偏微分法

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数学微積分学分野に於ける偏微分法とはニ変数以上の所謂多変数関数の微分を考察する分野である。

概要[編集]

記述を簡潔にするために主として2、3変数関数に関して述べる。(それ以上の多変数関数についても考え方は大体同じなんでそこんとこ世露死苦☆)

2変数関数に対し或るxy平面上の領域において極限

が存在する時その極限値を変数xに関する偏導関数といい

といった記号で表わす。偏導関数を求める事を「偏微分する」と言う。

大雑把に言ったら偏導関数を求める事とは多変数関数において(他の変数を定数と考えて)特定の変数(上述の場合はx)に関して微分する事である。

変数yに関する偏微分もxの場合と同様に定義され

っちゅー記号で表される。まぁ要するに基本的に(1変数関数の)微分&導関数と似たような概念であり、微分係数に相当する偏微分係数も1変数の時と同様に定義される。

偏微分の公式[編集]

偏微分は他の変数を定数と考えるだけでそれ以外は普通の微分とそんなには変わらんので線形性が成り立つのは勿論各種公式も1変数関数の微分法と類似の公式が成り立つ事が多い(証明もほぼ同様)。

例えば「変数yに関する商の偏微分法」は

とゆー風に表される(f,gはx,yの2変数関数)。証明も商の微分法と殆んどおんなじ。

以下に述べる所謂合成関数の偏微分法合成関数の微分法とほぼ同様なんだが復習がてら導出しておこう。

合成関数を考えて、fのy座標方向の微小変化をと書く事にすると

を得る。ここでであり移項したらだから

が成り立つ。(※である事に注意!)変数xに関する偏微分も同様の事が言えるので以下の公式が導かれた事になる。//;

全微分[編集]

関数を点でxに関して偏微分する(即ち偏微分係数を求める)事は曲面をx軸に平行な平面で切った時に出来る切り口の曲線の接線の傾きを求めるよーなもんであり上記曲面を近似してるとは言えない。(曲面を近似するのは接線じゃなくて接平面!)

以下では関数のxとy両方動かした時のfの無限小変化である全微分を求める事にする。この全微分こそが本来の意味に於ける「多変数関数の微分」である。

上記2変数関数の微小変化をと書く事にすると

が成り立つ(数学的にあんまり厳密な議論じゃないけど悪しからず)。

ここでの極限をとると

が導かれる。//

3変数関数の全微分の導出法も同様であり

とおいて

を引いて足して等を掛けて割るっちゅー計算したら以下の極限が導ける。//

※n変数関数に関しても上記と同様に偏微分の定義式を作っていったら

が得られる。

更にdxの添え字を右上に書いてディラックの記法及びアインシュタインの規約を使えば

と表わせる。(表現大袈裟過ぎwww)

連鎖法則[編集]

全微分の公式

に於いて形式的に「両辺」やったら2変数関数の合成関数の微分法の1つ

が得られる。この等式は変数tに関する微分を「・」で表わして略記すれば

とも書ける。この公式は連鎖法則と呼ばれる。