実現した。およそ8年間もの試行錯誤を経て完成したこの麺は、油そばのタレ(カエシ)との相性を重視した設計となっている[1]。この専用麺は自社製麺工場「四之宮商店」にて製麺される[2]。
元祖油堂では、卓上に10種類以上もの調味料(酢、ラー油、ニンニク、唐辛子など)が用意されており、客が自由に味をカスタマイズできる点が人気である。これにより「自分だけのオリジナル油そば」を楽しむことができ、味のアレンジの幅が広いことが特徴として挙げられる。また、〆のスープが無料で提供され、食事の締めくくりとして利用される。このほか追加料金100円で追い飯があり、〆に余った具材と一緒に味わうことが出来る[1]。このため足を運ぶたびに違った味わいが感じられることも特徴であり、これが若年層や女性を中心にリピーターを増やしている要因となっている[3]。元祖油堂の店舗は、ガラス張りや赤いネオンサインを活用したモダンで開放的なデザインが特徴で、従来のラーメン店とは異なるおしゃれな雰囲気も女性客にも支持されている理由の1つとなっている[4]。
運営元の株式会社ギフトホールディングスは、横浜家系ラーメンの「町田商店」や二郎系ラーメンの「ラーメン豚山」など複数のラーメンブランドを展開しており、「元祖油堂」はその第3のブランドとして位置づけられている。2022年末に発表された中期経営計画では、2025年までに売上高300億円、店舗数1,000店を目指す目標の一環として、元祖油堂の店舗拡大が進められている[3]。
商品[編集]
油そば・トッピング[編集]
麺量は並盛(150g)・大盛(225g)・特大(300g)から選べる[5]。面増しは特大までは追加料金無料というどこかで見たことがあるような形式を採っており、スタッフからも入店時に「是非大きいサイズどうぞ!」と特大を推奨される[1]。なお、追加料金150円でジャンボ(450g)サイズにすることも可能[注 1]。
- 油そば
- 油そば:通常価格 880円
- 油そばAトッピング(パルメザンチーズ・卵黄追加):通常価格 1,000円
- 油そばBトッピング(肉増し・フライドオニオン・卵黄追加):通常価格 1,130円
- 油そばCトッピング(肉増し・パルメザンチーズ・フライドオニオン・卵黄追加):通常価格 1,230円
- 辛味噌油そば
- 辛味噌油そば:通常価格 980円
- 辛味噌油そばAトッピング(パルメザンチーズ・卵黄追加):通常価格 1,100円
- 辛味噌油そばBトッピング(肉増し・フライドオニオン・卵黄追加):通常価格 1,230円
- 辛味噌油そばCトッピング(肉増し・パルメザンチーズ・フライドオニオン・卵黄追加):通常価格 1,330円
- 追加トッピング
- 卵黄:通常価格 50円
- 旨辛くん:通常価格 50円
- 系列店「ラーメン豚山」にも追加トッピングとして存在する。
- 海苔:通常価格 50円
- 明太子:通常価格 100円
- フライドガーリック:通常価格 50円
- メンマ:通常価格 50円
- フライドオニオン:通常価格 100円
- 肉増し:通常価格 200円
- ネギ増し:通常価格 100円
- 納豆:通常価格 100円
- マヨネーズ:通常価格 50円
- 恐らく最も人気な追加トッピング。パスタ粉とブレンドした麺のため、マヨネーズとの親和性が抜群となっている。
- パルメザンチーズ:通常価格 100円
- 追い飯:通常価格 100円
- 油そばの食後に余った具材やタレと一緒に食べられる。〆スープ(無料)を入れて食べてもよく合う。
- ゆず胡椒:通常価格 30円
- ジャンボ:通常価格 150円
- ジャンボサイズ(450g)を注文の場合はこちらを注文する。
- ドリンク
- コロナビール(330ml/瓶):通常価格 550円
- 氷結レモンサワー(350ml/缶):通常価格 400円
卓上調味料・ドリンクバー[編集]
以下の卓上調味料・ドリンクバーはすべて追加料金なしの無料となっている。
- 卓上調味料
- カエシ
- 酢
- 辣油
- ゴマ
- ケイジャン
- カレー粉
- 一味唐辛子
- 青のり
- 黒胡椒(ブラックペッパー)
- 魚粉
- ニンニク
- 玉ねぎ
- 紅生姜
- 〆スープ
- 無料ドリンクバー
- ジャスミン茶
- 黒烏龍茶
- デトックスウォーター
このほかウォーターサーバーが設置されている[1]。
歴史[編集]
元祖油堂は、油そばの専門店として2021年から展開を開始。横浜西口本店を皮切りに、東京都内や神奈川県、仙台、柏などに店舗を広げ、2025年時点で全国に20店舗以上を展開している。2023年には綱島店や町田店、2025年には吉祥寺店や上大岡店など、新店舗のオープンが相次いでいる。また、2025年4月には公式ブランドサイトがオープンし、最新のメニューや店舗情報の発信が強化された。
年表[編集]
- 2021年(令和3年)7月7日:横浜西口本店(1号店)が新規開店[6]。
- 2022年(令和4年)
- 2023年(令和5年)
- 2024年(令和6年)
- 1月15日:恵比寿西口店が新規開店[16]。
- 3月14日:藤沢店が新規開店[17]。
- 4月29日:田町店が新規開店[18]。
- 7月17日:町田店が新規開店[19]。23区外の東京都内初出店。
- 8月1日:エキア竹ノ塚店が新規開店[20]。
- 8月29日:CIAL横浜店が新規開店[21]。
- 9月23日:歌舞伎町店が新規開店[22]。
- 9月30日:国立店が新規開店[23]。
- 10月28日:六本木店が新規開店[24]。
- 12月2日:小田原店が新規開店[25]。
- 12月6日:ソウル店(海外1号店)が新規開店[26]。日本国外初出店。大韓民国・ソウルにあるアジア最大級のアウトレットモール「Mario Outlet」に現地企業が運営するフランチャイズチェーン(FC)として出店。
- 12月16日:仙台広瀬通店が新規開店[27]。東北地方初出店。
- 2025年(令和7年)
評価[編集]
元祖油堂は、油そば専門店としての独自性とカスタマイズ性の高さから、若者を中心に高い評価を受けている。食べログでの平均評価は3.49(2025年時点)で、ユーザーからは「豊富な調味料で飽きずに楽しめる」「麺の食感が良い」などの声が寄せられている。また、X(旧:Twitter)上でも「チェーン店ながらクオリティが高い」「味変が楽しい」といったポジティブな意見が見られる。
一方で、競合他社(東京油組総本店や日本油党など)と比較して、味の個性がやや近いとの指摘もあり、独自性をさらに強化する余地があるとの意見も存在する[2]。
脚注[編集]
- 出典
- ↑ a b c d “【元祖油堂 歌舞伎町店@新宿】麺は特大サイズまで無料の油そば専門店”. 俺たちのラーメン (2024年10月16日). 2025年7月5日確認。
- ↑ a b まにっち【公式】 (2024年9月13日). “元祖油堂@町田店【営業時間が23時までに延長!油そば(特大)、卵黄、海苔、追い飯、〆スープ。】”. アメーバブログ. 2025年7月5日確認。
- ↑ a b ゆるっと経営ノート (2024年12月6日). “元祖油堂はラーメン業界で戦わない?その成長の源泉を探る”. note. 2025年7月5日確認。
- ↑ “吉祥寺ダイヤ街に新オープン究極の油そば店「元祖油堂」無限に楽しめる遊び心に溢れた一杯”. 吉祥寺ファンクラブ (2025年6月10日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “メニュー”. 元祖油堂. 2025年7月5日確認。
- ↑ ラーメン大好き・特に家系。 (2021年8月1日). “元祖油堂 横浜西口本店 @横浜”. FC2ブログ. 2025年7月5日確認。
- ↑ “【元祖油堂】6月29日_元祖油堂 東京ラーメン横丁店オープン!”. 元祖油堂 (2022年6月29日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “【元祖油堂】8月29日_元祖油堂 武蔵小杉店オープン!”. 元祖油堂 (2022年8月29日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “【元祖油堂】12月21日_元祖油堂 新小岩店オープン!”. 元祖油堂 (2022年12月21日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “【元祖油堂】2月8日_元祖油堂 赤坂店オープン!”. 元祖油堂 (2023年2月8日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “元祖油堂 綱島店オープン!”. 元祖油堂 (2023年3月22日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “元祖油堂 北千住東口店オープン!”. 元祖油堂 (2023年5月3日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “元祖油堂 川口駅前店オープン!”. 元祖油堂 (2023年7月7日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “元祖油堂 柏西口店オープン!”. 元祖油堂 (2023年8月7日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “「元祖油堂 神谷町店」オープン!”. 元祖油堂 (2023年11月17日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “「元祖油堂 恵比寿西口店」オープン!”. 元祖油堂 (2024年1月15日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “「元祖油堂 藤沢店」オープン!”. 元祖油堂 (2024年3月14日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “「元祖油堂 田町店」オープン!”. 元祖油堂 (2024年4月29日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “「元祖油堂 町田店」オープン!”. 元祖油堂 (2024年7月17日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “「元祖油堂 エキア竹ノ塚店」オープン!”. 元祖油堂 (2024年8月1日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2024年8月29日「元祖油堂 CIAL横浜店」オープン!”. 元祖油堂 (2024年8月22日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2024年9月23日「元祖油堂 歌舞伎町店」オープン!”. 元祖油堂 (2024年9月17日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2024年9月30日「元祖油堂 国立店」オープン!”. 元祖油堂 (2024年9月23日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2024年10月28日「元祖油堂 六本木店」オープン!”. 元祖油堂 (2024年10月21日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2024年12月2日「元祖油堂 小田原店」オープン!”. 元祖油堂 (2024年11月25日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “ギフトHD、韓国に油そば「元祖油堂」出店 海外1号店”. 日本経済新聞. (2024年12月6日) 2025年7月5日閲覧。
- ↑ “2024年12月16日「元祖油堂 仙台広瀬通店」オープン!”. 元祖油堂 (2024年12月9日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2025年1月20日「元祖油堂 多摩センター店」オープン!”. 元祖油堂 (2025年1月14日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2025年3月7日「元祖油堂 新松戸店」オープン!”. 元祖油堂 (2025年2月28日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “「元祖油堂」ブランドサイトがオープン!”. ギフトホールディングス (2025年4月10日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2025年4月10日「元祖油堂 溝の口店」オープン!”. 元祖油堂 (2025年4月3日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2025年4月25日「元祖油堂 横浜鶴屋町店」オープン!”. 元祖油堂 (2025年4月18日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2025年5月10日「元祖油堂 大船店」オープン!”. 元祖油堂 (2025年5月3日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2025年5月25日「元祖油堂 渋谷センター街店」オープン!”. 元祖油堂 (2025年5月19日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2025年6月10日「元祖油堂 吉祥寺店」オープン!”. 元祖油堂 (2025年6月3日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2025年6月25日「元祖油堂 御茶ノ水店」オープン!”. 元祖油堂 (2025年6月18日). 2025年7月5日確認。
- ↑ “2025年7月10日「元祖油堂 上大岡店」オープン!”. 元祖油堂 (2025年7月3日). 2025年7月5日確認。
- 注釈
- ↑ ジャンボ提供時は、特大までの容器よりも一回り大きいものでの提供となる。