ピンチ効果

ピンチ効果とは電流自体によって誘起される磁場の影響下で電流回路が圧縮されることである。プラズマ、固体、ないしは金属液体を流れる強い電流は、磁場を形成する。この磁場は電子またはイオンの荷電粒子に作用し電流分布を大きく変化させる。高電流ではローレンツ力によって導電回路が変形し破綻することも。自然界では雷で観測される。

歴史

この効果は、1790年にオランダの物理学者のマルティン・ファン・マルムによってはじめて実験で観測された。マルムはライデン瓶に金属線を通して放電させた。

この効果は1934年にウィラード・ハリソン・ベネットによってガス放電プラズマ中の高速荷電粒子の流れに関連して記述・理論化された。

定義

円筒軸(zピンチ)に沿って流れる一次元電流${\vec {J}}$を考えると、磁場は角成分 ${\vec {B}}=B_{\theta }(r){\hat {\theta }}$のみを有するため、荷電粒子の軌道を円筒軸付近に維持することができる。アンペールの法則によれば、

$\nabla \times {\vec {B}}=\mu _{0}{\vec {J}}$

円筒座標系は

$\mu _{0}{\vec {J}}={\frac {1}{r}}{\frac {d}{dr}}(rB_{\theta }){\hat {z}}$

関連項目

• グラッド・シャフラノフ方程式
• Zマシン