ロケット・マン
ロケット・マン(英語: Rocket Man、副題はI Think It's Going to Be a Long, Long Time)は、イギリスのシンガーソングライター、エルトン・ジョンが1972年に発表した楽曲。作詞はバーニー・トーピン、作曲はエルトン・ジョン自身による。アルバム『ホンキー・シャトー』に収録され、シングルとしてもリリースされた。
概要[編集]
「ロケット・マン」は、エルトン・ジョンの代表曲の一つであり、彼のキャリア初期を代表する楽曲である。作詞のバーニー・トーピンは、レイ・ブラッドベリの短編小説「万華鏡」(1951年発表の短編集『刺青の男』に収録)からインスピレーションを受けたとされる[1]。また、当時流行していた宇宙開発競争や月面着陸といったテーマも、歌詞に影響を与えているとされる。
楽曲は、宇宙空間での孤独と、家族や地球への郷愁を歌い上げたものであり、普遍的なテーマを扱っている。メロディは叙情的で、エルトン・ジョンのピアノと歌声が印象的な仕上がりとなっている。
制作とリリース[編集]
本楽曲は、フランスのシャトー・デルヴィーユ(Château d'Hérouville)で録音されたアルバム『ホンキー・シャトー』のセッション中に制作された。プロデューサーは長年のコラボレーターであるガス・ダッジョンが務めた。
1972年4月17日にシングルとしてリリースされると、全英シングルチャートで最高2位、ビルボード ホット100で最高6位を記録し、世界的なヒットとなった。
評価と影響[編集]
「ロケット・マン」は、批評家から高く評価され、エルトン・ジョンの最も優れた楽曲の一つとされている。ローリング・ストーン誌が選ぶ「史上最高の500曲」では、複数回選出されている。
本楽曲は、宇宙飛行士の間でも愛されており、ISSでの目覚まし音楽として使用されたこともある。
2019年には、エルトン・ジョンの半生を描いた伝記映画のタイトルとして「ロケットマン」が使用された。
参加ミュージシャン[編集]
- エルトン・ジョン – ピアノ、ボーカル
- ディー・マレー – ベース、バッキング・ボーカル
- ナイジェル・オルソン – ドラムス、バッキング・ボーカル
- デイヴィー・ジョンストン – アコースティック・ギター、スライドギター、バッキング・ボーカル
チャート成績[編集]
チャート | 最高位 |
---|---|
全英シングルチャート | 2 |
ビルボード ホット100 | 6 |
カバーバージョン[編集]
- ケイト・ブッシュ - 1991年のトリビュートアルバム『トゥー・ルームズ:トリビュート・トゥ・エルトン・ジョン&バーニー・トーピン』に収録。
- ウィリアム・シャトナー - 2011年のアルバム『Seeking Major Tom』に収録。
- マイリー・サイラス - 2018年のグラミー賞授賞式でエルトン・ジョンと共演。
豆知識[編集]
- 歌詞の「I Think It's Going to Be a Long, Long Time」は、デヴィッド・ボウイの「スペイス・オディティ」の歌詞「Ground control to Major Tom」に対するバーニー・トーピンなりの返答とも言われている。
- 宇宙飛行士のクリス・ハドフィールドが国際宇宙ステーションでこの曲を歌った動画がYouTubeで公開され、大きな話題となった。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- ↑ “Rocket Man by Elton John - Songfacts”. 2024年6月14日確認。
- Philip Norman, Elton John, Pan Books, 2001. ISBN 978-0-330-48762-2