メカニカルストーカー

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メカニカルストーカー (英:Mechanical stoker)とは、蒸気機関蒸気タービンボイラー製鉄所溶鉱炉石炭を自動的に送る装置。

単に「ストーカー(発音としてはストウカー)」とも呼ばれる。

名称[編集]

stokerとは、「連続的に行う者」を意味する。
日本語では「自動給炭機」や「自動給炭装置」と呼ばれるが、現場では言いやすい「ストーカー」が使われた。

概要[編集]

蒸気機関への投炭作業は過酷で作業員は夏でも火傷防止に長袖長ズボンであった。蒸気機関や蒸気タービンが巨大になると投炭作業を行う作業員も増加することになるが、人員を増やすことには限界があった。そこで登場したのがストーカーであった。

特徴[編集]

貯炭場からボイラーまで結ぶアルキメデスの水車のような形態が多い。
また、ベルトコンベアであることもあり、金属製の無限軌道のような仕組みのものもある。
動力は電動機であることが多い。

長所[編集]

  • 先述のとおり、石炭を溶鉱炉や火室に自動で送るため、機関助士の投炭する作業による労働が軽減することができる。

短所[編集]

  • 複雑な構造で故障が多く、保守に手間がかかる。
  • 機械である以上、個体差があるため(ある意味十人十色である)、それを把握する必要があった。

蒸気機関車での使用[編集]

蒸気機関車用では、20世紀初頭にアメリカで開発・実用化された。
日本では戦後間もない頃に導入され、C61形C62形をはじめ、標準形に準じた改造を施されたD52形や、それをさらに改造したD62形常磐線用のD51形の一部[注 1]に搭載された。

脚注[編集]

  1. 当時使用されていた石炭の熱量が低く(常磐炭田で産出された石炭を使用していた)、そのおかげで投炭量が多かったのである。

関連項目[編集]

参考文献[編集]