バッファロー6×6 MPV地雷除去車

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バッファロー6×6 MPV(Buffalo 6×6 MPV)は、南アフリカ共和国で開発された地雷および即席爆発装置IED)の脅威に対抗するために設計された地雷除去車である。その堅牢な設計と優れた防御力から、紛争地域における安全確保に不可欠な車両として、世界各国の軍隊や国際連合PKO部隊などで運用されている。

概要[編集]

バッファロー6×6 MPVは、南アフリカ共和国のフォース・プロテクション社(Force Protection, Inc.)が開発したMRAP(Mine Resistant Ambush Protected、耐地雷・耐伏撃)車両の一種である。車体下部にV字型船底を採用することで、地雷やIEDの爆発エネルギーを外部に逸らし、乗員への被害を最小限に抑える構造となっている。

この車両は、特に爆発物処理と地雷除去に特化しており、車体前部には可動式の巨大なアームが装備されている。このアームの先端には、様々なアタッチメントを取り付けることが可能で、例えば地中探査用のセンサーや、不審物を安全な距離から除去するためのクローなどが装着される。これにより、作業員が直接危険に晒されることなく、爆発物の探知・処理を行うことができる。

バッファローは、その高い防御力と多機能性から、アフガニスタン紛争 (2001年-)イラク戦争といった地域で、アメリカ軍を始めとする多国籍軍によって広く使用された。IEDの脅威が深刻化した2000年代半ば以降、その需要は急速に高まった。

開発と歴史[編集]

バッファローは、南アフリカ共和国がアパルトヘイト時代に開発したキャスパー装甲兵員輸送車(Casspir)の成功を基に、より現代的な脅威に対応するために設計された。キャスパーは、その耐地雷性能で高く評価されており、バッファローはその技術的系譜を受け継ぎつつ、さらなる防御力と機能性を追求したものである。

初期のモデルは2000年代初頭に登場し、特にアメリカ合衆国国防総省によるMRAPプログラムの中核をなす車両として採用されたことで、その名が広く知られるようになった。フォース・プロテクション社は、その後BAEシステムズランド・アンド・アーマメンツ部門(現在のBAEシステムズ・ランド・アンド・アーマメンツ)に買収されたが、バッファローの生産と改良は継続されている。

特徴[編集]

バッファロー6×6 MPVの主な特徴は以下の通りである。

  • V字型船底車体:地雷やIEDの爆発時に、爆風と破片を車体の外側へ逸らすことで、乗員室への衝撃を軽減する。
  • 高い地上高:車両の下部に爆発物がある場合でも、その影響を最小限に抑えることができる。
  • 重装甲:小火器の射撃や破片に対する防御力が高く、乗員の安全を確保する。
  • 多機能アーム:車体前部に装備されたアームは、遠隔操作が可能で、爆発物の探知、識別、除去作業を行うことができる。カメラやセンサーを搭載し、詳細な情報を取得することも可能である。
  • 広々とした室内空間:乗員と搭乗員のための十分なスペースが確保されており、長時間の任務にも対応できるよう配慮されている。また、爆発物処理に必要な装備品を搭載するためのスペースも確保されている。
  • 6輪駆動:不整地や悪路での走行性能に優れ、様々な地形での運用が可能である。

運用国[編集]

バッファロー6×6 MPVは、以下の国々で運用されている。

ギャラリー[編集]

豆知識[編集]

  • バッファロー6×6 MPVは、その名前の通り、6輪駆動の車両である。
  • その外見から、「サイ」や「カブトムシ」といったニックネームで呼ばれることもある。
  • 地雷除去作業だけでなく、道路啓開や爆発物処理の支援車両としても広く活用されている。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Jane's Armoured Fighting Vehicles. Jane's Information Group.
  • Force Protection, Inc. 公式ウェブサイト (現在はBAEシステムズに統合)