バーグマンの定理

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バーグマンの定理とは非相対論的量子力学における位相変換の性質に関する定理であり、異なる質量を持つ粒子に対応する波動関数の重ね合わせの記述を封じる。この定理は1954年アメリカ物理学者ヴァレンティン・バーグマンによって証明された。

前提[編集]

非相対論的量子力学では、質量スペクトルや不安定な素粒子が存在する状態を記述することは不可能である。

数式[編集]

原子単位系におけるシュレーディンガー方程式で考えると、iΨt12m2Ψ=0、そしてガリレイ変換qq=Rq+Vt+a,tt=t+b,となる。

ここで、Rは空間回転を記述する定数直交行列V はガリレイ変換で記述する一定速度ベクトル、aは空間における座標原点の遷移の定数ベクトル、bは時間の始まりは常に変移することを表す。

波動関数に対するガリレイ変換の作用を、あるユニタリー作用素U=eif(ここでfは実関数)を適用した結果を考えると、

Ψ(q,t)=eifΨ(q,t)

ガリレイ変換に対する不変性とは、ΨΨと同じシュレーディンガー方程式を満たすことを意味する。

iΨΨt12m2Ψ=0

t=t+V,=R,2='2,の性質を利用して、Ψ(q,t)=eifΨ(q,t)iΨt12M2Ψ=0に代入する。結果、以下の式が得られる。

[ftVf+12m(f)2i2m'2f]eifΨ+i(V1mf)eifΨ+(iΨt12m'2Ψ)eif=0

ここで、最終項はシュレーディンガー方程式が成り立つ場合に0になる。Ψ及びΨは独立しているため、ここから2つの条件が導かれる。

ft=Vf+12m(f)2i2m'2f
f=mV

最初の条件より、ft=mV22が得られ、積分すると、

f(q,t)=mVq12mV2t+C

ここで、Cは積分定数である。

したがって、積分定数をどのように選択しても、位相変換は取り除くことはできない。よって、異なる質量の粒子に対応する波動関数の線形の重ね合わせで記述される非相対論的量子力学状態は存在しない。

関連項目[編集]