グリングラス
『グリングラス』は石ノ森章太郎による漫画、および作中で登場するスーパーヒーローの名称。
『週刊少年サンデー』(小学館)にて1983年21号から1984年10号に連載された。全40話、話数表記は「ROLL 〇(〇付数字)」。単行本は小学館版が全4巻、講談社版は全3巻。講談社版の話数表記は通巻であるが、小学館版は巻ごとに「ROLL ①」から振り直しになっている。
あらすじ[編集]
一学期[編集]
1995年、城東学園シネマ研究会では、「グリングラス」というスーパーヒーロー物を制作していた。
ロケ中に無人車が暴走してきて部員を轢こうとしたところを本物のグリングラスが表れて部員を助けた。以降、シネ研はロボットに襲われるようになり、グリングラスに助けられることが続いた。グリングラスは三太郎が気を失っている間に現れるため、三太郎の秘めたる能力ではないかと思われた。
実は、シネ研が撮影していたフィルムの中にロボットが人を殺した現場が映っていたのだった。しかし、ロボットには制御回路が組み込まれており、人間を襲うことはできないはずであった。被害者はコダマ電子の重役で自殺と報道されていた。
夏休み[編集]
シネマ研究会一行は、青森県の「コダマ電子」工場の社員寮に宿泊する撮影合宿を行っていた。
自分がグリングラスであると信じる三太郎はロボットを製造している「コダマ電子」の工場に潜入した三太郎は、実際に殺人ロボットが作られていたことを突き止めたが、工場は爆破されてしまった。
二学期[編集]
悠が超高性能ロボットであることがコダマ電子に知られ、コダマ電子は悠そのものを手に入れるべく方針を変更する。
三学期[編集]
3学期が始まったが、学園長、担任教師以外はシネマ研究会一行しか登校してきていない。爆発が起こり、気が付くと一行は1999年に人類が滅んだ世界へとタイムスリップしていた。生き残った人類は月面基地や火星にわずかだという。
そこで一行は、互いに心で会話するような超能力を獲得する。
全ては、悠が人類滅亡を回避するために仕組んだことで、タイムスリップも偽装であった。本当の3学期が始まる。
登場人物[編集]
- 城東学園シネマ研究会(じょうとうがくえんシネマ研究会)
- 通称「シネ研」。
- 「グリングラス」というスーパーヒーロー作品の制作を行っている。
- 椿 三太郎(つばき さんたろう)
- シネ研代表。「グリングラス」では主人公を演じる。
- シネ研女子たちから好意を向けられるが、ハーレム状態ということで逆に嫌われる要因にもなっている。
- 氷川 悠(ひかわ ゆう)
- 眼鏡男子。「グリングラス」では敵の怪人アンドロイドの中の人。
- 母子家庭であり、妹2人、弟1人がいるが、悠を含めて全員が養子である。亡き継父(遺伝子工学者だったらしい)がコダマ電子に貢献していたため、コダマ電子からの給付金で生活をしている。
- ロボット工学にも明るい。
- 本物の氷川悠は氷川夫妻の実子であり、超天才児でもあったが身体が弱く幼くして亡くなったが、亡くなる前に独学で作り上げたのがロボットの悠であった。
- 夏休み期間中のできごとで、読者には殺人ロボットから三太郎たちを守っているグリングラスの中の人であると明かされるが、三太郎たちが知るのはもっと後になる。
- 八霧 裕子(やぎり ゆうこ)
- 「グリングラス」では敵の怪人ロボットに襲われるヒロイン役。女優志望で、実家は演劇場を経営している。
- 鐘古 ヒロミ(かねこ ヒロミ)
- 「ベルバンバ」なる不良少女グループのリーダー。ベルバンバの「兵隊」がシネ研の「グリングラス」にエキストラ出演しているほか、謎のロボットに襲われる三太郎の護衛の任にもあたっていた。ベルバンバはパッドを入れて服の肩を尖らせているのが特徴。職員会議では他にも胸が大きい、髪をパーマにしリボンを付けているといった特徴が挙げられていた。リボンについては当世の流行りでありベルバンバのみの特徴とは言い難いとのこと。
- 姉が2人いるが、結婚済で家を出ており、魚屋を営む父親と2人暮らし。
- 湖多摩 真理(こだま まり)
- コダマ電子社長令嬢。父である社長のことは、あまり尊敬できておらず、さらにはシネ研を活動停止にしようと社長命令でベルバンバを騙った暴力事件を行ったりと、父との仲は良くない。
- 2学期になり、父親から悠がはるかに進んだ技術で製造されたロボットであることを告げられる。また、10数年前より各国政府高官や父親のような一部企業上層部が加担する「
黙示録 ()計画 ()」についても告げられる。
- 大門 十兵衛(だいもん じゅうべえ)
- 初登場時は青森県のコダマ工場付近の高校生であり、工場の秘密を探ろうとする三太郎たちの邪魔をする。大怪我をしたところ、コダマ電子社長にサイボーグ施術をほどこされ生きながらえており、社長に恩義を感じている。
- グリングラスに扮した悠にサイボーグ体の両腕を破壊され、そんな力を持つ悠もサイボーグかロボットではないのかと疑うようになる。
- 両腕の修理のために上京し、2学期から城東学園の三太郎たちのクラスへ転入してくる。
- 真理の護衛のようなことも行う。
- イヴ・ムーン・ローランド
- 十兵衛と共に三太郎たちのクラスへ転入してきた女子。
- ロボットによる殺人現場を収めたフィルムを探すためにコダマ電子から送り込まれたロボット(アンドロイド)である。
- 三太郎の部屋を捜索したがフィルムは見つからず、「三太郎に乱暴された」と服を破って偽装して悠の家に行ったものの、人間にできないような服の破り方をしていたため、ロボットと見破られて捕獲され、悠に感情回路を追加改造され、恐怖の感情を覚えると共に人間を殺害することはできなくなった。
- コダマ電子の殺人ロボットに頭部を破壊される。悠によって修理されたが、その後は頭部が無い状態で三太郎たちを護るよう暗躍する。
作中世界[編集]
漫画制作時からは約10年後の近未来であり、実際の1995年とは異なっている。
- 学校(高校)は2日に1度の登校で済むようになっている。
- 各家庭に固定回線のテレビ電話機が普及しているが、ハンズフリーではなく、受話器を用いる。また、携帯電話やスマートフォンは登場しない。リビングのテーブルにはテレビ画面が埋め込まれているが、持ち運べるテレビは無い。
- 各家庭には「
労奉人 ()」という家事を行う非人型の機械が普及している。家の施錠も音声、画像認識によるコンピュータ制御。- とは言え、ロボットの危険性や人間の職を奪われることを訴えてのロボット反対運動も起きている。
- 新聞は各家庭にファクシミリで配信されており、「ファク
紙 ()」と呼ばれている。 - 東北新幹線は新青森駅まで全線開業済み。現実には2010年12月に最後の八戸駅 - 新青森駅間が開業した。
- グリングラス
- シネ研が制作している特撮ドラマ「グリングラス」は以下のような設定。
- グリングラスは、ロボットであり、悪のアンドロイド団から人間を守るために戦っている。
- 「グリングラス」を直訳すると「緑の草」で自然を意味し、同時に放射性物質を収納するための箱の名称でもあり、自然と人間を護る者の意がある。
- 黙示録計画(アポカリプシュプロジェクト)
- 近い将来に避けえない人類絶滅から、人類を救うために他惑星への移民を推進する計画。各国政府の上層部も参画している。
- 湖多摩社長には10数年前に計画参加への働きかけがあり、以後、コダマ電子は資金融通など計画への協力を密かに行っている。
外部リンク[編集]
- グリングラス - 石森プロ